ドラッカーは、会社の経営やビジネスの世界で、世界中の人に影響を与えた人物です。

彼が書いた「マネジメント」という本は、日本でもブームとなりました。書籍の内容を取り入れた高校舞台の小説がテレビアニメになるほどです。

本記事では、マーケティングの観点からドラッカーについてまとめてみました。

ドラッカーとは

ドラッカー

ドラッカーとは、本名をドイツ読みでペーター・フェルディナンド・ドラッカーといいます。ヨーロッパのウィーンという都市で生まれます。

ドイツ系のユダヤ人の家で、とても裕福な家庭でした。

1929年に、フランクフルター・ゲネラル・アンツァイガーという新聞社に入社します。そこで、なんとたった2年で副編集長という役職に昇格します。

フランクフルト大学にて法学博士号を取り、イギリスに移り住みます。そこでは、投資銀行に努め、結婚をします。

順風満帆な人生のように見えますが、その後、移り住んだアメリカでは、決まった仕事はなかったそうです。ペニントン大学など大学講師でつなぎつつ、論文やレポートを書いていました。

会社経営に役立つ本をたくさん書きました

当時のアメリカは、大量生産の時代のまっただなか。世界中で有名になる自動車会社など、大きな会社がたくさん生まれていた時代でした。そこで、多くの刺激を受け、ドラッカーは執筆活動に励みます。

1946年に「企業とは何か」という本を書きます。それが注目を集めました。フォードという大きな自動車会社が、会社を立て直すときに教科書にするほどの内容だったそうです。それくらい組織運営のノウハウや管理について良い内容が書かれていました。

分権化などはドラッカーが生み出した言葉

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分権化、民営化、知識労働者、これはすべてドラッカーが生み出した言葉です。現代の会社経営にもとても大きな影響を与えたことがわかります。

そして、*1990年に「非営利組織の経営」*という本を書きます。社会の中の人間というテーマで、それぞれが積極的に活動して成果を出す、それをマネジメントしてチームにしていく、そんな方法を考えたのでした。

そして彼は、情報産業など知識分野の仕事が増えていくとし、その中では、成長できる環境や変化を恐れない勇気が大切であると述べています。

日本でも多くの人に影響を与え、何度も来日しています。2005年、アメリカの学者兼経営コンサルタントであるピーター・F・ドラッカーは、老衰でこの世を去ります。しかし、今なおその至言は私たちに希望と示唆を与えてくれています。

マーケティングに活かすマネジメント

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ドラッカーが書いた「マネジメント」は多くのビジネスマンに影響を与えました。なかでも、その考え方に共感する人が多いものです。その内容を実践し、成功している会社の例としてもよく引き合いに出されます。

「マネジメント」に書かれている、会社が大切にするべきことについて、まとめます。

顧客創造~たくさんの人に買いたい!と思ってもらう

それまでの会社経営では、利益(商品を売って手に入れた儲け)を最高の目標として運営していました。現代でももちろん大切なのですが、ドラッカーはそれを最優先の目標とはしませんでした。

世の中で、会社が続いて成長することが最高の目標としたのです。

そのことは、世界中の多くの人たちに驚きをもって受け入れられました。しかし、多くの成功している会社が実践していることなどから、広まっていきました。現代でも、赤字を出し続けている大きい会社が、お金持ちの人たちから、とても評価をされていることなどが、それなのかもしれません。

イノベーションとマーケティング~新しいことに挑戦しよう

それでも、買いたい!と思ってもらうために、新しいことに挑戦することと、お客様の声を聞くことを大切にしなさい、と言っています。

会社を大きくするために、その2つのことがとても大切だとドラッカーは言っています。

良い商品を作るために、買ってほしいという人の声を聞き、それが自動的に売れる仕組みを考えようと唱えました。お客様がまだ気づいていないような価値を考え、商品にする挑戦をしましょう、と。

確実に実行できるチームを目指そう

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ドラッカーは、それらを実行するために、チームをしっかり管理していこうと言っています。ただ、それは上からあれこれとどなりつけるのではなく、一人ひとりが積極的に動くことを良しとしていました。

そして、目先の儲けだけではなく、成長している分野に人や挑戦の矛先を向けることで、続いていく会社ができるとしたのです。大量生産の時代から知識社会にうつっていく中で、成長を阻害する環境=各自が能動的に活動できないことが好ましくないと言っていました。

目先のことでなく社会全体にも貢献することも重視し、積極的に世の中との関わりを持つことが大切としていました。

ドラッカーは社会の中の人、という見方で世の中を見すえ、今なお私たちに多くの気づきを与えてくれます。