デジタルマーケティングの一環として、日々ソーシャルメディア運用をされているご担当者の方は、今やほとんどの企業にもいらっしゃるでしょう。
どうせ利用するなら、効率よく利用してなるべく素早く効果を出したいものです。

今回は、TwitterアナリティクスからエクスポートしたCSVデータの加工方法を紹介し、フォロワーに情報を届けるのに最適な時間帯を探っていきます。

効率的なソーシャルメディア運用のために分析が必要

ソーシャルメディアは無料で使える、誰でも使えるとPR手段として、誰もが重要視しているツールの一つです。

しかし、無料とはいっても運用には意外に手間暇がかかってしまうものです。趣味で好きなことをつぶやくだけなら気にならなかったはずが、仕事として製品やサービスのPRのために利用するとなると、意外と時間がかかってしまうことに気付きます。

たかだかTwitter運用のために貴重な業務時間をこんなに使うのか…とすら思う方もいらっしゃるでしょう。ソーシャルメディアマーケティングで成果を上げていくのに、効率的に運用してする方法はないかと悩まれているのではないでしょうか?

運用自体はHootsuiteなどの予約投稿ができるサービスを利用すれば効率化できます。ですが「どんな投稿が最適か?」「何時に投稿すればいいのだろう?」などで悩んでいる場合には、まず現在フォロワーからどのような反応が得られているかを分析し、可視化してみるといいでしょう。

自社アカウントの現状を把握して分析。どうすれば効果が出るかの仮説を作り、それに沿って行動してみる、といったことを繰り返しでPDCAは回っていきます。効率よくソーシャルメディアを利用したマーケテイングを回していくには、まず現在の状況を把握する必要があります。

TwitterアナリティクスからCSVを落とし、分析の準備を

それでは、具体的な方法を紹介します。Twitter運用の効率化にとても便利なのはやはりTwitterアナリティクスです。Twitterをブラウザで利用する方なら
誰でも簡単に利用することができます。

参考:
Twitterアナリティクスで分析できることを徹底解説

Twitterアナリティクスのダッシュボードを見るだけでもかなり有益な分析ができますが、今回はCSVファイルにエクスポートしさらに深い分析をしていきましょう。

参考:
TwitterアナリティクスからCSVデータをエクスポートして分析する方法

CSVファイルはExcelで開くことのできるファイル形式ですので、エクスポートした投稿一覧をそのまま Excelのアプリケーションで取り扱うことができます。

1_csvfile.png

今回は僕の個人的なTwitterアカウントのデータ(12~2月)を使用します。Excelでアナリティクスデータを開くと、このように投稿の一覧とそれぞれのインプレッション数やエンゲージメント数などが表示されています。(エクスポートしたファイルをそのまま開くと文字化けしてしまうので、参考記事を参照してファイルを準備してください。)

ここでまず手を加えなければいけない部分は「時間」です。CSVでエクスポートした際に表示される時間はグリニッジ平均時(GTM+00:00)になっています。Twitter上の設定で日本時間(GTM +09:00)に合わせていても、エクスポートした際には適応されていないようです。まず、表示されている時間に+9時間する必要があります。

2_left.png

D列、時間の欄には「 +0000」という不要な文字列が入ってしまっています。これをまず取り除かないことには、Excelが日時として認識してくれません。

3__0000.png

D列の隣に1列挿入し、そこに「=LEFT(D2,16)」という関数を入れます。指定した文字列の左端から、指定した文字数だけ表示するという関数です。これにより不要な「 +0000」を表示させなくさせます。

続いて9時間をプラスする関数です。

4__time.png
LEFT関数で日時として認識したセルに対して、さらにTIME関数を使って9時間をプラスします。「=E2+time(9,0,0)」と入力することで、元の時刻に9時間を足し合わせてくれます。

5_time.png

これで日時が正しくなったので、これらの関数を1番下のセルまでコピーし、値のみで貼り付けておくといいでしょう。また、日付としてちゃんと表示されない場合は、セルの書式設定を変更すると解決します。

また、曜日がわかるようにしておくと便利です。日付のさらに隣の列に一列追加し、曜日のセルを入れましょう。

6_text.png

曜日を表示する際にはTEXT関数を使います。「=text(F2,”aaa”)と入力することで、値のセルの日付を読み取って曜日を表示してくれます。その際に「””」の間に「aaa」など対応する文字列を入れることで表示の形式を指定します。

7_day.png

日付と曜日の列ができたら、あとはピポットテーブルを使って分析を進めていきます。

自分がいつも何時につぶやいているかを把握する

具体的な分析に移る際に、まず自分が何時につぶやいているかを可視化するといいでしょう。個人的なアカウントでなく企業アカウントの運用であれば、つぶやいている時間はだいたい把握している方も多いかと思いますが、分析をする上で可視化しておくととてもわかりやすくなります。

まず、投稿の日時のセルをピポットテーブルにかけ、時間帯ごとの投稿回数の一覧表を作ります。
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これは単純に投稿日時をピポットテーブルにかける際に、日付のグループ化で「時」を指定し集計します。(バージョンやOSによって表示のされ方は変わってきます。)

9_byour.png

出来上がったリストをグラフにすることで、自分がどの時間帯につぶやいているのかが一目でわかるようになります。
これは僕の個人的なアカウントですが、普段僕が出勤する9時台につぶやくことが多く、仕事が終わってから23時台にかけて頻度が上がっていくようです。
それでは実際に僕のフォロワーがTwitterを見ているのは何時頃なのでしょうか?また、フォロワーがよく見ている時間帯につぶやけているのでしょうか?

自分のフォロワーが何時にTwitterを見ているかを把握する

Twitterアナリティクスでは、各投稿が何インプレッション獲得したか(=何回表示されたか)が計測されています。こちらもピポットテーブルにかけ、時間帯ごとに平均何インプレッションを獲得しているかを分析することが可能です。一回の投稿に対して表示される回数が多い時間帯ということは、「多くのフォロワーがTwitterを開いている時間帯」と推測することができるのです。

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こちらがピポットテーブルで時間帯ごとの「投稿回数」、「獲得インプレッションの合計」、「平均インプレッション」を抜き出したものです。
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これらをグラフにしたものがこちら。この表を見ると、平均的に高いインプレッションを獲得している時間帯と、実際に投稿している時間帯では、多少の差があることがわかります。
実際に投稿している時間帯は20~23時の間で増加していっていますが、インプレッション自体は20時台をピークにその後の時間帯は落ち着いています。20時台はどちらかというと投稿回数は控えめなため、一回の投稿で得られるインプレッションが多い可能性がある時間帯なのにその機会を損失してしまっているとも言えます。
また、1時台、11時台、16時台、といった意外な時間帯が多くインプレッションを獲得しているという新たな発見もありました。

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曜日ごとの平均インプレッション数がこちらです。これを見ると水曜日と金曜日にインプレッションが伸びる傾向にあることがわかります。
逆に土曜日につぶやきが多くなる傾向がありますが、あまり効果的な曜日ではないのかもしれません。

この分析で注意したいのは、RTされている投稿は外さないといけないことです。RTされて獲得されるインプレッションは、RTした側のフォロワー数によって変わってきてしまいます。フォロワーの多い人にRTされてしまうと、時間帯に関係なくインプレッション数が高く記録されてしまいます。

まとめ

あなたのフォロワーがいつTwitterを見ているかは、あなたのフォワー次第です。さまざまなウェブメディアで「つぶやくならこの時間がいい」などの情報が発信されていますが、実際にあなたのフォロワーがそれに当てはまるとは限らないのです。

今回のこのデータも、僕のフォロワーの行動を元にしているものであり、あなたのフォロワーに夜中の1時にTwitterを開いているような人はいないかもしれません。

Twitter運用を効率化していくためには、まず現在の自分のフォロワーを分析し彼らの受け取ってくれる時間帯にスッと入っていくことが第一歩になるでしょう。