VSEOとは、動画コンテンツ検索エンジンで上位表示させる施策です。VSEOに取り組みたいと考えているものの、具体的な方法が分からないという方も多いのではないでしょうか。

この記事では、VSEOのメリットや7つの施策、VSEOを成功させるポイントについて解説します。動画を使った施策に取り組みたい企業のマーケティング担当者の方はぜひ参考にしてください。

目次

  1. VSEOとは
  2. VSEOに取り組むメリット
  3. VSEOでやるべき7つの対策
  4. VSEOを成功させるポイント
  5. VSEOで動画の再生回数やアクセス数を増やそう

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VSEOとは

VSEOには、大きく分けて次の2種類の施策があります。

① Google検索で動画を上位表示させる施策

Googleでは、検索キーワードの種類によって動画コンテンツが上位に表示される場合があります。例えば「自転車 乗り方」というキーワードは、検索結果の上部に動画が表示される一例です。

image4.png

VSEOに取り組むことで、自社の動画コンテンツGoogle検索の上位に表示できる可能性が高まります。

② YouTube内の検索で動画を上位表示させる施策

動画共有サイトのYouTubeでは、キーワードによる動画の検索が可能です。VSEOでは、YouTube内で検索した時に上位表示させる施策も行う必要があります。

ただし、Google検索で上位表示されている動画が、YouTube内でも上位表示されるとは限りません。例えば、YouTube内で「自転車 乗り方」と検索した時の上位コンテンツは、Google検索結果とは異なります

image2.png

そのため、Google検索向けとYouTube内検索向け、両方のVSEO施策が重要です。

VSEOに取り組むメリット

VSEOに取り組むと、一般的なSEOと同様にアクセス数の向上が期待できます。また、費用対効果が高いこともVSEOの特徴です。

ここでは、VSEOで得られる2つのメリットを紹介します。

集客や認知拡大に繋がる

動画コンテンツGoogleやYouTubeの検索上位に表示されると、より多くのユーザーに動画を見てもらうことが可能です。動画の再生回数や、動画経由でWebサイトに流入するアクセス数が向上し、集客や認知拡大に繋がります。

例えば、営業支援ツールを販売するBtoB企業なら、次のような販促施策が考えられるでしょう。

  • 営業の成約率を高める方法などの動画を上位表示させ、自社商品を宣伝
  • 営業支援ツールの使い方を解説したウェビナー動画を公開しアクセスを集める

このように、集客や認知拡大の経路を新たに作れることが、VSEOのメリットです。

費用対効果が高い

クリック数や再生回数などに応じて費用がかかる広告と異なり、検索上位に表示された動画経由のアクセスにはコストがかかりません。

そのため、VSEOで上位表示された動画から商品やサービスの購入が発生すれば、高い費用対効果が期待できます。

VSEOでやるべき7つの対策

VSEOに取り組む場合、前提としてYouTubeチャンネルの開設が必要です。

Google検索エンジンにはYouTube以外にアップロードされた動画も表示されるものの、ほとんどのケースでYouTubeの動画が上位表示されます。そのため、VSEOではYouTubeを活用することがおすすめです。

YouTubeのアカウントを作成し、自社のYouTubeチャンネルを開設した上で、次の7つの施策に取り組みましょう。

1. 動画サイトマップの作成・送信

動画サイトマップを作成すると、Webサイトに埋め込まれた動画コンテンツGoogle検索エンジンに見つけてもらいやすくなります。

サイトマップとは、Webサイトの内容を検索エンジンクローラーに伝えるためのデータです。サイトマップに動画に関する情報を含めると、動画の内容を検索エンジンに正確に伝えることが可能です。

動画サイトマップは、XML形式で記述する必要があります。動画サイトマップのコード例は次の通りです。

<urlset xmlns="http://www.sitemaps.org/schemas/sitemap/0.9"
        xmlns:video="http://www.google.com/schemas/sitemap-video/1.1">
   <url>
     <loc>動画が埋め込まれているページのURLをここに入力</loc>
     <video:video>
       <video:thumbnail_loc>サムネイル画像のURLをここに入力</video:thumbnail_loc>
       <video:title>ビデオのタイトルをここに入力</video:title>
       <video:description>動画の説明文をここに入力</video:description>
       <video:player_loc>
         YouTubeにアップした動画のURLをここに入力</video:player_loc>
     </video:video>
   </url>
</urlset>

新たにサイトマップを作る場合、CMSプラグインなどを使って自動生成するか、手動でXMLファイルを作成する方法があります。また、すでにWebサイトサイトマップが設定されている場合、動画に関するタグを追加で埋め込むことも可能です。

作成した動画サイトマップは、Googleの「サーチコンソール」というツールから送信できます。

サーチコンソールの画面左側の「インデックス」→「サイトマップ」を選択し、「新しいサイトマップの追加」にサイトマップURLを入力後、「送信」をクリックすれば完了です。

Webサイトに動画コンテンツをアップしている場合は、動画サイトマップの作成と送信を必ず済ませておきましょう。

2. 動画タイトルにキーワードを含める

YouTubeの動画タイトルにキーワードを含めることは、Google検索とYouTube内検索の両方で重要な対策です。

検索エンジンクローラーは、動画に設定されたタイトル情報をもとに、動画の内容を判断しています。そのため、動画タイトルにはVSEOで狙いたいキーワードを含める必要があります。

例えば、狙いたいキーワードが「セールストーク コツ」の場合、動画タイトルの例は次の通りです。

  • セールストークのコツを解説!営業担当者による実演も紹介
  • 【セールスのコツ】売れるセールストークとは?動画で解説
  • 現役トップセールスが実演!セールストークのコツ8選

YouTubeの動画タイトルは最大で全角100文字まで対応していますが、長すぎると省略され最初の部分しか表示されません。目安として、全角28文字以内に収めるとPCやスマホなどで最後まで表示されます。

3. 説明文にキーワードを含める

タイトルと同様に、説明文にキーワードを含めることもVSEOで重要な対策です。YouTubeへ動画をアップロードする際に設定した説明文は、YouTube内をPCで検索した結果画面や、Googleで動画コンテンツを検索した時に表示されます。

YouTubeにアップロードした動画の説明文は、最大で全角2,500文字まで入力が可能です。ただし、長すぎると最後まで読まれないため、できるだけ最初の方にキーワードを含めておく必要があります。

PCの検索結果画面で表示される説明文の目安は、全角で約57文字です。そのため、VSEOで狙いたいキーワードは、説明文の57文字以内の箇所に最低1つ入れておきましょう。

4. 動画にタグを設定する

image1.png

YouTubeにアップロードした動画には、タグを設定することが可能です。VSEOで狙いたいキーワードをタグとして設定しておくと、YouTube内で検索をしたユーザーが動画を見つけやすくなります。

タグは複数設定することも可能ですが、狙いたいキーワードと関連性の低いタグを設定しても効果が期待できません。多くても5~6個程度を目安に、動画にタグに設定しておきましょう。

5. サムネイル画像を設定する

image10.png

サムネイル画像の設定は、検索ユーザーの興味を引き、動画を再生してもらうために重要です。動画に設定したサムネイル画像は、Google検索とYouTube内検索の両方で表示されます。

YouTubeに動画をアップロードすると、動画の中からいくつかのシーンが自動で選択され、サムネイル画像として使用することが可能です。ただし、選択箇所はコントロールできません。

image11.png

そのため、オリジナルのサムネイル画像を作成してアップロードする方法をおすすめします。サムネイル画像で推奨されている設定は次の通りです。

サムネイル画像の推奨仕様】
解像度:1,280ピクセル×720ピクセル
アスペクト比:16:9
ファイル形式:JPG、GIF、PNG、BMP
ファイル容量:2MB以内

サムネイル画像には、縮小表示されても読める程度のフォントサイズで、動画内容を表すテキストレイアウトしましょう。VSEOで狙いたいキーワードをサムネイル画像内に含めると、ユーザーの注目をより集められます。

6. タイムスタンプを作成する

image9.png

タイムスタンプとは、YouTubeにアップロードした動画にチャプターを付けられる機能です。タイムスタンプを設定しておくと、Google検索で動画コンテンツが大きく表示されるケースがあります。

タイムスタンプには、各チャプターの開始時間と、チャプター内容を表すテキストを表示することが可能です。チャプター内容のテキストに、VSEOで狙うキーワードに関連した情報を含めておくと、ユーザーに興味を持ってもらいやすくなります。

タイムスタンプは、YouTube動画の説明文から設定できます。以下の項目を全て満たすことが、タイムスタンプを設定するための条件です。

  • リストの最初のタイムスタンプを00:00に指定すること
  • 3つ以上のタイムスタンプを昇順で記載すること
  • 各チャプターの長さを10秒以上にすること

これらを満たす文字列を説明文に入力すると、タイムスタンプのリンクが自動で設定されます。

7. 字幕・翻訳を設定する

YouTubeでアップロードした動画に対する字幕・翻訳の設定も、VSEO対策の一つです。音声が再生できない視聴環境や、日本語圏以外でも視聴しやすい動画を作ることでユーザビリティが高まり検索エンジンからの評価が期待できます。

動画に字幕を設定する際は、YouTube Studioの管理画面にログインし、左メニューの「字幕」をクリックしましょう。その後、字幕に使用する言語を選択し、「確認」をクリックしてください。
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この設定により、字幕のテキストデータが自動生成されます。字幕の内容は、追加した字幕の右側にある「複製して編集」というリンクから編集することも可能です。

image8.png

国内だけでなく海外にもビジネスを展開している企業では、外国語の字幕も追加しておきましょう。

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VSEOを成功させるポイント

VSEOを成功させるためには、狙うキーワードの選び方や、動画内容などに注意する必要があります。VSEOに取り組む際に押さえておくべきポイントは次の3つです。

ニーズの高いキーワードを狙う

検索されている回数や動画コンテンツへのニーズは、キーワードによって異なります。そのため、動画へのニーズが高く検索回数の多いキーワードを選んでVSEO対策を行うことが重要です。

一般的に、「作り方」や「やり方」などを含むキーワードでは、動画コンテンツが上位表示される傾向があります。狙いたいキーワードをGoogleで実際に検索して、上位に動画が表示されるか調べることも有効です。

キーワードの検索ボリュームは、Googleが提供する無料ツール「キーワードプランナー」で取得できます。全く検索されていないようなキーワードを狙ってもアクセスに繋がらないため、ある程度検索ボリュームのあるキーワードを選びましょう。

image3.png

YouTube内におけるキーワードの検索ボリュームは、調べるためのツールや方法がありません。ただし、Googleで検索ニーズが高いキーワードは、YouTube内でも検索されていると推測されます。そのため、キーワードプランナーの情報を参考にVSEO対策キーワードを選ぶことがおすすめです。

動画内でアクションを促す

VSEOでは、単に動画を上位表示させるだけでなく、動画から具体的なアクションへ誘導することが重要です。動画の目的を明確化した上で、「商品の詳細はこちら」や「チャンネルに登録する」など、具体的なアクションを促しましょう。

バナー画像テロップなどを使うと、音声が再生できない環境で視聴しているユーザーにも訴求することが可能です。

施策の成果をチェックする

VSEOの施策を行った後は、成果を定期的にチェックすることが大切です。アクセス解析ツールを使用すると、検索エンジン経由の流入数が把握できます。

また、YouTube内で動画の視聴に繋がったキーワードやインプレッション数などは、「YouTubeアナリティクス」の機能で確認することが可能です。

思うような成果が出ていない場合は、タイトルや説明文、サムネイル画像などを変更し、改善に取り組みましょう。

VSEOで動画の再生回数やアクセス数を増やそう

VSEOは、Google検索やYouTube内検索の上位に、自社の動画コンテンツを表示させるための施策です。動画が上位表示されると、集客認知拡大に繋がるメリットがあります。

VSEOで行うべき施策は、動画サイトマップの送信やタイトル・説明文の設定など様々です。動画の再生回数やアクセス数を増やしたい方は、ぜひ今回の内容を参考にVSEOに取り組んでみてください。

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