こんにちは。Webマーケティングツール「ferret One」のマーケティングを担当している有賀です。

ferret Oneでは、月間300名以上が参加するWebマーケティングセミナーを継続して実施してきました。
多数の中小企業経営者、Web担当者にWebマーケティングに関するヒアリングをしていると、以下のような課題を話される方がほとんどでした。
  
「やらないとダメだとわかってはいるができていない」
「まずはSEO云々じゃなくそもそも自社ホームページを整備するのが先決」
「一応やってはいるが、効果的な施策の選定や実行力に自信がない」
  
多くの方に共通しているのは、「必要性は感じているが次の一手が出てこない」ということです。
ただでさえコンテンツマーケティングを専任で担当する部署を持たず、担当者もいないことが多い中小企業においては当然とも言えます。
ただ、次の一手が出ない状況に甘んじて何も手をつけないままでは、事態は悪化していく一方です。
わからないなりにその理由を紐解いて、どうすればできるのかを考えることが急務のはずです。

そのような課題を解決するために、中小企業がWebマーケティングを実施する上で足りないものは何かを紐解きながら、自社でも実施できるというイメージを醸成し、具体的に何から手を付ければいいかまでを全4回の連載形式でご紹介します。

今回は、Webマーケティングに対して抱きがちな「5つの誤解」をご紹介します。
  

目次

  1. 中小企業Webマーケティングの実態
  2. インターネットはとっくにメインチャネルになっている
  3. Webマーケティングができないことは死活問題
  4. Webマーケティングにまつわる「誤った」5つの常識
  5. まとめ

中小企業Webマーケティングの実態

本題に入る前にまず、中小企業のWebマーケティング状況について軽く触れたいと思います。
2013年の中小企業白書の中に、企業規模ごとのIT導入の統計があります。

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引用:
中小企業白書 2013 第4章 情報技術の活用|中小企業白書

これを見ると、国内の中小企業400万社のうち、だいたい半数くらいが自社ホームページを所有していますが、自社ページで販売や予約を受け付けている、ブログで情報発信しているものに絞ると、その割合は20%を切ります。つまり80%以上の中小企業はインターネット上では会社案内程度しか載せておらず、自社ビジネスに集客する仕組みまでは持てていないということなのです。
  

インターネットはとっくにメインチャネルになっている

アドビ社のレポートで、消費者の商品認知のきっかけとなるメディアに関するレポートがありました。5年前との比較で伸びているのは、企業のWebサイトソーシャルメディアメルマガなど、デジタルメディアのみだという内容です。

数年前から、4大メディアとインターネット広告市場の比較がよく話題になりましたが、それを裏付けるデータです。

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引用:
コミュニケーションロスが売上損失に直結。アドビ「消費者行動調査2016」に見るデジタル時代の消費者意識とは|Adobe UNITE

考えてみれば、「必要性は感じているが次の一手が出てこない」人たちも普段はスマホを使いこなして情報収集をしているのだから当然の話です。むしろ、情報を提供する側になるとどうしていいかわからない、という状況こそ解決すべきギャップだと考えます。
  

Webマーケティングができないことは死活問題

このように、消費者から見た場合、インターネットが重要だということには疑いの余地がありません。それに比べて、事業者側がインターネット上で消費者としっかり向き合えているか、求める情報を提供できているかというと、そうとは言えない状況です。

これはすなわち、「ネットを介して出会うべき消費者と事業者が出会えていない」ということにほかなりません。ざっといっても5社のうち4社は、出会うべき消費者とすれ違うことすらないままビジネス機会を逃しているのです。

そしてこの機会を逃した企業は、消費者から見ればいないも同然ということ。これはどう考えても問題だ、というのが我々が持っている危機感です。

例えるなら、今の時代、電話が使えるかどうかを問題にすることはありません。コピー機やパソコンを使うことも同様でしょう。
それはそれぞれの道具がビジネスする上で当たり前になっているからなのです。「あったらいいね」でなく「ないと仕事にならない」もののはずです。

Webマーケティングもそれらと同じレベルで当たり前のものになる。今がちょうどその過渡期だと我々は考えています。

遅くともこれから10年以内には、インターネット上で何を表現し、如何に集客する仕組みを用意できるか。これは一部のIT先進企業だけでなく、全ての企業が読み書き算盤と同じレベルで持っておくべきものになるはずです。
  

Webマーケティングにまつわる「誤った」5つの常識

ferret Oneではここ1、2年で、毎月約300名が参加するセミナーを実施してきました。
どの企業様も当然Webマーケティングにおいて何らかの課題を感じられているのですが、その課題が具体的にどんなものなのかわかっていないという企業様がほとんどでした。しかし我々がそういった方たちのお悩みを数多くお聞きする中で、なぜできないのか、という理由の部分に大きな誤解が潜んでいることに気付きました。

問題を解決するためにできない理由を把握することはもちろん必要なのですが、中には先入観やどこかで聞いた気がする、という不確かな理由でそのように思い込んでしまっているケースもあるようです。

そんな誤った原因認識に関して、今まで見聞きした中から、代表的な5つを紹介します。

❶ ホームページはきれいなデザインであることが重要

ホームページの見た目がきれいであること、パッと見てイケているホームページであるという点はさほど重要ではありません。それより、ターゲットとなる見込み客から見て必要十分な構成になっており、何よりも彼らが必要とするコンテンツがあることが重要です。

特に最近はスマホやタブレットからの閲覧比率が高まっており、画面に対してコンテンツ以外の要素が占める割合が小さくなっています。デザインよりも、ホームページ訪問者に伝えるべきコンテンツがあるかどうかが集客のためのポイントです。

❷ 集客といえばまずは広告を出すことである

「集客」と聞くと、お金を使って外部からお客を連れてくるしかないと誤認されているケースもあります。広告を打てば一定の集客が見込めることは事実ですが、広告費をかけずとも、ターゲットに合わせた価値ある情報を提供し続けていくことで、広告出稿に引けを取らないだけの集客も可能になります。

❸ とにかくSEO対策で検索順位を上げなくてはならない

限られた予算を振り切って、SEO対策を依頼したことがあるというケースも聞きます。SEOはWebマーケティング手法の中では最もポピュラーと言えますし、取扱事業者も多いです。また、検索順位を上げる施策であるというわかりやすさもSEO施策が人気である理由と言えるでしょう。

しかし、当然ながらSEOというのは検索結果の最適化を進めるための施策に過ぎず、そこからホームページに訪問してくれた見込み客を正しく導けるかどうかはまた別の話になってきます。訪問者を正しく導けるかどうかはコンテンツの内容、提供する機能、使いやすさなど複数の要因によります。インターネット施策を自社のビジネス成長に活かそうという場合、SEO対策だけでは片手落ちといえるでしょう。

❹ 専門家がいないとできない

「社内にWebマーケティングをわかる人がいない……」これも非常によく聞くパターンです。特に50名前後の企業だと、だいたい担当1人でやっているか、社長が合間を縫ってやっている、というケースも多いです。
もちろん専任で詳しい人が居るに越したことはありませんが、年々ホームページ作成に際しての技術的な知識の必要性は下がってきています。簡単にホームページが作れたり、Webマーケティングを実施できるプロダクト・サービスが続々と登場しています。そう考えると、「インターネット上で何を発信すべきか」を考えられる人材を確保できれば後は何とかなるということになります。

❺ Webマーケティングにはまとまった予算が必要

「Webマーケティング、ちゃんとやらないといけないんだけど予算は無い!」という話もよく聞きます。ただし1円たりともかけられないというケースは稀で、この文脈で「予算」という場合、大きく2つの可能性が考えられます。

 ・今はかけていないけれど、出費に見合う効果が見込めるなら検討は可能
 ・過去に一度失敗しており、社長がもうお金はかけないと言っている

どちらにも共通するのは、「これから自分たちが何をやろうか決めていない」状態で予算の話をしてしまっているということです。そうではなく、まず自社がインターネット上で何をすべきなのかを決めた上でそれを実現する方法を探ることで、最低限の出費で効果が見込める施策が見つかることも多いです。
  

まとめ

今回紹介した5つの常識、よく見てみれば、どれもさほどたいした問題ではないということにお気付きでしょうか。

そうです、一番やっかいなのは、ぼんやりとしたイメージや、周囲の人間がみな同じことを言っているというような理由で思考停止してしまうことなのです。最低限のWebマーケティング知識を持ち、ロジカルに考えることができれば、たいていの課題は解決できる時代になってきているのです。

次回は、今回ご紹介した「誤った」5つの常識をもとに、これから中小企業がWebマーケティングで集客する上で押さえておくべき10個のポイントをご紹介します。

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