ブランドのストーリーや新商品の魅力を伝えるために動画は有効なアピール方法の1つです。現在では、YouTubeのようなプラットフォームが登場したことで、費用をかけて配信システムを用意しなくても企業のマーケティングに取り入れるようになりました。
インスタグラムやFacebookなどSNSを利用している企業にとっても動画は手軽に利用できる情報発信ツールでしょう。

しかし、いざ自社で動画を撮影するとなると、思ったような魅力的な動画はなかなか撮れないものです。
そんな時は映像のプロが利用してきた手法である「同ポジ」を活用してみましょう。

今回は「同ポジ」を利用した撮影手法を紹介します。
「同ポジ」とは、「同一ポジション」の略で、人や物を同じポジションに置いたまま複数カットを撮影する手法です。
同じポジションに置いたまま、カットごとに服装などを変えて映像をつなぎ合わせることでまるで一瞬で服装が変わったように見せることができます。

シンプルな手法ながら幅広い表現が可能なため、業種を選ばずに利用できる手法でしょう。
Vineカメラのような複数のシーンをつなぎ合わせられる動画アプリを利用すれば手軽に撮影できます。

同ポジとは

「同ポジ」とは*「同一ポジション」*の略で、放送用語として使われています。
テレビ番組は、通常複数の映像をつなぎ合わせて作成されます。
その際、同じシーンのはずなのに人や風景が変わっていたら、視聴者は混乱してしまうでしょう。

そのような混乱を防ぐために、フレームを全くずらさずに同じポジションのまま撮影する手法が生まれました。
それが「同ポジ」です。
「同ポジ」を利用することで、まるでつなぎ目のない1つのシーンのように見せることができます。

この手法を利用することで、視聴者に混乱を与えないだけでなく、空間に突然新しいものが現れたような映像を作成することもできます。

例えば、上記の動画では中央の人物だけ同じ位置に据えながら風景が切り替わっていきます。こういった映像手法自体も「同ポジ」と呼ばれており、CMや映画のほか、アニメでも表現技法の1つとして用いられています。

同ポジを利用した動画事例

では、同ポジを利用するとどういった動画を撮影できるのでしょうか。
企業のCMに同ポジを取り入れている2つの事例を見てみましょう。

1.コカコーラ

上記の動画では6秒から8秒の間、コップにコカコーラが注がれる様子を表現する際に同ポジが利用されています。

コップに注ぐ様子を複数のシーンに分けて撮影し、シーンをつなぎ合わせています。

2.NIKE

上記のブランドムービーでは、40秒から43秒の間、同じ選手がボールを蹴る様子を同ポジで表現しています。また、バスケットボールと水泳の飛び込みシーンのように、シーンとシーンの間に似たような形の物体を同じポジションで挿入することで、シーン同士のつながりを持たせる方法も取られています。