この記事は、2017年4月6日に公開された記事を再編集しています。

ネットショップが普及した現在、実店舗の集客に悩んでいる方は少なくないのではないでしょうか。

実店舗への集客にも、今はインターネットの利用が必要不可欠です。もはや実店舗が看板を出すだけで マーケティングができる時代は終焉に近付いており、 インターネットとの融合をどのように行うことができるかが、実店舗の課題となっています。

今回はネットを使ってリアル店舗に集客する「O2O」の基本概念と成功事例をご紹介します。

目次

  1. O2Oとは
  2. O2Oが進んだ背景
  3. オムニチャネルとの違い
  4. O2Oの方法
    1. クーポン型
    2. ECサイト連携型
    3. ゲーミフィケーション型
    4. 位置情報活用型
    5. SNS活用型
  5. O2Oの成功事例
    1. クーポン配布
    2. 位置情報を使って在庫のある店舗を検索
    3. マイル配布
  6. 「まだできる!」今こそ取り入れたいO2Oマーケティング7つの施策
    1. 1. ショールーミング
    2. 2. 混雑状況ライブ&事前オーダー
    3. シームレス決裁
    4. メンバーシップ
  7. まとめ

O2Oとは

O2Oは「Online to Offline」の略で、インターネット(online)から実店舗(offline)へ、または実店舗(offline)からインターネット(online)へ顧客の購買行動を誘導するマーケティング施策を指します。

「こちらの画面を店員にお見せいただくと10%オフ」というようなクーポンをサイトで配布されているのを、一度は見たことがあるのではないでしょうか。
これもO2Oの施策の一つです。

O2Oが進んだ背景

O2Oが重要視されるようになった背景として、消費者の購買行動の変化が挙げられます。

スマートフォンの登場やデバイスの多様化によって、メディアに触れる機会が増えて、購買を判断するためにネットとリアルを行き来することが一般的になりました。

欲しいものをインターネットで検索して情報を収集してから、リアル店舗に行って実際に自分の目で確認し、その後インターネットで価格を比較して一番安いものをそのまま購入するという購買行動が一般的となりつつあります。
インターネットと実店舗どちらも利用する顧客に合わせた施策が求められます。

参考:
拡大「O2O市場」、リアルとネット融合の今 <株探トップ特集> | 特集 - 株探ニュース

オムニチャネルとの違い

O2Oと混同されてしまいがちな言葉として「オムニチャネル」があります。
顧客をオンラインからオフラインへ誘導するO2Oに対して、オムニチャネルは誘導を行わず、実店舗とECOLOGY店舗などの区別を付けず、どの販売チャネルで購入しても、顧客が同じ購買体験を得られることを指します。

O2Oの方法

O2Oを実施するにはいくつか手段があります。

クーポン型

実店舗で使えるクーポンをインターネット上で配布して、顧客をリアル店舗に導入する方法です。LINE@やfacebookで簡単にクーポンが発行できるようになったことも、クーポン型のO2Oが進む要因の一つと考えられます。

ECサイト連携型

店舗とECサイトでポイントを一括してどちらでも利用できるようにする、ECサイトで注文したものをリアル店舗で受け取れるようにする、リアル店舗の在庫状況をECサイトで確認できるようにする、のようにECサイトと連携することで顧客の利便性を向上させられます。

ゲーミフィケーション型

ゲーミフィケーション型は、来店したらアプリ上でポイントゲット、ポイント数によってランクアップのように、ゲームのような達成感やモチベーションを利用した施策です。マーケティング施策であることを顧客に意識されにくい利点があります。

位置情報活用型

スマートフォンに標準で装備されている位置情報を利用して、指定した場所を訪れた顧客にポイントやクーポンを配布する施策です。一大ブームを巻き起こしたポケモンGOは、位置情報を最大限利用したゲームと言えます。

SNS活用型

TwitterやfacebookといったSNSでコミュニケーションが活発になったことを利用した施策です。顧客が投稿した口コミは、企業自身が発信した情報よりも客観的で、より顧客の信頼を得られます。

参考:
 O2O によるマーケティング方法の現状とその展望

O2Oの成功事例

O2Oを実施している企業は多くありますが、O2Oに特に力を入れているのが、株式会社良品企画が運営する無印良品です。無印良品が運営するアプリ、MUJI passportはO2Oを多く取り入れています。

参考 :
MUJI passport | 無印良品

クーポン配布

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レジで提示すると10%OFFになるクーポンを配布しています。

位置情報を使って在庫のある店舗を検索

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商品を検索すると、位置情報から近くの店舗に在庫があるか、その店舗までのどのくらいの距離かを確認できます。 

マイル配布

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店舗での買い物やチェックインをするとMUJIマイルをもらえます。マイル数によって無印良品で使えるショッピングポイントがプレゼントされます。

「まだできる!」今こそ取り入れたい O2O マーケティング 4つの施策

1. ショールーミング

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従来「 O2O」は、ショールーミングに対抗した マーケティング施策だと言われていました。しかし、現在ではショールーミングを逆手に取った マーケティング施策を打ち出す企業も増えています。

ショールーミングとは、小売店で確認した商品をその場では買わず、ネット通販によって店頭よりも安い価格で購入することを指します。

例えば、冷蔵庫を購入する時に、実際に家電量販店で欲しいと思った冷蔵庫を探した後に、Amazon アプリでバーコードを読み取ってその場で購入してしまう、というケースがこれに当たります。

ユーザーにとっては、ショールーミングは以下の2つの点でメリットがあります。
第1に、ネット通販の方が諸経費などがかからず、小売のマージン価格なども介さないことから、より安価な値段で購入することができる点です。第2のメリットとしましては、特に白物家電などを中心に持ち運びの手間がかからず、自宅まで配送してくれる点です。さらに、 オンライン通販への障壁が低くなったことが、ショールーミングにさらなる拍車をかけています。

しかし、ニトリのスマートフォンアプリのように、ショールーミングを逆手にとっているケースもあります。

ニトリでは、全商品にバーコードを掲示し、スマートフォンで読み取ることで、手ぶらでショッピングを楽しむことができます。

nitori.pngニトリの「ショールーミング」 / 画像引用元:日経BP

インターネットでは、実店舗も違ってレジに並ぶ必要もなく、投稿されたレビューも確認することができるので、結果的に利便性が上がり、売上も上がることが期待できます。

これに先駆け、ヨドバシカメラが2015年に同様の対策をしていますが、ヨドバシカメラではさらにヨドバシ フリーWiFiを提供し、「店内撮影OK」の札を掲示することでスマートフォンを使いやすい環境にしています。店内にバーコードを設置して、 インターネットでの買い物に誘導することで、ショールーミングをプラスに利用することができそうです。
  

2. 混雑状況ライブ&事前オーダー

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2015年に Googleが検索 ページに実装した混雑状況を可視化する「Popular Times」機能(日本版では「アクセスの多い時間帯」として表示)は、今では多くのユーザーが利用しています。Google マイビジネスによれば、混雑する時間帯、待ち時間、滞在時間といった情報は、 Googleロケーション履歴を有効にしている ユーザーから集計した匿名データをもとに割り出されているようです。

混雑状況をライブで伝えている店舗として10分1,000円(税別)で切ることができる「QBハウス」が挙げられます。
QBハウスはそもそも散髪に時間をかけたくない、手っ取り早く終わらせてしまいたい層をターゲットとしていますが、店舗によってはどうしても混雑してしまい並んでしまうケースもあります。しかし、QBハウスはWebサイトアプリで混雑状況をライブで伝えることで、回転率を上げることに成功しています。

また、近年ではあらかじめスマートフォンで注文し、事前決済を行うスタイルも増えています。
事前決済 アプリのO:der(オーダー)を使うことで、 ユーザーは店舗に到着する前にゆっくりとメニューを閲覧できたり、お店に到着してからは待たずに商品を受け取ったりすることができます。店舗側は、こうしたサービスを導入することで、レジのオペレーションが改善したり、売上やリピート率の向上を見込むこともできます。
  

3. シームレス決済

go.pngAmazon Go / 画像引用元:Amazon

株式会社博報堂DYメディアパートナーズ メディア環境研究所の「第1回メディアイノベーション調査」によれば、最先端サービスのうち、「商品をカゴに入れるだけで決済が完了する無人店舗」に興味がある人が1番多いことがわかりました(38.9%、2位の「測定センサー付き体重計」と9.5%差)。

レジなしでの買い物を行うことができるAmazon GoをAmazonが発表してから1年以上経過しましたが、簡単に決済を行う ニーズは年々増えています。JR東日本が大宮駅に設けた無人型のコンビニエンスストアでは、従来の4分の1の時間で決済を行うことができます。

KDDIによる「スマホ決済利用意向調査」では、20代から30代を中心にスマートフォン決済を利用しており、利用者の9割がスマートフォン決済を「継続利用する」と答えたことが明らかになっています。

スマートフォン決済の利用理由は、「会計がスムーズだから」(23.4%)が最も高く、「ポイントが付くから」(22.2%)、「財布を持たなくて済むから」(15.0%) と続きました。

映画館や観光地、お祭り、音楽フェスなど、アクティブシーンを中心にシームレス決済が増えています。買い物は「実店舗」で、支払いは オンラインを介した「スマホ」1台で完結する仕組みを、選択肢として取り入れてみてはいかがでしょうか。

参考:
マイクロペイメントとは?個人や小規模事業主間など”少額のやりとり”に便利な決済サービス5選|ferret

4. メンバーシップ

スターバックスのポイント制度「Starbucks Rewards」

スターバックスコーヒージャパンは、2017年9月に、新しいポイント制度であるStarbucks Rewardsを始めました。

このサービスでは、Web登録済みのスターバックス カード税別50円分の支払いあたり「Star」と呼ばれるポイントが1つ集まります。「Green Star」を250個集めると「Gold Star」 プログラムに格上げされ、「Gold Star」150ポイントで電子チケットに交換、250ポイントで翌年も「Gold Star」 プログラムを継続することができます。

niku.jpg肉マイレージカード

こうした会員制度(メンバーシップ)は O2Oの鉄板とも言える施策ですが、今もなお有効です。いきなりステーキの肉マイレージカードも同様の施策として有名ですが、こうしたポイント プログラムは、ゲーミフィケーションによる ユーザーのリピート率のアップに加えて、ブランドへのロイヤリティ(忠誠度)も醸成でき、 ユーザーの個人情報も集められるため、まさに一石何鳥にもなる制度だといえます。

まとめ

無印良品のような大規模な方法は難しいかも知れませんが、顧客の購買行動が変化し、リアル店舗とECサイトは切り離せない関係にあることを知っておくことが大切です。
顧客の購買機会を逃さないように店舗に合った方法を模索していきましょう。