ファッション通販「MAGASEEK」が活用する競合データとは?常識の通じないコロナ禍を乗り越えた戦略の裏側
この記事は株式会社ヴァリューズ様のDockpitの事例記事をもとに作成しています。
国内最大規模のアパレルECモール「MAGASEEK(マガシーク)」では戦略設計へのデータ活用を強化中しています。鍵となるのは、競合サイトの流入状況や業界全体のデータを俯瞰して見ることができるWeb行動ログ分析ツール「Dockpit(ドックピット)」です。集客状況をマクロな視点で分析することで、未来予測につなげていると言います。
同社では戦略を描く上でデータをどのように活用しているのでしょうか。MAGASEEKとd fashionのマーケティング戦略を統括する、コンシューマーサイト事業本部 本部長 小手川大介氏に、Dockpitの活用方法も含めた戦略の描き方を取材しました。
Dockpitについて詳しく知りたい方はこちら
Dashboard型マーケティングツール「Dockpit」のご紹介資料です。
目次
1.市場の流入状況や競合のユーザー数が分からずもどかしかった
2.Dockpit導入はコロナ禍の経営戦略見直しにも繋がった
3.データから新しい課題発見ができる文化を根付かせたい
市場の流入状況や競合のユーザー数が分からずもどかしかった
マガシーク株式会社 コンシューマーサイト事業本部 本部長 小手川大氏
Dockpit:
事業本部長として広くマーケティングを見られてきた中、MAGASEEKでのデータ活用はどのような状況だったのでしょうか?
小手川氏:
MAGASEEKには日々訪れるユーザーのアクセスログや購買データなど、膨大なデータがあります。こうした集客状況や日々の売り上げデータはもともとしっかり追っていて、PDCAに活用できていました。全社的にも数字をしっかり見る方針を徹底していて、データを活用したマーケティングを比較的行ってきた企業だと思います。
一方で常に課題に思ってきたのは、競合の数値が分かっていなかった点です。決算報告や世の中で出回っている一般的なデータはもちろん追っていましたが、たとえば競合サイトの流入経路やユーザーの属性など、詳細な状況は分かっていませんでした。
こうした”なんとなくでしか分からなかった部分”に確信を持ちたかったのです。そんなとき弊社の経営企画部から貴社のDockpit(ドックピット)(*1)の提案を受け、ワークショップに参加しました。その後導入に至りました。
(*1)Dockpitは株式会社ヴァリューズが保有している「マーケターのためのリサーチエンジン」。「競合分析」、ニーズを考察できる「キーワード分析」、業界全体を俯瞰して見る「業界分析」、そして今の流行をキャッチアップできる「トレンド分析」の4つのメニューが用意されています。
現在どのようにDockpitを利用されているか、活用事例などを教えてください。
小手川氏:
Dockpitを使う目的は大きく2つあり、1つ目は広告における競合調査です。具体的には、競合サービスのリスティング広告における出稿ワードを見ています。もうひとつは全体的な流入面での競合調査。ここでは業界の主要サイトにおける流入構成の詳細を見ていきます。
たとえば、SNSでの集客を頑張っているように見えていた競合が、実際にはSNSでの成果が出ていなかったことが分かったり。あるいは、自然検索や販促の取り組みが少ない競合も分かりました。こういった定量データで競合サイトの施策や強みを把握し、自社と比べることで、自分たちが今後やらなければいけない課題が見えてきます。
今まで「おそらくこうだろう」と想像していた仮説に対して、データを見ることで答え合わせができるようになったんです。その結果、戦略の精度が上がりましたね。現在では上層部に戦略提案を行う際のエビデンスとしても使用しています。課題発見から根拠の裏付けまで使えるのが助かりますね。
Dockpitの競合分析の画面ダッシュボードイメージ。複数のサイトの利用状況を一目で確認でき、データはテキスト、画像、エクセルなど様々な形式でダウンロードできます。
Dockpit導入はコロナ禍の経営戦略見直しにも繋がった
Dockpit:
データ分析を経営戦略につなげるのはどのように行っているのですか?
小手川氏:
DockpitではアパレルEC業界全体での流入推移を見ることができるので、そこでの気付きを戦略に反映しました。どこの企業も競合は分析していると思いますが、アパレルEC業界全体まではなかなか追えていません。それこそ年に1回、世の中に流通するようなデータで見る程度です。
たとえばDockpitからは「モール型ECサイトが伸びているから将来的にライバルになる可能性がある」「差別化はどうしていくか」などの気付きも得られます。こういった気付きから戦略を練りました。
Dockpit:
過去の推移や傾向をデータで見ることで今後の予測に役立てたのですね。
小手川氏:
そうですね。ファッションやアパレル業界はシーズナリティがあって、季節ごとで売れる商品はある程度決まっているため、今までは予測が立てやすかったのです。しかし新型コロナウイルスがまん延し、今までのセオリーがなにも通用しなくなりました。メーカーは服を作らなくなり、その分利益重視になったためセールをやらなくなるなど、ガラリと変わりましたね。
こんな状況下では従来のデータはあまり役に立ちません。現状の流れから未来を予測することが必要です。そこで業界全体の集客推移やトレンドが材料として重要になって、Dockpitが経営戦略を立てるのに役立ちました。基本的にツールは点(現在)で見るものが多いけれど、全体的な戦略を立てる際に重要なのは線(推移)です。どの項目の変化を見て方針を決めるかが重要なので、Dockpitには非常に可能性を感じています。
Dockpit:
マガシークでは全社的にデータから仮説を導く文化があると先ほどお聞きしましたが、なにか意識されていることはありますか?
小手川:
特徴的なのは、マガシークではマーケティング担当者だけではなく、デザイナーやエンジニア、ディレクターの職種のKPIにも必ず売上が入っていることかもしれません。企業が利益を上げる上で重要なのはシンプルに「売り上げを伸ばす」「コストを下げる」の2つですが、マガシークでは職種に関わらず、事業目線をできるだけ持ってもらうようにしています。
また、CVR(コンバージョン率)やUU(ユニークユーザー)数などはどのような施策を行なっても数値が改善しないときがあります。それなのに同じことを頑張り続けても意味がないです。そういうときはほかの施策で補って、全体の受注を上げていけるような視点を持たないといけません。
どんな職種でも売上の指標を入れるようにしているのは、不毛な部分最適に陥らないためという意味合いが大きいです。目先の数値目標ではなく売り上げやコストを目標として掲げることで、全員のベクトルが同じ方向に向きやすいんじゃないかと思いますね。
Dockpitについて詳しく知りたい方はこちら
Dashboard型マーケティングツール「Dockpit」のご紹介資料です。
データから新しい課題発見ができる文化を根付かせたい
Dockpit:
マーケティング分野におけるデータ活用で今後の課題はありますか?
小手川:
より深いデータ分析ができる人材をもっと増やしていきたいと思っています。これはハードルが高いのですが、データの海に潜って“こういうデータをこういう視点で見るべきだ”と課題を発見できるチームになっていきたいんです。
現状、サイトの運用メンバーはこれまでの経験やノウハウから分析しています。たとえばセッションはいいけれどCVRが悪いという結果だったら「商材が悪いんじゃない」「打ち出し方を変えよう」と思いつく。これは自分たちの売り上げに紐づいている考えであって間違ってはいません。一方で僕は、新しい課題や発見も同時に増やしていきたいのです。
Dockpit:
そういった新しい課題や発見ができる人材には、どうやったらなれると思いますか?
小手川:
僕も知りたいです(笑)。ただ、基本的な運用の経験やノウハウだけでは難しいかもしれません。たとえば、僕は一度Dockpitを使用していて、貴社の担当者に「そんな使い方するんですか?」と驚かれたことがあります。そのときはデータを抽出したあと、抽出したデータを並び替えて結合し、グラフ化したのです。
だれもが見ている視点やだれでも見られる視点ではなく、新たな分析の観点でみることが重要です。データへの興味は必須ですが、興味関心でカバーできるところには限界があるので、アイデアやセンスも必要です。そのためにまずはデータに触れる機会を増やすことからだと思います。
Dockpit:
では最後に、今後のデータ活用における展望を教えてください。
小手川:
「このデータとあのデータを掛け合わせて見たら、こういう使い方ができるだろうな」という仮説を持ってほしいのです。現状は日頃の運用にリソースが取られてしまっているメンバーが多いので、課題発見まで手が回っていません。今後段階を踏んでステップアップしていきたいですね。
もう1つは未来志向でなにが起きるかを予測したいです。自社のデータ活用でいうと、顧客理解はまだやれることがあると感じています。親会社の株式会社NTTドコモとも提携しデータ交換を行いながら、ツールを使い倒してさらにやるべきだと思います。自社に足りないユーザー層や減っているユーザー層を追い、仮説が確信に変わるまで突き詰めたいですね。
「すべての職種が数値データを扱えるように」という文化を根付かせることが会社の売り上げやコストダウンに寄与している、と語った小手川氏。膨大な数値データを前に新しい視点から課題を探し、仮説・確信・実証を繰り返してきたといいます。
日々の数値運用だけでなく課題発見力などの未来を見据えたマーケティング戦略を構築してきた取り組みが、アパレルEC業界での事業拡大へと繋がってきたのではないでしょうか。小手川さん、この度は貴重なお話をありがとうございました。
Dockpitについて詳しく知りたい方はこちら
Dashboard型マーケティングツール「Dockpit」のご紹介資料です。
- マーケティング
- マーケティングとは、ビジネスの仕組みや手法を駆使し商品展開や販売戦略などを展開することによって、売上が成立する市場を作ることです。駆使する媒体や技術、仕組みや規則性などと組み合わせて「XXマーケティング」などと使います。たとえば、電話を使った「テレマーケティング」やインターネットを使った「ネットマーケティング」などがあります。また、専門的でマニアックな市場でビジネス展開をしていくことを「ニッチマーケティング」と呼びます。
- マーケティング
- マーケティングとは、ビジネスの仕組みや手法を駆使し商品展開や販売戦略などを展開することによって、売上が成立する市場を作ることです。駆使する媒体や技術、仕組みや規則性などと組み合わせて「XXマーケティング」などと使います。たとえば、電話を使った「テレマーケティング」やインターネットを使った「ネットマーケティング」などがあります。また、専門的でマニアックな市場でビジネス展開をしていくことを「ニッチマーケティング」と呼びます。
- PDCA
- PDCAとは、事業活動などを継続して改善していくためのマネジメントサイクルの一種で、Plan,Do,Check,Actionの頭文字をとったものです。
- マーケティング
- マーケティングとは、ビジネスの仕組みや手法を駆使し商品展開や販売戦略などを展開することによって、売上が成立する市場を作ることです。駆使する媒体や技術、仕組みや規則性などと組み合わせて「XXマーケティング」などと使います。たとえば、電話を使った「テレマーケティング」やインターネットを使った「ネットマーケティング」などがあります。また、専門的でマニアックな市場でビジネス展開をしていくことを「ニッチマーケティング」と呼びます。
- 広告
- 広告とは販売のための告知活動を指します。ただし、広告を掲載するための媒体、メッセージがあること、広告を出している広告主が明示されているなどの3要素を含む場合を指すことが多いようです。
- リスティング広告
- リスティング広告とは、検索エンジンの検索結果ページに、ユーザーが検索したキーワードに関連した広告を、有料で表示するサービスのことです。ユーザーの検索結果に連動した形で広告が表示されるため「キーワード連動型広告」「検索連動型広告」とも呼ばれます。
- テキスト
- テキストとは、純粋に文字のみで構成されるデータのことをいいます。 太字や斜線などの修飾情報や、埋め込まれた画像などの文字以外のデータが表現することはできませんが、テキストのみで構成されたテキストファイルであれば、どのような機種のコンピューターでも共通して利用することができます。
- マーケティング
- マーケティングとは、ビジネスの仕組みや手法を駆使し商品展開や販売戦略などを展開することによって、売上が成立する市場を作ることです。駆使する媒体や技術、仕組みや規則性などと組み合わせて「XXマーケティング」などと使います。たとえば、電話を使った「テレマーケティング」やインターネットを使った「ネットマーケティング」などがあります。また、専門的でマニアックな市場でビジネス展開をしていくことを「ニッチマーケティング」と呼びます。
- KPI
- KPIとは、目標に対して施策がどの程度達成されているか、を定量的に表す指標のことをKPI(重要業績評価指標)といいます。
- CVR
- CVRとはコンバージョンレートの略で、ウェブサイトに訪れた人のうち、最終成果に至った人の割合のことです。たとえば、今まで見込み客であったユーザーが購買客に転換するなど、ユーザーがホームページ運営者側にとって歓迎すべき状態に転換する割合を把握し、ビジネスの精度向上に役立てます。
- ユニークユーザー
- ユニークユーザー(UU)とは、ホームページ内の特定のページにアクセスした人数のことです。ホームページにアクセスしたユーザーは、はじめてアクセスしたユーザーと再アクセスしたユーザーに大別されます。このうち複数アクセスした人を一人と数え、実際にページを訪れた人数を割り出したのがユニークユーザーです。「ユニークユーザー数」ともいいます。
- マーケティング
- マーケティングとは、ビジネスの仕組みや手法を駆使し商品展開や販売戦略などを展開することによって、売上が成立する市場を作ることです。駆使する媒体や技術、仕組みや規則性などと組み合わせて「XXマーケティング」などと使います。たとえば、電話を使った「テレマーケティング」やインターネットを使った「ネットマーケティング」などがあります。また、専門的でマニアックな市場でビジネス展開をしていくことを「ニッチマーケティング」と呼びます。
- セッション
- Googleアナリティクスは、ホームページに適切に組み込めばアクセス状況を把握できる便利なサービスです。Googleが無料で提供しており、日本でも大手企業や金融機関、政府など、その利用のシェアを広げています。そこで、もっとも基本的な単位がセッションです。
- CVR
- CVRとはコンバージョンレートの略で、ウェブサイトに訪れた人のうち、最終成果に至った人の割合のことです。たとえば、今まで見込み客であったユーザーが購買客に転換するなど、ユーザーがホームページ運営者側にとって歓迎すべき状態に転換する割合を把握し、ビジネスの精度向上に役立てます。
- マーケティング
- マーケティングとは、ビジネスの仕組みや手法を駆使し商品展開や販売戦略などを展開することによって、売上が成立する市場を作ることです。駆使する媒体や技術、仕組みや規則性などと組み合わせて「XXマーケティング」などと使います。たとえば、電話を使った「テレマーケティング」やインターネットを使った「ネットマーケティング」などがあります。また、専門的でマニアックな市場でビジネス展開をしていくことを「ニッチマーケティング」と呼びます。
おすすめ記事
おすすめエントリー
同じカテゴリから記事を探す
カテゴリから記事をさがす
●Webマーケティング手法
- SEO(検索エンジン最適化)
- Web広告・広告効果測定
- SNSマーケティング
- 動画マーケティング
- メールマーケティング
- コンテンツマーケティング
- BtoBマーケティング
- リサーチ・市場調査
- 広報・PR
- アフィリエイト広告・ASP
●ステップ
●ツール・素材
- CMS・サイト制作
- フォーム作成
- LP制作・LPO
- ABテスト・EFO・CRO
- Web接客・チャットボット
- 動画・映像制作
- アクセス解析
- マーケティングオートメーション(MA)
- メールマーケティング
- データ分析・BI
- CRM(顧客管理)
- SFA(商談管理)
- Web会議
- 営業支援
- EC・通販・ネットショップ
- 口コミ分析・ソーシャルリスニング
- フォント
- 素材サイト
●目的・施策
- Google広告
- Facebook広告
- Twitter広告
- Instagram広告
- LINE運用
- LINE広告
- YouTube運用
- YouTube広告
- TikTok広告
- テレビCM
- サイト制作・サイトリニューアル
- LP制作・LPO
- UI
- UX
- オウンドメディア運営
- 記事制作・ライティング
- コピーライティング
- ホワイトペーパー制作
- デザイン
- セミナー・展示会
- 動画・映像制作
- データ分析・BI
- EC・通販・ネットショップ
- 口コミ分析・ソーシャルリスニング