インフルエンサーに求められる役割

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リーチとレコメンド

Twitter、Facebook、Youtubeと発信するメディアが多様化することで、企業としてインフルエンサーを活用する目的も変化しています。

大きくわけると、商品を知ってもらうリーチ、商品自体に興味を持ってもらうレコメンドの2つに分類されます。もちろん店頭での購買後押しのPOPや検討時の検索対策などもありますが、これらはメインで期待されるというよりも、どちらかというと副次的効果の領域になります。

リーチとレコメンドが求められるのは、「消費者が知らない商品を買わない」「商品を知っただけでは興味をもたない」という心理があるからです。

そのため重要なのが、消費者に「どのようにして商品の存在に気付いてもらい、如何に興味を持ってもらうか」であり、マーケティング広告という観点でも同様です。
  

重要なのは発信者と商品(サービス)のマッチング

例としてAという商品に関する投稿をもとに説明します。

自分がよく見る投稿者が商品Aに関する投稿をすることで、フォロワーにその存在を知ってもらう機会を作り出します。この場合はリーチを獲得して、最終的にあわよくばそのタイミングで興味を持ってもらうことが狙いとなります。

ここできちんと押さえなければならないのが、その発信してくれる方と商品(サービス)のマッチングという点です。あくまで任意発信なので、強制力を働かしてほかの方に違和感を与えたり、同じような商品ばかり紹介していると、フォロワー側に悪影響を与える結果となってしまいます。

理想は情報を共有した方が商品への理解を深め、好きになってもらうことで、そこまで興味を持ってもらえば効果的なアプローチが可能となります。
  

ちなみに、時折インフルエンサーの発信に"バズ"を期待される方がいますが、あくまでバズの起点となることはあっても、それだけではバズを起こすことはできません。バズらせるためには、コンテンツが必要となります。
  

企業としての活用イメージ

ここからは、企業がどのようにインフルエンサーを活用しているのか、をご紹介します。

イベント・サンプリングにおけるインフルエンサー活用例

インフルエンサーの最もシンプルな活用パターンは、イベントやサンプリングです。イベントは参加可能人数が限られていて、仮に数千万円かけたイベントでも集客は数百~数千になりがちです。

そこでインフルエンサーを戦略的に活用して情報を発信することで、ユーザーの疑似体験を促すことができ、その商品・サービスの存在を示し、興味・関心を促すことが可能です。

その際、効果的なのは情報を共有した方々にイベントを楽しんでいただき、商品を理解した上でインフルエンサーに独自解釈をしてもらって発信してもらうことにほかなりません。

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こちらは某食品メーカーがイベントで、ある食材の新しい食べ方を訴求した事例になります。

この際、イベントで初めて情報を伝えてインフルエンサーに試食していただき、家に帰って試してもらって自宅にて情報拡散、というシナリオを考えました。結果的に、ネット上でその投稿自体が話題となり、レシピサイトなどに情報が拡散されるという結果につながりました。

一般的な考え方では、企業が商品レシピをサイトや記事で紹介して、レシピメディアとタイアップをして拡げることが多いかと思います。ただ、実際はレシピの数は膨大で、見つけても作らなかったり、そもそも見つけることすら難しい時があります。

そんな時に料理系のインフルエンサーを起用すると、料理インフルエンサーのフォロワーはその人の料理(レシピ)に興味があり、またそこに実際に作って、食べた感想があることで、「知る」→「興味」という導線が確立され、トライアル意向が高まります。単純にそこにレシピが乗っているのではなく、自分の知っている人が作って試しているという事実があることでトライアルのハードルが大きく下がり、レシピ数が増加した事例です。

このようにフォローしている人がインフルエンサーの何に興味があり、フォロワーしているのか、を理解して設計することで、多くの広告を配信するよりも効果的な結果を導き出すこともあります。

ちなみに、上記で例に出した食品メーカーは、この施策を実施したことで企業発信で行ったレシピの 2倍のレビュー数を記録 しました。