基本的な戦術

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ティザー広告の基本的な戦術は、2つあります。

1つは、情報を小出しに少しずつ提示していく事です。例えば、意味ありげなシルエットやキャッチコピー、発売予定日すらもティザーの材料となります。

人気のある作品(漫画や小説)の映画化であれば、登場人物を時間差で一人ずつ提示していくような手法もあります。原作ファンであれば、ファンだけがわかるようなキーワードを提示する事もあります。熱狂的なファンが存在する作品やメーカーの商品であれば、彼らが勝手に解説してくれる事も少なくないので、それまでは無関心だった一般層への「布教」の効能もあります。

もう1つは、小出しにしていく事で、宣伝戦略の軌道修正がしやすいという点です。SNSなどで流布される反応や感想を元に、情報の投下タイミング、告知イベントの方向性など、当初の計画に対して柔軟に修正が加えられます。

当初は男性向けでしたが、リサーチの結果で女性層にも訴求する事がわかれば、そちら向けのプロモーションも打てるといった感じです。時間をかけてじっくりと、発売前・公開前に向けて盛り上げていくのが、ティザー広告の真骨頂といえます。
  

まとめ

ティザー広告の「チラ見せ」戦略は、受け手の覗き見欲を刺激し、想像力をかき立てます。隠されれば見たくなるのは人間の本能といっても過言ではないでしょう。しかし、万能に見えたところで、これはあくまでも戦略の1つに過ぎません。上々の投下タイミングや見せ方を失敗すれば、単なる自己満足に終わってしまいます。

そして何より重要なのは、商品自体に魅力がなければ、隠しても何の意味もないという事です。満を持して世に問うならば、それ相応のクオリティや新規性が商品になければ、プロジェクト自体が空振りに終わってしまうでしょう。

ティザー広告は使う場面を選ぶ手法ではありますが、このような手法がある事を知っておけば、PR戦略の一助となると思います。