日本の広告費推移と特徴

日本国内のインターネット市場規模が約10%の伸び率を見せるなかで、広告費用はどういった媒体を中心に割かれているのでしょうか。
広告代理店「電通」が2017年2月23日に発表した、「2016年(平成28年)日本の広告費」などをもとにお伝えします。

インターネット広告費は初の1兆円越え

電通の「日本の広告費」によると、2016年の国内における総広告費は、前年比101.9%の6兆2880億円となり、5年連続でプラス成長を遂げています。

代表的な広告には、「マスコミ四媒体」と「テレビメディア」、「インターネット」、「プロモーション」などが挙げられます。そのうち、地上波テレビと衛星メディア関連のテレビメディア広告費と、インターネット広告費のふたつが前年比増の結果になったようです。

インターネット広告費(媒体費+広告制作費)は、前年比113.0%1兆3100億円となり、初めて1兆円越えとなりました。

その背景として、電通は以下のように論じています。

このうち運用型広告費は、7,383億円(同118.6%)。運用型広告※2(以下、運用型)が好調な主な要因としては、データ/テクノロジーを重要視する広告主が増え、データ連携可能な運用型への注目が高まったことや、高機能化によってリーチやブランディングなどの役割もカバーし始めたことなどが挙げられる。
(引用:2016年 日本の広告費 - ニュースリリース一覧 - ニュース - 電通

また、経済産業省の推計調査結果である、スマートフォン経由のBtoC-EC(消費者向け電子商取引)市場規模は2兆5559億円を裏付けるかのような指摘もなされています。

デバイス別に見るとスマートフォンが引き続き伸長し、モバイルシフトが進むことで、PCポータル系やアドネットワーク型が減少傾向に。市場成長のけん引役が、PC中心型のメディアからモバイル中心型のメディアに移りつつあることで、これまでPC中心型でマネタイズしてきたメディアが運用型へのシフトを本格化。各パブリッシャー(メディア運営者)による広告配信プラットフォームを用いた運用型の導入が活発化している。
(引用:2016年 日本の広告費 - ニュースリリース一覧 - ニュース - 電通

まとめ

インターネット市場において現在、BtoC-EC(消費者向け電子商取引)市場規模が前年の13.7兆円に比べて、9.9%増の15.1兆円にまで拡大しました。その数字を裏付けるかのように、各企業のネット広告費も前年比113.0%の1兆3100億円と増額傾向にあります。

また、今回の最新発表では、スマートフォン経由のBtoC、EC市場が前年比28.7%増と発表されていることや、個人間の電子商取引が急速に拡大傾向にあると指摘していることから、タブレットPCに限らず、スマートフォン経由のインターネット市場が大きなポイントになりえそうです。

最新の統計情報を確認し、今後のWebマーケティングの施策などに活かしてみてはいかがでしょうか。

参考元1:平成28年度我が国経済社会の情報化・サービス化に係る基盤整備(電子商取引に関する市場調査)|経済産業省
参照元2:[2016年(平成28年)日本の広告費|電通報](http://dentsu-ho.com/articles/4936)
参照元3:「2016年日本の広告費」解説ー拡大するインターネット広告と堅調なテレビメディアで5年連続のプラス成長|電通報