チーム会計制度の運用方法

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私たちがどのようにチーム会計制度を運用していったのかをご紹介します。
  

1. 単価の決定

まず、1つひとつの業務に単価を決めていきました。電話対応1件あたり500円、メール1件返信あたり480円……など、業務全てに対して販売管理費から割り出した1人あたりの1時間労働単価から業務単価を決めていきました。
  

2. 見積り・受発注概念の取り入れ

弊社の創業期は、自社ASPサービスの開発と並行して受託開発も行っていました。受託開発では、依頼される企業と必ず見積書・発注書のやりとりを行います。そこでいただく発注金額が会社を支える金額になるため、その金額が本当に妥当な金額なのか1円単位でもシビアに考えます。

この頃の弊社は自社ASPサービスがパッケージ化され、プラン営業を行っていたため見積書・発注書を社員が交わすことはありませんでした。そのため、会社のコスト意識が薄れていたことも事実あります。

そこで全ての業務で決めた単価をもとに毎月の業務を全て見積書に落とし込み、チーム上長に見積書を提出する、チーム上長はその見積書を見て人員と業務量・品質が見合っているかを確認し発注押印をする……というのを実際に紙ベースで行っていました。
  

3. 月末の請求作業

見積書・発注書の概念が加われば当然「請求」という概念も加わります。

社員個人個人が自らの当月業務内容を洗い出し、発注された成果物と見合っているかを確認しチーム上長に請求書を提出します。チーム上長は改めて当月の業務1つひとつの量・品質を確認し、請求を受領します。
  

4. チーム会計の進捗報告

それぞれのチームマネージャーが、各チームの会計結果を報告・相談する場もありました。時にはCSチームと開発チームなどのチーム間での見積書・発注書のやりとりもあったため、お互いの見積金額・発注金額が妥当かどうか、発注案件が社員のモチベーション低下につながらないかもこの場で相談し、メンバーと動いていました。

CSチームでは毎月各個人の売上金額を並べてトップ3のみを公表する「売上ランキング」もつけていました。

架空のものではあるものの、この「売上ランキング」で毎月トップになるために月間売上目標を決めてどの業務でどのくらいの売上を立てるか、そのためには1日どのくらいの売上を立てる必要があるのか……等、1人ひとりが日々計画と進捗をすり合わせて動いていました。
  

チーム会計制度を導入して見えてきたこと

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チーム会計制度を導入して大きく以下3点の変化が現れました。
  

目標連続達成の社員が急増

チーム会計制度を導入してから、「え!もうこんなに売上げてるんですか!?」「その企画一緒にやりたいです!」という風に、社員1人ひとりがお互いに競い合い、高め合いながら日々を過ごしていく姿が目に付くようになりました。その結果、目標単月達成はもちろんのこと目標連続達成や5ヵ月間連続で目標を達成した社員もいました。

毎月の請求業務は大変なものでしたが、全員の生産性が数字として見えるため、今までスポットが当たらなかった社員も売上達成することにより周囲から注目され、モチベーションにつながっていきました。
  

今まで記入ができなかった応対履歴が100%記載できるようになった

お客様からお問い合わせを頂いた場合に、それが前回別のCS担当とやりとりしていた内容であっても、それを見たら誰でも対応ができるという「応対履歴システム」を用意しています。しかし、途中で採用したシステムでもあったためなかなか浸透せず登録されないことも多々ありました。

そのため、電話1件あたりの単価を決める時に「電話+応対履歴」を1セットとして応対履歴の登録が無かった場合には売上に計上されない……というルールを設けました。これをルールにするからには管理者側のチェックも必須となりますが、その結果応対履歴は100%登録されるようになり、チーム会計制度を取り外した今でも応対履歴の登録は当たり前の業務になっています。
  

社員からの新規企画立案が373%アップ!

それまで、CS社員1人ひとりが考える"お客様満足度を高めるための新規企画案"は半年間で15件程度でした。それがこのチーム会計制度導入によって驚くべきことに、半年間で56件にまで増える結果となりました。

売上を達成するために……という視点も一部はありましたが、1人が企画を立案しそれを実行している姿を見て「自分もこうゆうことをやってみたい!」と考える社員が増えたこと、+αの業務をするためには現状の業務をさらにスピーディーに対応する必要があるという考え方に社員自身がシフトできたことが大きな要因です。

着手すると様々な課題・問題が発生し頓挫した企画も中にはありますが、その中の8割は完了しお客様にご提供することができました。実際にお客様から良い反応を頂いた企画は今でも定例で実施をしています。