ホームページや電話からくる問い合わせは、顧客との関係構築のために丁寧な対応が求められます。しかし、その数が多くなってくると、業務の負担も増え、オペレーションが回らなくなってしまうでしょう。
業務の効率化だけでなく、根本的な解決のためには問い合わせの数を減らす対策も必要です。そのような対策の1つとして、ホームページへのFAQの掲載が挙げられるでしょう。

*FAQとは、頻繁にくる質問とその回答のことで、FAQをまとめたホームページをFAQサイトと言います。*FAQサイトを設置することで、ユーザーにとっては電話や問い合わせフォームから質問をする手間を省けます。また、企業にとっては、問い合わせ自体を減らすことでサポート部門の負担を軽くすることができるでしょう。

今回は、FAQサイトを作る時に意識したい3つのポイントを紹介します。
*「問い合わせが多すぎて、アフター部門がパンクしている」「同じことに関して何度も問い合わせがきてしまう」*といった悩みをお持ちの方は、FAQの基本をおさえて自社に活用していきましょう。

FAQとは

*「FAQ」*とは「Frequently Asked Questions」の略で、頻繁に尋ねられる質問を指します。
似ている言葉として「Q&A」をご存知の方は多いでしょう。

Q&Aは「Question & Answer」の略で、質問と回答をひとまとめにしたものを指します。

FAQは、どのようなQ&Aを体系的に見やすくしたものであり、FAQを掲載したホームページをFAQサイトといいます。
「よくある質問」や「ヘルプ」などと表記されており、ユーザーにとっては商品やサービスに関しての疑問点をホームページ上で解決できるというメリットがあるでしょう。

FAQサイトを作成してもQ&Aを羅列しただけでは使いやすいページにはなりません。
以下で紹介するようなポイントをおさえて、ユーザーにとっても企業にとっても意味のあるページにしましょう。

参考:
「FAQ」とはどういう意味ですか。|宇都宮市

ポイント1.社内の情報を洗い出すだけでなく、体系化する

FAQサイトの中心は「情報」です。
そのため、社内にある情報をいかに抜き出していくかが重要でしょう。

FAQの作成では、まず商品やサービスに対して過去にあった問い合わせや、クレームとなった事案などを洗い出します。
その際には質問と回答の形式で情報をひとまとめにして、情報の種類ごとに分類しながら体系化しましょう。

体系化した情報は、FAQサイトへ使用するだけでなく、社内で共有の情報や認識をもつためのナレッジとなります。
社内に情報収集への協力を呼びかける際も、顧客のためのFAQとしてだけでなく、営業や管理部門にとっても役に立つものであると伝えるといいでしょう。

参考:
ナレッジマネジメントとは何か?

ポイント2.検索しやすさを意識する

大量に収集した情報を羅列したページは、顧客にとって情報が見つけづらく、クレームにもつながりかねません。
そのため、FAQサイトの中では、自分の望む情報が見つけ出せるように検索のしやすさを意識しましょう。

こういった情報の見つけやすさのことを*「ファインタビリティ」*といい、ユーザーにとって使いやすいホームページには欠かせない要素です。

では、具体的にどういった方法を取ればいいのか3つの方法を見てみましょう。

2-1.カテゴリで分類する

よくあるご質問|ニトリのお客様サポート・よくあるご質問.png
http://www.nitori.co.jp/customersupport/faq/

インテリアショップのニトリでは、商品カテゴリで分類したFAQサイトを公開しています。

自分が購入した商品に合わせて検索できるだけでなく、トピックスでのカテゴリも用意されています。トピックスでは*「ご注文前」「ご注文後〜商品到着まで」「商品到着後」*といった、現在のステータスに合わせた検索が可能です。

このように質問の内容によってカテゴリ分けすることで、ユーザーにとって見つけやすい情報となります。

2-2.ページ内検索を利用する

カテゴリによる分類は「そもそもどのカテゴリを開いたらいいのかわからない」というネックが存在します。そのような顧客のためにも、フリーワードで検索を行えるようにしましょう。

2-3.チャットボットを利用する

FAQをもとにチャットボットを運用する方法もあります。

チャットボットとは、事前に組み込んでいた情報をもとにして、人間に話しかけているかのような会話文を再現するシステムを指します。

会話文形式で質問を深めていけるので、ユーザーにとっても細かいカテゴリを考えずに検索できるでしょう。

LOHACO___お客様サポート.png
https://lohaco.jp/support/index.html

アスクルが運営しているネットショップのLOHACOでは、チャットボット形式のFAQシステムを採用しています。
例えば「購入した商品が壊れている」と入力すると、質問した内容に合わせてさらに詳しく要望を聞き取る質問文が表示されます。

このようにチャットボットを使用することで、ユーザーは自分の現状に合わせたFAQへ手軽にたどり着けるでしょう。

ポイント3.問い合わせページへの導線も意識する

どんなに大量の情報を掲載していても、FAQサイトだけでは解決できない問題もあります。
そのような顧客のために問い合わせ先を案内することも忘れずに行いましょう。

この時に重要なのが、どの段階で問い合わせ先を案内するかです。

*例えばあなたが商品の使い方に迷っている時、ヘルプページの上に電話番号が書いてあったらどうするでしょうか。*
そのままFAQを検索する人もいるでしょうが、なかには「めんどくさいから」と電話番号にかけてしまうかもしれません。

しかし、ページ内で解決できる問題なのに問い合わせがきてしまっては、業務の効率化にはつながらないでしょう。

Microsoft_サポート.png
https://support.microsoft.com/ja-jp/contactus/

Microsoftのヘルプページでは、「問い合わせ先」をクリックしてもすぐにサポートセンターへの電話番号は表示されません。
自分の状況に合わせて質問し、それでも解決できない場合になって初めてサポートセンターの番号がわかります。

こういった仕組みは、ページ内で顧客自身に解決してもらうことを促すだけでなく、サポートセンターにかかってくる電話の内容を制限することができます。
顧客にとっても連絡してみたら自分の質問とは関係のない部署だったという事態を防げるでしょう。

まとめ

FAQとは、頻繁にくる質問への回答集を指します。
FAQをホームページ上に事前に掲載しておくことで、顧客自身が自分で調べて問題を解決できるので、問い合わせ数を減らす効果が見込めるでしょう。

しかし、消費者にとってスムーズに問題解決できるページになっていなければ、問い合わせの減少にはつながりません。
過去にあった質問をまとめておくだけでなく、自分でサービスを確認し、どういった質問が想定されるかを考えるようにしましょう。

また、回答集の量が多くなる場合、利用する人にとって自分の探したい内容をスムーズに検索できるようにする必要があります。カテゴリわけの他にも、検索機能やチャットボットを設置して検索しやすさを実現するようにしましょう。