SNSのタイムラインに毎日のように流れてくるレシピ動画の流行により、改めて注目を集めている*"HowTo(ハウツー)動画""マニュアル動画"*。

BtoC商材・BtoB商材のマーケティングツールや営業ツールとしてはもちろんのこと、社内研修などにも有効で、活用範囲が非常に広い動画コンテンツです。さらに、モノの作り方や操作方法、サービスや接客の方法などが、動画ならではの高い情報伝達力でより理解しやすくなるという強みがあります。

今回は、レシピ動画で注目を集めている"HowTo動画"や"マニュアル動画"の価値を改めて整理するとともに、その活用事例や制作時のポイントなどをご紹介していきます。

ぜひ今後の動画マーケティングにお役立てください。
  

なぜ今"HowTo動画"や"マニュアル動画"が注目されるのか?

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まずは、HowTo動画やマニュアル動画が、今改めて注目されている理由を考えてみましょう。
  

1. 動画視聴環境の進化

かつて、商品の説明書やマニュアル、あるいは料理レシピなども全て、紙に印刷されたものが一般的でした。それが今や、PCはもとより、スマートフォンやタブレットなどのモバイルデバイスでも動画再生が可能になり、環境を問わず、必要な時にいつでも動画を視聴できるようになってきました。そのため、従来、紙に印刷されていたものを動画化する動きが加速しています。
  

2. SEOとしての"HowTo動画" "マニュアル動画"

スマートフォンの普及により、人々は「●●の使い方」や「●●の方法」を知りたいと思った瞬間に手元のスマートフォンですぐに検索できるようになりました。YouTubeでは2014年から2015年にかけて、「How to」の検索件数が70%も増加したそうです。

このトレンドを受け、企業のSEO対策において、ユーザーや顧客のこれらのニーズに応えるためのHowTo動画やマニュアル動画の重要性が高まっています。

動画マーケティングに積極的な企業は、HowTo動画を何十本と制作し、自社サイトやYouTubeチャンネルに掲載することで、検索をとおした新しいファンの獲得を図っています。
  

3. 企業によるIoT推進

三菱総合研究所が昨年11月に公開した、中小企業におけるIoT導入に関する調査によると、今後の取り組みの1つとして、マニュアルのデジタル化が挙げられています。業務効率の向上、ペーパーレス化によるコスト削減など、企業のIoT推進においてもマニュアル動画は重要なファクトの1つとなっているのです。

参考:
平成28年度エネルギー使⽤合理化促進基盤整備委託費(中小企業におけるIoTの導入に関する調査)
  

"HowTo動画" "マニュアル動画"のメリット

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次に、HowTo動画やマニュアル動画が持つ4つのメリットを見ていきます。
  

1. 高い情報伝達力

文字や写真だけとは異なり、動画であれば、動きや音、時間軸などの要素まで含めて伝えることができるため、「●●の方法を伝達する」という目的を果たすという意味では最適な手段の1つと言えます。微妙なニュアンスや“さじ加減”なども、動画であればより正確に視聴者に伝えることが可能です。

弊社(株式会社LOCUS)が手がけたプロジェクトでは、クライアント企業内で活用されたマニュアル動画の視聴者の85%から「理解がより深まった」との回答を得ています。
  

2. 情報の均質化

「●●の方法」は、人が直接説明して伝えることも可能です。しかしその場合、人によって伝える内容や伝え方に差が出てしまうことは避けられません。その点、HowTo動画やマニュアル動画を用いれば、動画を視聴する人に同一の情報を提供することができます。

特に教育研修目的のマニュアル動画の場合、より正確性が求められますが、動画であれば伝達情報の均質化が担保されます。
  

3. エンターテインメント性の付加

昨今、人気のレシピ動画のように、エンターテインメント性を持たせることも可能です。情報として役に立つ上、“見ていて楽しい”という要素が加わるため、コンテンツとしての価値がさらに高まります。

あるいは接客マニュアル動画などでも、例えばドラマ仕立てにすることで視聴者をストーリーに引き込め、具体的な場面もイメージしやすくなります。
  

4. 高いアクセシビリティ

インターネットに接続できる環境であれば、時間も場所も問わず、オンライン動画にアクセスすることができます。紙のマニュアルは時間をかければ手元に届けることも可能ですが、対面研修は開催時期も場所も限定的なため、参加できる人は限られてしまいます。

いつでもどこでも、視聴者にとって必要かつ都合のいい状況で繰り返し動画を視聴できるからこそ、HowTo動画やマニュアル動画としての情報価値が高まると言えます。
  

5. コスト削減効果

紙のマニュアルの場合、原稿制作費とともに、印刷費もランニングコストとして発生し続けます。あるいはリアルな研修の場合は、準備期間も含めた人件費や場所代が、開催のたびに必要になります。

動画ももちろん制作コストがかかりますが、完成した動画をWebサイトやYouTube等の無料プラットフォームにアップロードする形であれば、費用もかからず、半永久的に配信・視聴することができます。