「JIS」や「ISO」といった製品・サービス規格、名前を聞いたことはあっても実際どういった内容なのかは知らないという方は多いのではないでしょうか。

今回は、品質保証のために知っておきたい3つの規格認証制度をご紹介します。
企業にとって規格とは、自社の製品やサービスへの客観的な評価をアピールできる有効な手段の1つです。また、国際規格を取得することで、グローバル展開の障壁が低くなるといったメリットもあげられるでしょう。

実はこういった規格の中には、工業製品向けのものだけでなくITサービスや個人情報保護に関わるものも存在します。
「規格に興味はあるけど、難しそう」と敬遠されていた方は、この機会に学んでみるといいでしょう。

規格認証制度を利用するメリット

品質基準、試験方法など、製品やサービスの標準的な仕様を定めた「規格」という言葉は、製造業以外ではなかなか馴染みのないものかもしれません。

ですが、規格には「ISO/IEC 27001(情報セキュリティ)」のように、工業製品だけでなくサービスが対象になっているものもあります。

では、規格認証制度を利用することで、どのようなメリットが見込めるのでしょうか。
2つのメリットを紹介しましょう。

参考:
[標準化をビジネスツールに!|経済産業省]
(http://www.meti.go.jp/policy/economy/hyojun/businesstool.pdf)
標準化・認証|経済産業省

1.自社の製品の性能を明確にアピールできる

企業としての知名度がなく、実績も少ない場合、自社の製品やサービスの品質を信頼してもらうのはなかなか難しいでしょう。

規格の認証を受けることで、自社の商品・サービスの品質が一定の基準をクリアしている証明になります。また、逆に規格の認証を受けていない製品・サービスは粗悪品として敬遠されてしまう危険性があります。

特に、生命に関わる製品や重要な情報を取り扱うサービスは顧客から強い信頼を得なければ契約にはつながりません。そのため、信頼を得る1つの方法としての規格認証が求められるでしょう。

2.国際規格に合わせることでグローバル展開の手助けとなる

ISOやIECといった国際規格は海外でも評価を得ている規格です。
そのため、自社の製品・サービスを海外に展開した際には、アピールポイントの1つとして利用できるでしょう。
実際、日本国内でも海外展開を行うにあたって多くの企業が国際規格の認証を目指してきました。海外での実績が少なく、名前も知られていない日本の企業にとって国際規格の認証は品質を保証する有効な手段となるでしょう。

参考:
なぜ軽自動車はグローバル展開できないのか | 東洋経済オンライン
[ISOの基礎知識 | 日本品質保証機構(JQA)] (https://www.jqa.jp/service_list/management/management_system/)

代表的な規格認証制度

では、規格認証制度にはどのようなものがあるのでしょうか。
「JIS」「IEC」「ISO」の3つの規格を紹介します。

1.JIS(日本工業規格)

「JIS(日本工業規格)」とは、工業標準化法によって制定されている日本国内の規格です。
家電製品や事務用品のパッケージに「JIS」と書かれた丸いマークが印刷されているのを知っている方もいるでしょう。

【JISが設定されている製品(一部)】
・土木及び建築…設計・計画、設備・建具など
 ・電子機器及び電気機械…家電製品、電線・ケーブルなど
 ・自動車…審査・検査方法、エンジン、部品など
 ・繊維…糸、織物など
 ・窯業…陶磁器、ガラス製品など
 ・日用品…家具・室内装飾品、食卓用品・台所用品など

上記のようにJISが定められている製品は多岐に渡ります。法律の中で引用されている規格も多く、日本国内のビジネスにおいて重要な立ち位置にある規格と言えるでしょう。

一方でJISに合わせた製品やサービスは、海外展開を行う上でネックになってしまう場合もあります。例えば、日本独自の規格として設定されている「軽自動車」は海外の規格には合わず、海外市場には普及していません。

JISのなかにはPマーク(JISQ15001:2006)に対するISMS(ISO27001)のように、同じ分野を取り扱うISOが存在する場合もあります。
海外展開を見据えるのなら、JISだけでなくISOやIECといった国際認証規格を検討する必要があるでしょう。

また、こういった国際規格とのずれをなくすためにも、平成7年以降JISでは国際規格に合わせた規格の変更を随時おこなっています。

参考:
ISMSとPマークの違い| NEC
工業標準化とJIS|日本工業標準調査会
JISマーク表示制度|日本工業標準調査会
[「JIS規格ってなに」|日本規格協会]
(https://www.jsa.or.jp/wp-content/uploads/hseminar3.pdf)

2.IEC

「IEC」とは国際電気標準会議(IEC)が制定している電気・電子分野の国際規格です。
IECには、各国の規格制定に関わる機関が参加しており、電気通信分野をのぞく電気・電子分野の国際的な規格を制定しています。

名称は「IEC」から始まる英数字で構成されており、基本的に全世界へと適用されます。

参考:
[IEC規格 | 国立国会図書館] (https://rnavi.ndl.go.jp/research_guide/entry/theme-honbun-400391.php)
[国際標準化(ISO/IEC)-IECの概要|日本工業標準調査会] (https://www.jisc.go.jp/international/iec-guide.html)

3.ISO

「ISO」とは国際標準化機構(International Organization for Standardization)が制定している国際規格で、電気・電子分野以外の製品やサービスが対象となります。

【ISOが設定されている製品・サービス(一部)】
 ・ISO9001(品質)
 ・ISO14001(環境)
 ・ISO 22000(食品安全)
 ・ISO/IEC 27001(情報セキュリティ)

上記のように、ISOでは、IECで取り扱っている電気・電子以外の分野を幅広く取り扱っています。

ISOの大きな特徴は、製品やサービスそのものだけでなく、PDCAを軸としたマネジメントシステムも評価している点にあるでしょう。
具体的には環境マネジメントシステム(ISO 14001)や品質マネジメントシステム(ISO 9001)が該当します。

マネジメントシステムを対象にしたISOでは、手順書や規定の策定だけでなく、それを運用する組織を編成することが求められます。また、各役職者の権限や責任を明らかにすることで、継続的なPDCAを進め、品質の向上へとつなげているのが特徴でしょう。

参考:
[ISOの基礎知識 | 日本品質保証機構(JQA)] (https://www.jqa.jp/service_list/management/management_system/)
[Q1.ISOやJISとはどのようなものですか。 |消費者関連専門家会議 ACAP] (http://www.acap.or.jp/iso10002/q1iso.html)
[登録組織向けサポート | 日本品質保証機構(JQA)] (https://www.jqa.jp/service_list/management/support/)

まとめ

日本国内の規格であるJISや国際規格のISOを聞いたことがある方は多いでしょう。
こういった規格は製品へのパッケージとして掲載できるだけでなく、ホームページ上でも掲載できます。認証を受ければ、それは第三者の認証機関による評価として認めらます。

ISOやIECのような国際規格に合わせた製品・サービスを開発することで、グローバルへの展開も見込めるでしょう。
特にISOでは、情報セキュリティや個人情報保護、ITサービスといった工業製品以外の規格が設定されています。自社の製品・サービスの中でも品質を担保したいものに対して適した規格を探し、認証を目指してみましょう。