EC事業を立ち上げようと考えているものの、ECモールに出店するか自社ECサイトを構築するか悩んでいる方も多いのではないでしょうか。

どちらか一方に集中的に取り組むこともできますが、両方に取り組むことも有益です。

この記事では、ECモールと自社ECサイトの違いや両者を併用するメリット、EC事業で売上を伸ばす方法などを紹介します。

目次

  1. 自社ECサイトとECモールの違いとは
  2. 自社ECサイトのメリット
  3. 自社ECサイトが向いている企業
  4. 売上を伸ばすには自社ECサイトとECモールの両立が有効
  5. 自社ECサイトを成功させるための3つの法則
  6. 自社ECサイトとECモールを活用して売上を伸ばそう

自社ECサイトとECモールの違いとは

自社ECサイトとは、自社でオンラインショップを構築・運営し、商品を販売する方法です。

一方でECモールは、複数のショップが集まって形成されているECサイトに自社の商品を出品し販売する方法です。インターネット上の百貨店のようなイメージで、代表的な例としては楽天市場やAmazonなどがあります。

そして両者の違いは、以下の通りです。
ECサイト_1.png

自社ECサイトは、自分たちで構築する手間がかかるものの、利益率や得られる顧客情報の量施策の自由度などに優れています。一方、ECモールは比較的簡単に導入でき、知名度の高いモールなら集客力が高いという特徴があります。

自社ECサイトのメリット

ECモールに比べて、自社ECサイトは導入のハードルが高めではあるものの、様々なメリットがあります。ここでは、そのメリットを4つ紹介します。

利益率が高い

自社ECサイトは、ECモールよりも運営する上での費用が安く、利益率が高い傾向にあります。

自社ECサイトを運営する場合、立ち上げた後はカートシステムの月額利用料や販売手数料、決済手数料しかかかりません。無料で利用できるWordPressなどでサイトを構築すれば、月額利用料をさらに抑えられます。

それに対し、ECモールを運営していく上では以下のように様々な費用が必要となります。

  • 基本出店料(月額)
  • 販売手数料
  • 配送/保管料
  • オプション利用料
  • 広告費用

上記の費用は、モールの規模が大きくなればなるほど高額になる傾向にあります。また、ECモールには同じような商品を販売する企業も多く存在するため、価格競争におちいる可能性もあるため注意が必要です。

販促活動を柔軟に実行できる

自社ECサイトは、各モールのアルゴリズムに制限されることなく、SEOやSNSなどの長期施策や、広告出稿による短期施策など、自社の販促活動を自由に実行できます

また、商品ページレイアウトや注文画面を自由に構築できるため、ECモールではアピールしにくいショップ名やブランドイメージをしっかりと伝えられます

より多くの顧客情報が得られる

ECモールの場合、モール側が顧客情報を所有しているため、自社が閲覧するのは難しい傾向にあります。一方、自社ECサイトなら顧客や受注に関するすべての情報を所有・管理できます

また、サイトにはGoogleアナリティクスなどのアクセス解析ツールを導入できるので、ECモールよりも多くの顧客情報を得られます。

例えば、顧客の属性や興味関心、購入に至った経路などの情報を取得できるので、それらを活かした商品開発やマーケティングが可能となるでしょう。

リピート客を増やしやすい

自社ECサイトの運営では、サイトを分析しながらコンテンツを充実させたり、過去に購入したことがある顧客に対して販促活動を行ったりできます。

こういった取り組みをすることで、リピート客や優良顧客を増やすことが可能です。リピート客を多く獲得できれば、売上のさらなる向上が期待できるでしょう。

自社ECサイトが向いている企業

自社ECサイトの構築・運営が向いているかどうかは、自社のビジネス環境によって異なります。自社ECサイトの構築を検討している場合は、次の3つの軸をもとに判断しましょう。

  • ビジネスの将来性
  • 販売する商材
  • 社内リソース

「ビジネスの将来性」については、社内におけるEC事業の位置づけによって判断します。

例えば、ECを将来的な中核事業となるよう拡大したい場合や、顧客データを活用して新商品開発や新規事業創出の精度を高めたい場合は、自社ECサイトが有効です。一方、単純に販売チャネルを1つ増やしたい場合は、ECモールが向いているでしょう。

売上を伸ばすには自社ECサイトとECモールの両立が有効

EC事業の売上を最大限に伸ばすには、自社サイトとモールの併用がおすすめです。

というのも、自社ECサイトとECモールには、お互いのデメリットをカバーできるだけのメリットがあるからです。

例えば「集客」という観点だと、自社ECサイトはオープン時の知名度が低いため認知・購入してもらうために時間がかかってしまいます。その点、Amazonや楽天市場といったECモールは、モールそのものの知名度が高い上に多くの消費者を抱えているため、集客性に優れています。

その他にも、以下の図のように両者には様々なメリット・デメリットがあります。
ECサイト_2.png

自社ECサイトを成功させるための3つの法則

自社ECサイト運営を成功に導くためには、ここで紹介する3つの施策を行いましょう。

1.SEO対策を行う

自社ECサイトを運営する場合は、立ち上げた直後からSEO対策を行い集客していく必要があります。SEO対策とは、GoogleやYahoo!などの検索エンジンで、自社ECサイトを上位に表示させる対策のことです。

検索結果の上位に自社ECサイトを表示できれば、商品を探しているユーザーの流入数増加が期待できます。また、自社ECサイトだけでなくECモールにおいても、商品の検索結果の上位に表示させるための対策が必要となります。

2.広告の受け皿を作る

商品を購入する人の中には、広告で商品を発見してから検索エンジンやECモールなどで検索するユーザーも一定数います。

そのため、広告を見て興味を持ったユーザーを逃さないよう、自社ECサイトはもちろんECモールで調べた時にも商品が表示されるように対策しておきましょう。

3.メルマガのリンクを使い分ける

メルマガ配信を行っている場合は、コンテンツ内に自社ECサイトに遷移するURLと、ECモールに遷移するURLを入れましょう。なぜなら、顧客がECモール内で利用できるポイントを貯めている場合、モールでしか商品を買わない可能性があるからです。

またメルマガURLを挿入する際には、キャンペーンやイベントの告知を入れると、購買意欲の向上が期待できます。

自社ECサイトとECモールを活用して売上を伸ばそう

自社ECサイトとECモールには、それぞれメリットとデメリットがあります。どちらが向いているかは自社のビジネス環境によって異なるため、今回紹介した内容をもとに判断しましょう。

なお、EC事業の売上を最大化するには自社ECサイトとECモールの併用が有効です。

これから自社ECサイトやECモールを立ち上げようと考えている方は、以下の記事もあわせてご覧ください。

参考記事:ECサイト立ち上げ前に読むべき資料5選!費用感やカート選定のポイントまとめ