ここ数年で、各ソーシャルメディアが立て続けに「ライブ動画配信サービス」をリリースしています。
中でも最近特に注目されているTwitterの「Periscope」は、活用方法によっては大きな効果を得られるでしょう。
今回はPeriscopeの特徴とマーケティングに利用する際のポイントを解説します。

Periscopeの特徴を理解し、ソーシャルメディアマーケティング活用への可能性を考えていきましょう。

Periscopeとは:Twitterが提供するライブ動画配信サービス

ライブ動画配信といえばUstreamやニコニコ生放送、ツイキャスなど既に世間一般的にも認知されているサービスはありましたが、近年さらに注目を集めています。その要因の一つが、ソーシャルメディアとの連携です。主要SNSが次々にライブ動画配信を新機能として追加した流れを受け、盛んに活用されるようになりました。

今や画像や動画投稿機能と同じように、各SNSの標準機能としてどのサービスにも実装されています。PeriscopeはTwitter上で利用可能なライブ動画配信サービスとして、多くのユーザーをかかえています。

2016年の2月にFacebookがライブ動画配信機能を追加し、LINE LIVEが8月に一般向けに機能を公開しました。Periscope自体は2015年からサービスを提供し、海外を中心にユーザーを集めていましたが、2016年12月にアップデートが発表され、Twitter上での利用が可能になりました。これによりPeriscopeの独自のアプリを利用せずとも、Twitterのタイムライン上での視聴が可能になっています。

Periscopeの特徴

ソーシャルメディアと連携された新しい形のライブ動画配信サービスPeriscopeの特徴とは一体どういった点なのでしょうか?

Twitterとの連動性

PeriscopeはTwitterが提供しているサービスのため、当然ではありますがTwitterとの親和性が非常に高いです。ライブ動画はTwitterのタイムライン上で流れるため、通常の投稿と同じように自然な形でユーザーに動画を届けることが可能です。外部サービスのリンクシェアする形ではなく、動画自体がタイムラインに投稿されシェアされるという見え方になっています。

時間のある時にタイムラインを見ていて、気になった投稿があったから見てみるといった通常のユーザー体験の中に、ライブ動画配信を流し込むことができます。
また、通常の投稿と同じようにTwitterのハッシュタグを利用することができるため、既存フォロワーだけでなく興味の近いユーザーにキャッチしてもらえる可能性があります。

スマホサイズの縦動画に対応

Periscopeは配信する側も見る側もスマートフォンを利用していることが多いです。スマホで見ることを想定し、縦方向の動画対応となっていることで、ユーザー側にストレスない仕様になっています。タイムラインからクリックし、アプリから直で見られることも多いので、スマホの向きを変えるなどの手間がないと離脱も少ないと考えられます。

また縦動画のメリットとして、コメント入力欄が画面を邪魔しないことが挙げられます。通常コメント欄は画面下部にあり、クリックすることで呼び出すことができます。横動画であれば、文字入力のメニューが大きく画面を占領してしまうことになります。

360°動画機能

Periscopeを含めソーシャルメディア系のライブ動画配信サービスには、ライブ動画配信がスマートフォンに特化していることから、360°動画との親和性もとても高くなっています。スマートフォン自体を360°動かすことで画面が切り替わります。スマートフォンを持ったまま後ろを向けば、後ろの映像がスムーズに表示されます。配信する側には360°用のカメラが必要になりますが、見る側はVRなどと違いゴーグルを必要としないため、気軽に新しい体験を発信できます。

なぜソーシャルメディアが提供するライブ動画配信サービスが伸びるのか

ライブ動画配信は以前からさまざまなサービスが提供されていましたが、ソーシャルメディアの提供するサービスは何が違うのでしょうか。
まず、これまでのサービスはライブ動画配信のサービス単体で独立していました。UstreamであればUstream、ニコニコ生放送であればニコニコ動画の中だけで、独自のプラットフォーム上で完結してしまいがちです。

それに対し、FacebookやTwitterといったソーシャルメディア自体がライブ動画配信サービスを一つの機能として提供することで、ユーザーの輪が一気に広がります。以前のライブ動画配信サービスがソーシャルメディアを介してシェアされて広がるということはありましたが、あくまで外部リンクを引っ張ってくるというものです。しっかり見るためには別のビューアーアプリを開かないといけないという面倒臭さもあり、あくまで独立した別のサービスとなっていました。

ライブ動画配信の機能自体がソーシャルメディアに組み込まれることで、外部のサービスではなく、ソーシャルメディアの1コンテンツとしてユーザーに提供することができます。この点を理解しておけば、画像や動画、文章などでコミュニケーションを取る現在のソーシャルメディアマーケティングにも十分生かすアイデアが出てくるのではないのでしょうか。

ソーシャルのユーザーに紐づいて、配信設定が可能

ソーシャルメディア上でライブ動画配信が行えるようになって変化した部分として、動画の公開範囲があります。ソーシャルメディアを介すことで、ユーザー単位で公開範囲を設定することができます。
Periscopeの場合は誰でも見られる一般公開の他に限定公開があり、相互フォローのユーザーの中から指定して限定的に公開することが可能です。またFacebook Liveの場合はさらに細かな設定ができ、限定されたコミュニティのみに向けて配信をすることが可能です。

このようにソーシャルメディア上でのライブ動画配信サービスは、ソーシャルメディアのユーザーという単位に紐づいた機能が多く存在しています。不特定多数に配信するのではなく、さまざまな施策をユーザー別に切り分けて配信することが可能です。また、Facebook Liveを利用した社内の情報共有など、業務上で活用できるシーンが増えてきています。

Periscopeをマーケティング利用するならメディア特性を理解する

Periscopeを始めとしたライブ動画配信サービスを、どのようにマーケティングに活用していけばいいのでしょう。
基本的には、通常のソーシャルメディアマーケティングの考え方と変わりません。ソーシャルメディア上で展開されているサービスであれば、通常のコンテンツと変わらず画像、動画などに次ぐ一つの選択肢として考えていいでしょう。

現状、Twitter、Facebook、LINE、インスタグラムなどの主要ソーシャルメディアがそれぞれのプラットフォーム上にライブ動画配信サービスを展開していますが、機能的な差はさほどありません。しかし、それぞれのソーシャルメディアで利用しているユーザーの層が違ってくるため、アプローチできるユーザーの属性が変わってきます。インスタグラムであれば20代女性が強いなど、各ソーシャルメディアの特性を理解することが、ライブ動画配信活用で非常に重要になってきます。

まとめ

依然としてTwitterは莫大なアクティブユーザーを抱えており、多くの人の生活に溶け込んでいます。
自社の魅力を伝える面白いコンテンツを企画し、Periscopeという武器を使って、ぜひ新たなソーシャルマーケティングに挑戦してみてください。