日本国内のSNS利用率は73.5%にものぼり、企業にとっても身近なものになりつつあります。TwitterやFacebookのようなSNSを利用したマーケティングに取り組んでいる企業も多いでしょう。

ですが、いざ自社で行おうと考えていても*「個人でなら使っているけど、企業で使うイメージがつかない」*という方もいるかもしれません。

今回は、経済産業省が発表した『企業のソーシャルメディア活用に関する調査報告書』をもとに、企業がSNSマーケティングに取り組むまでに知っておきたい基本的な知識を解説します。

参考:
企業のソーシャルメディア活用に関する調査報告書を取りまとめました|METI/経済産業省(2020年8月3日時点でページが存在しないためリンクを削除しました)
  

SNSマーケティングが注目されている背景

経済産業省が2016年4月に発表した『ソーシャルメディア情報の利活用を通じたBtoC市場における消費者志向経営の推進に関する調査』では、SNS活用が進むことで、より高度な企業活動が行えるとしています。

では、なぜSNSを利用したマーケティングが現在企業に求められているのでしょうか。その背景には、スマートフォンの普及に伴う、SNS利用率の上昇があります。

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引用:別添3 平成28年情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書|総務省

総務省の「平成28年情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」によると、*SNSの利用率は71.2%*で、2012年の41.4%と比較すると30%近く伸びていることわかります。SNSが身近な存在として利用されるようになったことで、SNSから得た情報が消費者に与える影響も大きくなりつつあります。

また、自社のアカウントを無料で開設できるSNSは企業にとっても取り組みやすいツールの1つです。自社のホームページではアプローチできない顧客に対してでも、TwitterやFacebookのユーザーに対して情報発信できる点は強みといえます。
  

SNSマーケティングのメリット

それでは、SNSを利用したマーケティングには、どのようなメリットがあるのでしょうか。

経済産業省の報告書では、以下の3点が挙げられています。

1. 販売フェーズ:商品情報の提供やプロモーションを実施できる
2. 商品開発フェーズ:SNSに投稿される消費者の声から、ニーズを汲み取れる
3. 海外展開フェーズ:海外のユーザーに対してでもSNSなら直接コンタクトが取れる

では、この3点について詳しく解説していきましょう。
  

1.販売フェーズ:商品情報の提供やプロモーションを実施できる

従来、商品やサービスを消費者に知ってもらうためには、新聞やテレビなどのマスメディアを通じてプロモーションを行う必要がありました。ですが、SNSを利用すれば、広告費やコンテンツの制作費をかけなくても、無料のアカウントから消費者に対する情報発信が行えます。

SNSでは発信した情報に対して、反応が得られるまでの期間が比較的短いことも特徴でしょう。そのため、プロモーションがどの程度見られているかといった反響も計りやすいというメリットがあります。
  

2. 商品開発フェーズ:消費者の反応を知れる

TwitterやFacebook、インスタグラムといったSNSを利用して自社の商品・サービスを調べれば、消費者の意見やニーズを拾い上げることもできます。こうしたSNSの投稿内容から自社の戦略に役立つ情報を調査・分析することを「ソーシャルリスニング」といいます。

参考:
ソーシャルリスニングとは?顧客のリアルな声を分析する方法を理解しよう|ferret [フェレット]

ソーシャルリスニングの具体的な方法についてはこちらの記事で解説しています。

ぜひ合わせて参照してください。
  

3. 海外展開フェーズ:海外からの需要を取り込める

SNSは企業の海外展開にも活用できます。通常、国外の消費者に対して自社の商品やサービスを紹介し、販売するためには地域ごとの現地パートナーの協力を仰ぐ必要がありました。ですが、TwitterやFacebook・インスタグラムといった主要なSNSには、国境はありません。実際、Facebookは世界中に20億人ものユーザーを抱えており、世界の中でも定着しているツールと言えます。

このようにSNSを活用すれば、国外のユーザーにアプローチが行えるだけではなく、ネットショップのようなビジネスの場合は商品の販売にも結び付けることができます。

参考:
[Facebook 月間利用者数が20億人突破 | Facebookニュースルーム] (https://ja.newsroom.fb.com/news/2017/06/two-billion-people-coming-together-on-facebook/)