ECサイトのメディア化（メディアコマース）で集客力アップ！メリットや注意点も解説

近年、ECサイトの市場が拡大され、ただ運営していくだけでは顧客の獲得が難しくなってきました。他社と差をつけたい、伸び悩んでいる売上をなんとかしたいと考えているなら、ECサイトのメディア化がおすすめです。

この記事では、メディアEC（メディアコマース）の概要や活用方法などをまとめました。メリットや注意点も解説しているので、ぜひ参考にしてください。

目次

1. メディアECとは
2. メディアECが重要視される理由
3. ECサイトのメディア化で得られるメリット
4. ECサイトのメディア化で気をつけるべきポイント
5. 集客力の高いメディアECを作るのに必要な機能
6. メディアECを活用して集客力をアップさせよう！

メディアECとは

そもそもメディアECとは、ECサイト（ネットショップ）そのものをWebメディアとして捉える考え方です。商品紹介に留まらず、さまざまなコンテンツを発信することで、より多くの集客を狙います。

メディアECには、大きく分けて3つの種類があります。ここでは、それぞれの特徴や代表的なサイトを見ていきましょう。

コンテンツ型

出典：石けん百科

コンテンツ型は、商品の情報以外に豆知識やコラムなどを掲載し、関心を惹きつけるものです。その業界に関する知識が身につくと、自然に商品にも興味を持つようになり、集客や売上のアップにつなげられます。

代表的なサイトに「石けん百科」があり、「石けん百科のあれこれ」と呼ばれるブログ記事が掲載されています。詰め替えパックの上手な詰め替え方法や、実際に石けんで汚れを落とす様子などを掲載しており、顧客の興味関心を惹きつけているのが特徴です。

デザイン型

出典：北欧、暮らしの道具店

デザイン型はコンテンツ型とは違い、デザイン性の高い写真をメインに使うのが特徴です。テキストで商品の紹介を行うのではなく、映える商品の写真を撮影し、ひと目見るだけで興味を持つようなコンテンツを作成します。

ファッションやインテリアなど、見た目が重視されるジャンルによく用いられる手法です。集客や売上アップにも向いており、多くの企業が取り入れています。

デザイン型の代表としては、「北欧、暮らしの道具店」が挙げられるでしょう。オシャレな写真をいくつも掲載し、コンテンツ下のリンクから該当商品を購入できるようになっています。購入までの導線も計算されており、購買意欲を上手くかき立てています。

SNS型

出典：RICE FORCE

SNS型ではECサイトとSNSを連動させて、集客アップを狙います。SNSでイベントやキャンペーンなどを行い、ユーザーからの共感を得て拡散してもらいます。誰かにシェアしたくなる内容を投稿すれば、多くの人に自社の魅力を知ってもらえるでしょう。

SNS型を取り入れている企業は多くありますが、中でも「RICE FORCE」はFacebookで行ったマーケティングが功を奏して認知度をアップさせました。

商品の購入を促すだけでなく、何気ない日常を投稿することで身近な存在をアピールしています。

メディアECが重要視される理由

近年、メディアECが重要視されるようになってきましたが、その理由としては顧客の求めるものに変化が生まれたことが挙げられます。

ブランドの価値や顧客体験などが重要視されてきており、その結果としてメディアECが注目されるようになりました。

今まで求められてきた安さや製品の質よりも、ブランド自体の価値が重要視されています。特にデザイン型はブランディングには最適な手法で、「オシャレ」「可愛い」などのイメージを顧客に持ってもらえるようになるでしょう。

そもそもメディアECの目的は、集客と顧客とのコミュニケーションの2つがメインです。メディアECの目的を念頭に置きながら、運用方法を考えていく必要があります。

ECサイトのメディア化で得られるメリット

ここでは、ECサイトのメディア化で得られるメリットを3つ紹介します。

SEO対策による集客力アップが期待できる

サイト内に掲載するコンテンツには、SEO対策を施すのが基本です。そのため、商品を販売するだけのECサイトでは得られなかったSEO対策による集客が狙えるようになります。

この効果を得るためには、キーワードの選定が重要です。サジェストキーワードや共起語などを取り入れ、自然検索から流入してもらえるように工夫しましょう。

ただ、やみくもにコンテンツを作成するだけでは集客力のアップは狙えません。SEOからの自然流入を狙うのであれば、SEOに関する知識もつけておく必要があります。自身でコンテンツを作成できない場合は、専門のライターに外注するのもひとつの手です。

ファンを獲得できる

2つ目のメリットとして、自社のファンを獲得できる点が挙げられます。ブランドコンセプトに則ったコンテンツを作成すれば、多くのファンが獲得できるでしょう。ロイヤリティが高まれば、リピーターの獲得にもつなげられます。

また、オシャレな写真やためになるコンテンツは購買意欲を高めるので、売上アップも期待できます。ブランドそのものに価値を感じてもらえると、他社と比較した際に自社を選んでもらえる可能性も高くなるはずです。

動画で商品情報を詳しく伝えられる

ECサイトのメディア化によって、今まではテキストや写真でしか伝えられなかった商品情報を、動画を使って詳しく紹介できるようになります。実際に商品を使っている動画を用いたコンテンツを作成すれば、使用イメージもわきやすくなるでしょう。

また、商品の使用感が分かりやすくなれば、商品理解が深まることになります。ユーザーはよく分からないものよりも、深く理解できていて使いやすそうなものを選ぶ傾向があります。

そのため、コンテンツの作成によって商品理解が深まれば売上のアップにつなげられます。

ECサイトのメディア化で気をつけるべきポイント

ECサイトのメディア化では多数のメリットが得られる一方で、気をつけるべきポイントがあります。ここでは、3つの注意点について詳しく見ていきましょう。

効果が出るまでには時間がかかる

コンテンツの作成では、SEO対策が必要になります。SEOに関する知識が必要なのはもちろんですが、Googleからの評価を得られるまでには時間がかかると覚えておきましょう。

正しく対策を施したからといって、すぐに効果が出るわけではありません。取り入れてすぐに効果を期待するのではなく、長い目で見ながら良質なコンテンツを増やしていきましょう。

負担が大きくなる

メディアECに掲載するコンテンツを継続的に作成するのには、それなりの労力がかかります。コンテンツ制作者の負担が大きくなり、行わなければならない作業も増えてくるため、先に体制を整えておく必要があります。

担当者を増やしておくなど、メディア化に備えて準備をしておきましょう。特に動画や写真を多く盛り込むコンテンツでは、撮影や編集の手間が大きくなります。

知識や技術のある担当者がいるかどうか、負担が増えすぎないかなどを事前に確認しておくのがおすすめです。

ECサイトの利益を意識する必要がある

ECサイトのメディア化は集客や顧客とのコミュニケーションが目的ですが、その根底にあるのは利益を出すことです。コンテンツを制作する際は、利益につながるかを常に意識しましょう。

ただし、すぐに利益を出そうとするのではなく、見込み客を育てるといった視点も重要です。そのためには、コンテンツによって楽しませることも重要なので、バランスを見ながらコンテンツを作成していきましょう。

集客力の高いメディアECを作るのに必要な機能

集客力の高いメディアECを作るためには、デザインの自由度やSNSとの連携などが必要になります。また、レコメンド機能など機能面にも注目しましょう。

デザインの自由度

ECサイトのデザインは、ついついテンプレートに頼ってしまいがちです。しかし、自社の魅力を最大限にアピールし、ブランディングを行うのであればデザインの自由度は優先するべき項目でしょう。

テンプレートが充実しているものを使うだけでなく、カスタマイズ可能なものを活用するのもおすすめです。自社らしさを出せるようなデザインを心がけ、上手くブランディングをしていきましょう。

ブランドの世界観を生み出せると、リピーターの獲得にもつながります。

SNSとの連携

次に重要になるのが、各SNSとの連携です。SNSにはさまざまな種類があるため、自社のターゲット層に合うSNSを選んで連携させましょう。SNSではキャンペーンやイベントの告知を行い、集客やアクセス数のアップを狙います。

例えばInstagramは若い女性が多く利用する傾向にあり、写真映えする商材に最適です。Facebookは実名登録制度があるため、精度の高いターゲティングを行えます。

このように、SNSごとに強みが異なるため、しっかり見極めて運用しましょう。

ブログ機能と連携

ECサイトのメディア化を行うのであれば、ブログ機能との連携は必須です。ブログ機能の中でも有名なWordPressとサイトを連携しておけば、多彩なコンテンツを作成できるようになります。

WordPressには多くのプラグインが用意されているため、必要に応じて取り入れておきましょう。プラグインを使用すれば、より魅力的なコンテンツが手軽に作成できるようになります。

強固なインフラ

ECサイトをメディア化して強化するのであれば、必然的にサイトへのアクセス数が増加します。その際、サーバーには大きな負担がかかるでしょう。

サーバーダウンが起こると機会損失や信頼の低下につながるため、強固なインフラを作っておくことも重要です。メディア化を進める前に、インフラの整備を行いましょう。

レコメンド機能

ECサイトのメディア化において、レコメンド機能は必須といえます。レコメンド機能とは、サイトへのアクセス履歴などの情報を収集し、ユーザーが興味を持ちそうな商品の中でまだ見ていないものを表示させる機能です。

これは手動でできるようなことではないため、レコメンド機能を導入して自動で行うのがおすすめです。アップセルやクロスセルには欠かせない機能なので、ぜひ導入を検討しましょう。

1人あたりの売上が伸びれば、会社全体としては大きな売上アップにつなげられます。

メディアECを活用して集客力をアップさせよう！

メディアECとはどんなものなのか、その種類やメリットについて紹介しました。ECサイトをメディア化することで得られるメリットはたくさんありますが、実装するとなると想像以上に時間がかかります。

しかし、ECプラットフォームを活用すれば手間が省ける部分もあるでしょう。ぜひ本記事の内容を参考にしながら、ECサイトのメディア化に一歩踏み出してみてください。