日々さまざまな仕事をしたり、プロジェクトを動かしていく中で、「この仕事だけでいいから誰かにやって欲しいな」と思うことが多々あるのではないでしょうか。
プロジェクトを動かす上で重要なパートでない、ほんの些細な作業のためにアルバイトを雇ったり、外注先を探して契約すると割に合わないという小さな仕事に手を焼いている方も多いでしょう。そんな時はクラウドソーシングの利用を検討してみましょう。

ただ、クラウドソーシングは、その特性上向いている仕事と向いていない仕事があります。
今回は、クラウドソーシングに適した仕事・適していない仕事をご紹介します。

クラウドソーシングとは?

クラウドソーシングとは、ネットを介してさまざまな仕事の受発注ができるサービスです。
非対面でも不特定多数の働き手に対して仕事を発注でき、条件交渉、契約、納品、検収、報酬の支払いを全てWeb上で完結させることができます。

この仕組みにより、フルタイムで働くことのできない人やフリーランスがWeb上で気軽に仕事を受注することができます。
さまざまな仕事の受発注をマッチングするプラットフォームとして、近年多くのサービスが提供されています。

参考:
猫の手も借りたい時に!クラウドソーシング主要サービスを比較|ferret [フェレット]

発注者がクラウドソーシングを利用するメリットは?

発注側も面倒な手続きをすることなく、細かい仕事を頼むことができます。
また、外注先を探す手間やアルバイトを雇うなどのコストなどを削減することが可能です。

見積書や発注書といった契約関係の書類を作成や、納品書や請求書などのやりとりもプラットフォーム上で完結するため、経理総務担当の手間も取らせないことが魅力の1つでもあります。

発注できる仕事も、デザインや開発、ライティングなどの制作だけでなく、データ入力などの単純作業など多岐に渡ります。
クラウドソーシングというと、WebライティングやWebデザインなどWeb関係の仕事しか依頼できないイメージを持たれている方が多いかもしれません。
実際は、かなり幅広いジャンルの仕事を依頼できます。
普段何気なくルーティンでやっている単純作業も、切り出して外注することもできるのです。

クラウドソーシングに向いている仕事

クラウドソーシングで仕事を発注するのに適しているのは、実は単純作業です。
クラウドソーシングに登録している人は、現役バリバリに活躍しているクリエイターから空いた時間の副業感覚で登録している主婦など多岐にわたります。

デザインやライティング案件でない単純作業であれば、経験の少ない主婦の方などでも簡単に作業することができ、スキル上の制約がないためワーカーのアサインに困りません。クラウドソーシングでは以下のような単純作業が発注されています。

簡単なアンケート

クラウドソーシングでは、簡単なアンケートなども多く募集されています。大規模なマーケティング調査でなく小規模で簡単なデータが取りたい場合に、わざわざ調査会社に頼んでしまっては金額感が合わなくなってしまいます。

また自分でフォームを用意しても、答える動機付けをさせるインセンティブを用意することに手間取る場合もあります。クラウドソーシングであれば数十円単位でも報酬金額として設定することができ、集まった回答をCSVファイルに落とすこともできるため、気軽にしっかりと回答を集めることが可能です。

簡易なブレスト・アイデア出し

何かの企画会議をする際に、プロジェクトメンバーだけでは中々いいアイデアが出ないといった状況に陥るのはよくあることです。また、主婦向けの企画を考えないといけないところ、男性社員しかいないといった状況もあるでしょう。

簡易アンケートと同じ感覚で、不特定多数にブレインストーミングに参加してもらい、チーム内になかった視点の意見を取り入れてみると、斬新な企画が浮かんでくるかもしれません。

データ入力などの単純作業

Excelなどを使ったデータ入力やデータの整理など、誰でも簡単にできる作業はクラウドソーシングを活用すると便利です。1日2時間程度の作業でも、手が開けば新しい企画を練ったり提案を考えたりする時間を作ることができます。

また、単純作業の数をこなしているスピードが上がっているワーカーもいるため、効率よく仕事をこなしてくれる場合もあります。

クラウドソーシングに発注するのに不向きな仕事は?

クリエイティブ系の仕事はディレクションスキルが求められるため、逆に手間になる場合も

クラウドソーシングは気軽に受発注ができるといっても、難しい面も多くあります。非対面とはいえ、仕事は人と人とのコミュニケーションで成り立つため、プロジェクトの進行管理や指示出しのスキルは当然重要になってきます。

単純な作業でなく、デザインや開発などの仕事の場合、ディレクターとして人に動いてもらうプロジェクトマネジメントの能力がなければ中々うまくいきません。非対面だからこそ、より綿密なコミュニケーション能力が求められます。

要件を的確に伝え、欲しいデザインの方向性を理解してもらい、修正があれば的確な指示を出すといったフローは、クラウドソーシングであれど通常の外注となんら変わりはありません。

ライティング案件の場合、校正や編集のスキルが求められます。
寄稿先メディアの特性やトンマナ、読者のペルソナなどをしっかり理解してもらえないまま執筆され、細かな修正が必要となる場合があります。また、非対面個人とのやりとりのため、事実確認やコピペのチェックはよりしっかり行わなくてはなりません。もし無断転載した記事を採用してしまった際に、責任の所在で問題になることもあります。

クラウドソーシングに発注する際の注意点

クラウドソーシングは簡単に受発注ができるサービスとして便利な点も多いですが、仕事のやり取りになる以上注意しなくてはいけない事項も多く存在します。

ワーカーのスキルにはバラつきあり

クラウドソーシングというサービスの特性上ワーカー側が誰でも登録できることもあり、パソコンを使った仕事に慣れているかは人によってマチマチになってしまいがちです。そのため、単純な作業を発注する際にも、作業工程を細くブレイクダウンして、誰でも簡単に理解できるように説明する必要があります。

また、デザインや開発の仕事でも、スキルの習熟度は人それぞれであり、成果物やコミュニケーションの面でも齟齬が生まれるリスクがあります。

セキュリティ上の問題

たとえ単純な作業であっても、機密性のあるデータを扱う仕事はクラウドソーシングには向きません。

案件の相談の際に、秘密保持契約(NDA)を締結することはできますが、情報漏洩の恐れがある仕事をクラウドソーシングに発注するのは避けるべきです。全てのワーカーさんがセキュリティ対策万全の状態で作業をしているわけではありません。

信頼できる人を探す必要がある

クラウドソーシングには、与信の情報が少ないことが注意点の1つです。プロフィールをどの程度公開しているか、ポートフォリオを公開しているかなどは人それぞれになっています。

そのワーカーがどの程度信頼できるかは、主にクラウドソーシングプラットフォーム上での実績や、他アカウントからの評価で判断することになります。
また実際に発注した後に、納期を守らなかったり、途中で連絡が取れなくなるなどの事態が起きるなどのリスクがないわけではありません。

まとめ

クラウドソーシングは便利な面もあれば、管理が大変な面、リスクとなりうる面もあります。
今回ご紹介した内容は全体的な傾向をまとめたものなので、もちろん例外もあります。
信頼できる
一長一短な部分を理解しつつ、賢くクラウドソーシングを活用して、効率よくプロジェクトを進めていきましょう。