デザイナーがデザインを行うときの必須ソフトウェアといえば、Adobeのフォトショップ(Photoshop)やイラストレーター(illustrator)といったソフトです。

特にイラストレーターは、ベクターデータを取り扱うソフトウェアとして数多くのデザイナーが利用しており、現在でもベクターソフトの分野で不動の地位を築いているといっても過言ではありません。一方、これまでもイラストレーターの代替としてさまざまなオープンソースのソフトウェアが登場してきました。

最も有名なのがInkscapeで、2011年の登場から現在までベジェ曲線やスピロ曲線を描く無料ソフトとして多くのユーザーに利用されてきました。ただし、イラストレーターに比べると、まだまだ足りない機能が多かったために、満足のいかなかった方も多いのではないでしょうか。

そこで今回は無料のソフトながらもイラストレーターに劣らないソフトウェア「Gravit Designer」をご紹介させていただきます。GravitはMacやWindows、Linuxだけでなく、ChromeをはじめとしたWebブラウザでも動くベクター編集ソフトです。使ってみると、「あれ、Illustratorはもう必要ないかも・・・?」と思ってしまうほど、機能も充実しています。

21世紀を代表するベクターソフト「Gravit Designer(グラビットデザイナー)」

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スクリーンショット:2017年10月

Gravit社は、デザイン界に革命を起こそうとしている小さなスタートアップです。今回ご紹介する*「Gravit Designer」のほか、驚くほど簡単にデザインセンスのあるカードやヒーローヘッダー、アイキャッチ画像を作成することができるCanva風のソフト「Gravit Klex」、作成した画像をクラウド上で共有することができる「Gravit Cloud」*をプロダクトとしてリリースしています。

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スクリーンショット:2017年10月

その中でも同社の代表的な製品が、ベクターデータによるグラフィック作成ソフトウェアである「Gravit Designer」です。画面のデザイン作成、ハイクオリティなアイコン作成、ハイセンスなプレゼンテーション作成、イラストレーションの作成、プロトタイプの作成と、使用できる用途は多岐に渡ります。

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スクリーンショット:2017年10月

インターフェイスも洗練されており、Illustratorと同じようにデザインに最適化された小ウィンドウにより、さまざまなプロパティを設定することが可能です。

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スクリーンショット:2017年10月

レイアウトも自由自在です。
px・mm・cmなど、さまざまな単位に対応しています。
作成したデータはPDFやSVGにもエクスポートできるので、ビジュアルデザイン以外でも活用することができます。

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スクリーンショット:2017年10月

macOS・Windows・Linux・Chrome OSのほか、Webブラウザ上でも操作できます。

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スクリーンショット:2017年10月

iPadとAndroidタブレットアプリケーションも間も無くリリースされる予定です。

Gravit Designer(グラビットデザイナー)を使ってみよう

それでは早速、ダウンロードから基本操作までの簡単な流れを確認していきましょう。

ダウンロード・インストール

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スクリーンショット:2020年9月
Gravit Designerのホームページの右上に「Download」ボタンがあります。クリックして、ダウンロードを行いましょう。

macOSの場合は、AppStoreが開きます。そのままダウンロードをすれば、ダウンロード完了後Launchpadにアイコンが表示されます。クリックして起動しましょう。
Windowsの場合は、ファイルを解凍して、インストールを行います。

2. 起動してキャンパスサイズを設定

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スクリーンショット:2020年9月

Gravit Designerを起動すると、このような画面が登場します。
新しいデザインをテンプレートのキャンバスサイズから作成したり、他のテンプレートから選んだり、Gravit Cloudから画像ファイルを読み込んだりすることができます。

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スクリーンショット:2020年9月

各項目をクリックすると、同一カテゴリのその他のサイズも選択することができるようになっています。

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画像引用元:Gravit

画面構成は、上記画像のようになっています。上側にメニューバー・ツールバー、左側にページパネル・レイアウトパネル、右側にインスペクター、中央にキャンバスとページが配置されています。現在は日本語にも対応可能ですのでより直感的に使用できるようになっています。

Edit > Settingsで構成を変えたり、ダークカラーテーマを切り替えたりすることができます。

3. レイアウトを始めよう

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スクリーンショット:2017年10月

後の使い方は、Illustratorとほぼ同じです。Illustratorと違ってツールバーは上側にあるので、ここからテキストやベクターラインを追加したりしていきます。

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スクリーンショット:2017年10月

このように画像やテキストを加えて配置することもできます。

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画像引用元:Gravit

また、このようにプロトタイプ画像を作成したり・・・

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画像引用元:Gravit

自分の顔の画像からアバターアイコンを作ったりすることもできます。

Gravit Designer(グラビットデザイナー)をフル活用しよう

ここまでご紹介したように非常にシンプルに始めることができるのが、Gravit Designerのメリットです。また、オンラインで利用できるためブラウザが使えれば外出先でも編集できる点(クラウドストレージに500MBまで利用可)、ローカルにもファイルを保存できる点、よく使うJPEG、PNG、PDFの形式でエクスポートできる点なども良い特徴と言えます。

Gravit Designerでは、さらに使いこなしたい人のために、チュートリアル動画が作成されています。これらの動画を確認しながら、使い方をマスターしてみるのもいいでしょう。Gravit Designerは非常に高機能なため、プロでもしっかりと使えるようになっており、なおかつ無料です。Illustratorを購入しようか迷っている方は、まずはGravit Designerを使ってベクターソフトの練習を行うのもよいでしょう。

より簡単にデザインレイアウトを行いたい場合には、Gravit Klexも合わせて使ってみるといいでしょう。デザインにかかるコストが格段に下がっているため、これを逃す手はありません。

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