ライターや編集者など文章に携わる方にとって、いかに使い勝手の良いテキストエディタを選ぶかが非常に大切です。特に、現場に出て取材を行うライターであれば、様々な環境で快適に執筆できればと考えている方もいるのではないでしょうか。

例えば、デスクや取材先で原稿を執筆するときはPCを利用し、取材現場への移動時間はスマートフォンで簡単な下書きや文章構成を行うこともあるはずです。

「PCとスマートフォン」「Mac OSとWindows」「iOSAndroid」のように、複数のデバイスを利用し、かつそれらのOSが異なる場合、確認作業とテキストデータの転送に手間が掛かります。

移動時間などで効率的に仕事を進めようとしても、執筆環境がバラバラであることにストレスを感じることはありませんか?

そういった執筆環境の違いから生じる手間を解消できるテキストエディタがあります。それが、「Simplenote」です。あらゆるデバイスOS、Webブラウザで同期でき、移動中にスマートフォン作った文章構成をPCで執筆するといった使い方ができます。

今回は、「Simplenote」の基本的な使い方をご紹介します。

Simplenoteとは

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https://simplenote.com/

「Simplenote」とは、デバイスOS問わず横断的にテキストを同期できる無料テキストエディタです。

PC版アプリ、スマートフォン版アプリ、ブラウザ版それぞれ提供されており、メールアドレスとパスワードを登録するだけで利用できます。提供されているOSは下記の通りです。

・iOS
・Android
・Mac OS
・Windows 
・Linux(.deb)
・Linux(.tar.gz)

Simplenoteは、その名の通り、機能は非常にシンプルで「テキスト入力」を快適に行うことに特化しています。ノート(テキストファイル)のタグによる分類、作成したテキストのメールで送信ができるほか、マークダウンにも対応しているためWebライターにとって使い勝手の良いテキストエディタと言えるでしょう。

Simplenoteの基本的な使い方

次に、Simplenoteの基本的な使い方をご紹介します。この記事では主に、Mac OS版、iOSアプリ、ブラウザ版を用いて解説します。

テキストを入力する

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Simplenoteを立ち上げると、3つのカラムが表示されます。

左から、タグ・ファイル・エディタと分かれています。中央上部の「+」をクリックすることで、新規のエディタが開きます。そして、右カラムのエディタに文章を入力しましょう。作成したノートは中央にストックされていきます。

タグ付けでジャンルやテーマを分類する

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ノートが溜まってくると、過去のファイルを遡りたいとき探しづらいと感じることがあるかもしれません。そこで、ノートごとにタグ付けを行うことで、ジャンル別に整理することができます。

右カラムのエディタ下部に「Add a tag…」という入力フォームがあるため、任意の単語を入力してみてください。すると、左カラムに新たなタグが追加されます。ジャンルや媒体、用途に合わせて分類してみましょう。

エディタの背景色を暗色にする

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Simplenoteは初期設定では白背景ですが、ダークカラーに変更することができます。メニューから「View」→「Theme」→「Dark」を選択することでダークカラーになります。

ダークカラーの背景を利用することで、屋内イベント取材でPCのモニターの光を抑えることができる他、長時間作業をする時の目への負担を軽減できるでしょう。

ブラウザで利用する

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ブラウザ版は、「Simplenote」にアクセスし、「Sign in」から自身のアカウントへサインインすることで利用できます。アプリ版で作成したノートが全て同期されているため、作業途中でデバイスを変更しても対応できるのが特徴です。

ブラウザ版を使ってマークダウン記法で執筆する

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Simplenoteのブラウザ版では、マークダウン記法を用いた際、プレビューを表示させることができます。エディタカラムの上部にある「i」をクリックします。すると、ファイルの概要のポップアップが表示されます。

概要画面にある「Markdown Formatted」をクリックすることで、マークダウンのプレビュー画面が表示されます。Webライターであれば、入稿前のチェックとして活用できるでしょう。

Simplenoteユーザーと共同編集を行う

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Simplenoteは、同サービス利用者であれば共同編集として自身のノートに招待することができます。共同編集は、エディタ画面右上にある「・・・」というメニューがあります。その中にある「Collaborate…」をクリックしてみましょう。

すると、先述の「Add a tag…」にメールアドレスの入力を求めるポップアップが表示されます。タグ入力欄に共同編集を行いたい方のメールアドレスを入力するだけで完了です。

iOS版アプリを利用して執筆を行う

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iOS版のSimplenoteは、1カラム表示になっています。アプリを開くとノートの一覧が表示されるので、編集または追加したいタイトルをタップすることで編集が行えます。

タグ一覧を表示する際は、ノートの一覧を右方向にスワイプすることで表示されるため、任意のタグを選択してみましょう。

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テキスト編集画面では、標準でマークダウンのプレビュー画面を表示させることができます。テキストの入力を終えたら、エディタ画面を左方向にスワイプすることでマークダウン反映済みのページが表示されます。

まとめ

Simplenoteは、様々なデバイスOSで同期できるテキストエディタです。テキストを入力できるクラウドツールといえば、「Evernote」やMicrosoftの「OneNote」が代表的ですが、それらのツールと異なる点は、良くも悪くも「テキスト入力」に特化しているということが挙げられます。

その他のファイルの同期などは一切できませんが、文字カウントや背景色の変更、マークダウンへの対応などライティングを行う上であると便利な機能に絞られています。

ライターであれば、業務で利用する原稿をSimplenoteへ集約するというのも手段でしょう。媒体やジャンルに合わせてタグで分類することで原稿の整理も簡単に行えます。無料で利用できるため、テキストエディタ選びに迷っている方であれば、一度試してみてはいかがでしょうか。