OSの構成

OSを構成するプログラムとして、代表的なものとして4つが挙げられます。これらを理解することで、OSの仕組みをより詳しく把握することができます。

【1】ブートローダー
【2】カーネル
【3】デーモン
【4】シェル

【1】ブートローダー

ブートローダーは、パソコンの起動直後にOSを起動させるためのプログラムです。ブートは「起動」、ローダーは「ロード(読み込み)」を意味しています。

私たちがパソコンを起動すると、まずBIOS(ブートローダーを起動させるためのプログラム)が起動します。BIOSによってブートローダーが起動し、ブートローダーがOSを起動させます。

【2】カーネル

カーネルは、ハードディスクやメモリなどの周辺装置を管理するプログラムです。カーネルは「」を意味しています。パソコンを動作させるための根幹となる管理を行うため、OSの中核的存在といわれています。

カーネルの主な機能は、以下6つです。

1:プロセス管理
2:空間管理
3:時間管理
4:割り込み管理
5:ファイルシステム
6:ネットワーク

参考: [第1回 カーネルの機能とその利用法|ITPro](http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/COLUMN/20080501/300464/)

【3】デーモン

デーモンは、ユーザーの操作にすぐ対応できるよう、常に待機しているプログラムです。 デーモンと聞くと「悪魔」という意味を想像してしまいがちですが、このデーモンは「守護神(daemon)」の意味を表しています。Mac(OS X)とWindowsでは、「サービス」と呼ばれます。

相手からメールやチャットなどが送信されると、すぐに受信して通知してくれるのがデーモンです。

【4】シェル

シェルは、人からの入力をパソコンに伝えるプログラムです。カーネルを操作するプログラムでもあります。Windowsでは「コマンドプロンプト」、Mac(OS X)では「ターミナル」というアプリを使って利用します。

サーバー構築や開発環境の構築で使われます。

OSの機能

次に、OSの機能についてみてみましょう。OSの主な機能は、以下5つです。

【1】マルチタスク機能
【2】メモリ管理
【3】デバイス管理
【4】ファイル管理
【5】API

【1】マルチタスク機能

近年のOSは、マルチタスク機能を搭載しています。一度に行われる複数の命令の実行を管理しています。例えば、インターネットブラウザで検索しながらメールを送信できるのは、マルチタスク機能によって可能となっています。

【2】メモリ管理

OSは、USBメモリなどの外付けハードウェアを見やすく表示させる機能があります。本来、パソコンと外付けハードウェアは構造が異なっているため、そのままでは表示も分かりにくくなってしまいます。その表示を見やすくし、ユーザーがストレスなく操作できるように管理しています。

【3】デバイス管理

デバイスとは、パソコンに接続する周辺機器の総称のことです。キーボード・マウス・ディスプレイ・プリンタなどのことを指します。OSは、キーボードに入力した文字のディスプレイへの表示や、データのプリンタへの接続などを管理します。

【4】ファイル管理

*パソコンに保存したデータをファイルに振り分けたり、ファイルを管理したりします。*Windowsでは「フォルダ」、Mac(OS X)では「Finder」を利用します。ファイルには階層があるため、OSが構造的に管理します。

【5】API

APIとは、「Application Programming Interface(アプリケーション・プログラミング・インターフェース)」の略で、あるOSでのアプリケーションを開発する際に利用できる、プログラム上の機能や方法のことです。

例えば「Windows」でアプリケーションを作る際、開発者の誰もがWindowsの「フォント」や「ウィンドウ」を共通して利用できます。そのため、開発工数の削減に繋がります。また、ほとんどのアプリがAPIを使って共有した機能で開発しているため、利用者も慣れることができ、容易に操作できます。