増えている?実店舗を使った「体験」マーケティング

リアルな店舗空間で、実際にサービスを体験する*「体験型」のマーケティング施策*は、昨今増加傾向にあります。

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スクリーンショット:2017年11月

2017年10月20日(金)〜29日(日)には、Amazon.co.jpが期間限定のバー「Amazon Bar」を東京・銀座にオープンしました。

このAmazon Barでは、Amazonで販売されている豊富な品揃えのお酒を体験できるとともに、未発売表品の試飲会など、日替わりの特別イベントも開催されました。

メニューはなく、専用の注文用端末で好みのカテゴリーを選び、その後「今の気分」についていくつかの質問に答えるだけで、その時の気分にあったものを商品として提供してもらえるという、斬新なオーダーシステムを取り入れたことで、注目を集めました。

また、「#AmazonBar」のハッシュタグ入りでSNSに店内の写真を投稿すると、特典として生ビールやハイボールなどが無料で1杯提供されるというSNS施策も功を奏し、多数の人が訪れました。実際にAmazon Barで提供したお酒は、Amazon.co.jpでも購入できるので、Amazon BarはAmazonでお酒を購入するという大きなアピールにつながりました。

2018年以降は、オンライン・オフラインにかかわらず、このようなユーザー体験(UX)を基軸としたマーケティングが主流になるでしょう。「UX」はオンラインサービスやプロダクト自体に関連した用語だと考える人もいるかもしれませんが、広い意味で*「生活に溶け込んだ体験」*を生み出す企業が増えています。


2017年11月8日撮影 / Ryo SAKAI (C)

Google Home Miniも、山手線の車内広告やテレビCM、インターネットマーケティングだけではなく、このようなリアル店舗型のマーケティング活動を行うことで、ミレニアム世代やジェネレーションZ世代にも響くマーケティング方法を採用しています。

こうした世代は、旧来の宣伝方法で何が「広告」であるかを瞬時に見抜いてしまうある種の「目利き」なので、こうした宣伝を避けようとする傾向があります。しかし、「体験」をとおして「共感」を経て、エンゲージメントを高めることができれば、実際の購買に繋がる可能性が高くなるのです。
  

まとめ

期間限定で、場所も限定されることで付加価値を生み出しつつ、その場でしかできない「体験」を提供する

これこそが、2018年以降のマーケティングの主流になる、ということを、Google Home Miniのドーナツショップが垣間見せてくれます。

今やインターネットでホームページを開くだけでは、カスタマーが集まらない時代です。そんな時に、「体験」を生み出すマーケティング戦略を考えてみるのはいかがでしょうか。