「成功体験」を重ねることが「伝える」苦手を克服するカギ

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飯髙:
その中でも、「伝えられる」人がいないわけではないですよね。僕の場合、学生の頃ずっとサッカーをやっていて、ランクの高いクラブに在籍していました。そこで「自分の意見が無いことは“悪”だ」という教育を受けたんです。澤さんのおっしゃる「教育」と通ずるなと感じたのですが、何か共通の枠組みのようなのがあるんですかね?

澤 氏:
それは「成功体験」ですね。特に、サッカーは瞬時に成功体験を得られます。アイコンタクトを上手く取って、パスからシュートにつなげ、ゴールを決めた。これはコミュニケーションがあって成り立った成功体験です。失敗の影響もダイレクトに届きますよね。高ランクのクラブであれば、成功も失敗もその要因を全て言語化して説明できたのではないかなと思います。
  

「緊張はしないが油断も絶対にしない」澤 氏が意識していること

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飯髙:
言語化して理解することってあらゆるシーンで重視されると思います。ところが、「プレゼン」となると、いくら言語化できても緊張感であったり、事前の準備であったり様々な要因が影響するじゃないですか。

僕はイベントに登壇させてもらうこともあるのですが、すごく緊張してしまうんですよね。だからこそ、10分間とあらかじめ決まっているのであれば、その時間ピッタリでプレゼンを決めたい。だからこそ、そのための練習を怠らないようにしています。話慣れたテーマで緊張を一切しないと逆に上手くいかないこともあったり……。

澤 氏:
私は、ほとんど緊張しないのですが、「緊張しない」というのと「油断する」というのは大きな違いがあるんですよね。私も油断したら失敗します。「動くはずだったデモンストレーションが動かない」とかが起きたり。

成功体験と同時に失敗体験もしているんですよ。でも、ちょっとしたミスが起きても修正する機会になります。そういう見方を自分自身ができるかどうかですよね。決して自分は完璧じゃないぞと思えることは大切なポイントだと思います。

飯髙:
ミスをして修正する。自分自身で反省して次に活かすことが大切な一方で、失敗した後、落ち込んだまま時間だけが過ぎてしまうという方もいますよね。反省の活かし方で心がけていることはありますか?

澤 氏:
私がやっているのは、ミスを発信することです。SNSで「こんな失敗をしました」「思ったとおりにいきませんでした」と正直に言うんです。このミスはどの程度バレているのか、影響を与えているのかを計るためにも、発信に対するフィードバックを受け止めます。

飯髙:
僕も澤さんと近い考えかもしれません。Twitterが大好きで、通算で11万ツイートくらいしているんです。人にお会いした時、何か体験した時はすぐツイートしちゃうんですよね。

そこで、フィードバックや良い言葉を貰うことがあります。思ったことを発信しないことがもどかしいので、まず発信するようにしています。結果として多くの良質なインプットを貰えるんです。

澤 氏:
発信する事って、一周回って良いインプットになって返ってきますよね。「プレゼンがどうやったら上手くなるのか?」と聞かれるのですが、座学で勉強しているくらいならとにかく自分から発信しましょうと答えています。