「“聞き終えた後の行動”を想像して伝える」澤 氏・飯髙が語るファンを生むための心構え

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飯髙:ファンを生むためには、「共感」が非常に大切なキーワードになると思います。澤さん自身が共感を生むために心がけていることはありますか?

澤 氏:共感といえば、アメリカのAmazon.com, Inc.のCEOである、ジェフ・ベゾス氏の言葉が印象的です。それは、「徹底した顧客主義」というもの。

この言葉は、決して「お客様は神様です」っていう綺麗事を述べているんじゃなくて、あらゆるニーズを理解して顧客との信頼関係を構築することを指しているんです。購入した人がどうなったらハッピーになるのか、「販売」よりもさらに先の視点を持っている。これは、共感を生むために絶対必要です。

飯髙:たしかに、商品の販売ではなく、その先の体験が必要だなと思います。僕が言うのも偉そうなのですが、時代は繰り返しているなと。マーケティングには「物を売るな体験を売れ」という言葉もありますが、何年経っても変わらないなと思っています。

ユーザーの行動や可処分時間の使い方が変わっていますが、「体験」で人は動くと感じるんです。こうした体験が、共感を生むために重要だと思っています。

僕自身、感覚として「体験すること」を日頃から意識していて、その体験が良ければ人に広めることをしています。共感を生むための第一歩ですね。

澤 氏:飲食店などが典型ですよね。「美味しい」という体験をしたら、また行きたいと思えるし、人に広めたいと感じる。それに、「ミシュランガイドに掲載されているから行こうよ」と「この前行ったお店が美味しかったから行こうよ」と誘われたら、後者を選ぶと思いませんか?信用できる人であればなおさらです。体験した事は嘘をつかないからです。
  

「伝える」上で前提となる“関係構築”にSNSが活用できる

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飯髙:そういう意味では、SNSの誕生は大きな出来事ですね。友だちが言っているとか、料理好きがオススメしているからとりあえず行ってみようとか。そういった影響が現れやすい環境になりました。

澤さんはFacebookやTwitterで発信されていますが、SNSを利用して何か新しい気付きを得たりビジネスに活きたことはありますか?

澤 氏:SNSを利用することで、私自身の「キャラ作り」がある程度済むようになりました。初対面の人に会う時でも、人となりや考え方が既に知られている状態になります。なので、仕事を受ける時も「(以前SNSで発信した時のような)あの時の感じでプレゼンをお願いします」と依頼されます。

SNSを見てもらっているのであれば、私が今どういった活動をしているかの説明を省くことができるんです。そこは大きいと感じています。

飯髙:キャラ作りができるというのは非常に共感します。僕は去年1年間で14メディアくらいに取り上げていただきました。その際、毎回カーディガンを巻いていたんですよ。SNS上でシェアされた時のイメージ付けが大切だと思っていました。

ferretは、BtoB向けのマーケティングメディアなんですけど、そこの創刊編集長がちょっとチャラいイメージっていうのが面白いなと思っています。

ferretのナンバー2とナンバー3は真面目な雰囲気なので、3人でアポイント先に訪問する時、私1人だけ雰囲気が違うんです。すると、良い温度感が作り出せるんですよね。何らかの印象を与えることでビジネスのスピードが速くなると感じています。

澤 氏:自分自身をアイコン化するというのは良いですね。まさに、SNSを活用することで事前に伝わっている状態が作り出せます。ただし、その分の責任が伴いますけどね。

日本の企業は、相手よりも社内の上司に対してものすごく気を遣いますから。「この人を上司に会わせて大丈夫かな?」と。でも、あらかじめSNSやプロフィールを共有することで、この人と知り合いのようですっていうのが伝わります。

すると、「あの人と知り合いなら大丈夫だ」というように、僕の知人が勝手に保証人としての役割になる。お会いする時の関係構築という意味でもSNSを活用するメリットは大いにあります。