Webマーケティングを実施したい会社と、Web制作(ホームページ制作)をディレクションしている会社との間で、意思の疎通が上手く行かないと言う経験がある方は多いでしょう。

クライアントの実現したいこと、制作工程で共有しておかなくてはいけないことが抜け落ち、最終的に顧客満足度の高いホームページができないと言うケースは珍しくありません。

ホームページ制作を進めていく上で、双方で決めておかなければいけないことは、しっかり事前に把握しておきましょう。また、クライアント側もディレクターに何を伝えないといけないかを知っておきましょう。
  

やり方に決まりはないが「気遣い」が大切

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まず、ホームページ制作を進めていく上で、制作ディレクターが行わなければいけないことはクライアントとの「ヒヤリング」です。

実際、制作フェーズに入る前に、クライアントが "どのようなホームページを作りたいのか" という要望やホームページの役割というのをすり合わせる必要があります。その後、ディレクターはクライアントの要望を具体的な構成に落とし込んでいき、細かい仕様も決めていきます。

クライアント側がどれだけホームページ制作に関する知識や経験があるかは、相手が変われば毎回変わってきます。リテラシーがあまり高くないクライアントとのかかわりになったとしても、相手に合わせる必要があります。

クライアント側が漠然としたイメージしか伝えることができず、「よしなにやってください」と言った要望をもらうことは多々あります。しかし、ディレクター側としては「リンクや画像をマウスオーバーした時の処理」と言った細かい内容までも決めておかなければいけません。

その際、「細かいことを言っても向こうはどうせわからないから、こっちで勝手に決める」のではなく、噛み砕いた説明をしましょう。ただ、「考えたこともなかったので、特に要望がない」もしくは「判断がつかない」となるケースも多いため、併せて簡単な提案をしてあげるとスムーズに進みます。

ヒヤリングや要件定義のやり方にハッキリとした決まりはありませんが、相手の表現を正しく解釈し、相手の理解に合わせて上手く言語化していく気遣いが必要です。
  

制作がスタートする前に、決めておかなければいけない前提

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Webマーケティングを実施するためにホームページを制作するのであれば、そのホームページを公開してからどう活用していくか、という点についても考える必要があります。

ホームページ制作を進めるにあたって、マーケティングの知見から先に決めておかなければいけないことも数多く存在します。

下記では、ホームページ制作がスタートする前に、先に決めておく必要があることを4つご紹介します。
  

1. ホームページの目的を確認する

まず、ホームページの活用目的を考える必要があります。クライアントの中には、「とりあえずホームページは必要だと思ったから作りたい」「現状のホームページが何となく見た目がダサいからリニューアルしたい」と言ったフワッとした与件しか考えられていないというケースもあります。

「ホームページを制作してマーケティングに活用する」という名目でも、それがブランディングなのか、直接的な売上向上をメインの目的にするかなどで見せ方が違ってきます。

また、ただスタティックな情報を載せておくだけのホームページなのか、日々常に更新して繰り返し訪れてもらうようなホームページなのかでも、必要な機能や見せ方は大きく変わってきます。
  

2. 課題を洗い出す

ホームページの改修やリニューアルなどの場合には、現行のホームページの課題を洗い出す作業が必須となります。

Googleアナリティクスの閲覧権限を付与してもらえるケースも多いので、確認してみましょう。具体的な数値を見ながら、客観的に課題を指摘してあげると説得力が出ます。

離脱してしまうページなどはないか、見て欲しいページにしっかりとユーザーを回遊させられているかなど、指標は数多く存在します。まず現状を把握するという意味でも、Googleアナリティクスの数字を細かく見ていきましょう。
  

3. ユーザーの利用シーンを想定する

ホームページを誰がいつどこでどのように利用するかを想定しておきましょう。

ホームページを利用するターゲットユーザー像も想定します。性別や年齢だけではなく、どのような趣味趣向があるのか、価値観やライフスタイルなどまで細かく具体的にペルソナを設定できると良いでしょう。

また、ホームページが見られやすい時間帯を想定しておくことも大切です。時間は朝の通勤時間に見られやすい、曜日は平日が多いなどの利用するシーンを想定しましょう。

どこでどのような環境で見られるかも検討しましょう。自宅でゆっくり見るホームページか、会社のデスクで見るのかでもデザインのテイストは変わってくるでしょう。どのような環境というのは、デバイスやブラウザです。特に最近ではスマートフォンからのアクセスがメインとなる場合も多くなっています。スマートフォン利用を重要視する場合には、デザインの方向性が大きく変わってくることもあり特に重要な項目です。

ターゲットユーザーの年齢層が高い場合は古いPCやブラウザを使っていることも想定できます。特にInternet Exploreを重要視する場合は、技術的に細かく決める事項が増えることもあります。

このように、ホームページを閲覧するユーザーを細かく想定することで、UI/UX設計、デザイン、コンテンツの方針などを明確にできます。
  

4. ゴールを決める

ホームページの活用目的が決まり、ターゲットユーザーを想定できたら、ゴールの設定をしましょう。目的に沿って何を持って成果とするかを決め、KPIKGIを決めます。事前にゴール設定が見えていないと、ホームページの設計とかみ合わなくなり成果の出にくい仕組みのホームページにもなりかねません。

また、合わせてカスタマージャーニーマップも作れる良いでしょう。ターゲットユーザーがどのようにホームページに訪れ、どのような動きをして、最終的にどう行動するかの道筋を想定します。その際の心境の変化も合わせて考え、ユーザーの一連の体験を可視化しましょう。ホームページ全体のデザインを考えるための大きな指針になります。