こんにちは。株式会社マルケトの アカウント・エグゼクティブを務める弘中 丈巳です。

今回は、"未来にむけて、社会人が今学んでおくべきこと"をコンセプトに、仕事に活きる最先端分野の講座を毎日開講しているSchooで行ったオンライン授業「エンゲージメント時代のBtoBマーケティング」の内容についてご紹介します。

この授業では、日商エレクトロニクス株式会社 営業推進部の近藤 智基 氏をお招きして、同社が取り組んでいるマーケティングオートメーション(MA)やセールスフォースオートメーション(SFA)を活用したBtoBセールスの成功事例についてお話をうかがいました。

前回までの授業では、主にBtoCエンゲージメントマーケティングに関するお話でしたが、BtoBについてもエンゲージメントマーケティングが如何に売上アップに結び付くかということを示す好事例なので、ぜひ参考にしてください。
  

日商エレクトロニクス様について

最初に日商エレクトロニクスの会社概要や事業内容、近藤様が所属する営業推進部の業務内容について紹介します。

同社は総合商社、双日グループのIT商社です。主に取り扱っているのは、データセンターで使用するサーバーやストレージといったハードウェアや関連するソフトウェアなどで、これらのITインフラ製品を企業やクラウド事業者などに提供されています。

同社は、まだ日本に出ていない海外製のITインフラ製品を発掘し、日本向けにカスタマイズして販売しています。近藤様が所属する営業推進部では、製品の発掘からマーケティング、プリセールスまでを担当されています。

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マルケト様提供資料:営業推進の役割
  

営業推進部が抱えていた課題について

近藤様によると、営業推進部がエンゲージメントマーケティングに取り組み始めたのは2015年のことです。課題となっていたのは、2014年に本格販売を開始した「Nutanix」というITインフラ製品をいかに拡販するかということでした。

「Nutanix」は、既存のサーバーやストレージの概念を大きく変える非常に画期的な製品ですが、大手メーカーではなくベンチャーの製品であること、過去に例のない新しい仕組みの製品であること、1台当たり1,000万円以上と高額であることなどが、顧客の購入意欲を妨げるネックとなっていました。

また販促面では、イベントなどで獲得できる見込み顧客が少ないこと、せっかく顧客を得ても放置してしまいがちになっていたこと、案件化しても営業がなかなか受注に結び付けられないことなどが大きな課題でした。

そこで同部は、デマンドジェネレーションからプリセールスに至るまでの業務にMAとSFAの仕組みを採り入れ、エンゲージメントマーケティングを実践することにしました。

デマンドジェネレーションにおいては、MAを活用しながら市場認知活動を展開し、顧客を獲得すること。インサイドセールスやハイタッチセールスにおいてはSFAを使って製品およびサービスの売上を向上させることをミッションに掲げました。

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マルケト様提供資料:Our Mission 2015-2016

これらの施策によって、本格販売を開始した2014年にはあまり動かなかった「Nutanix」の新規案件創出数が、2016年には30億円まで急伸しました。

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マルケト様提供資料:新規案件創出数

近藤様は成功の理由として、「売上を目標とすることによるチームワークの向上」「顧客本位の価値あるコンテンツを提供したこと」の2点を挙げています。