
2018年こそはもっとスムーズに!確定申告の流れと必要な書類の内容を解説
年が明け、2月中旬の手続き開始まで時間が迫っているのが「確定申告」です。
確定申告とは、1年間に得た正しい収入を税務署に報告する手続きです。そのため、会社員だけではなく、個人事業主やフリーランスの方など幅広い方が対象となります。
ですが、年末はバタバタとしてしまい「項目に抜けの多い書類を作成してしまった」「よくわからないまま手続きを終えてしまった」という方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、確定申告を効率よく行えないという方にオススメしたい、「手続きの流れ」や「手続きに必要な書類」など確定申告で役立つ基本情報をわかりやすく解説します。また、実際の申告にあたって役に立つ情報サイトも合わせて紹介します。
必要な書類を用意し忘れてしまったなど、手続きをする上で「次回こそ……」と感じている方に、ぜひとも一読いただきたい内容です。ぜひ本記事を参考に準備を始めてみてください。
確定申告とは
確定申告とは、1年間の所得金額の全てを計算し、国に対して所得金額の申告及びその金額に応じた税を納税する一連の手続きを指します。
納税者の中には、源泉徴収という形ですでに税が徴収されている場合や予定納税という事前に納税する仕組みを利用して、あらかじめ税を支払っている可能性もあります。そうした方は確定申告として、あらかじめ支払っていた金額を申告することで、払い過ぎていた税が還付されます。
個人事業主だけではなく、会社員でも確定申告が必要となる場合もある
確定申告というと、個人事業主やすでに退職している年金受給者が対象になるというイメージを持たれている方もいるかもしれません。ですが、確定申告は現在企業に勤めている会社員でも対象になる可能性もあります。
企業に所属している場合、企業があらかじめ社員の給与を計算し、その給与に応じた天引きを行う仕組みとなっています。ですが、年末にならなければ所得の全てを算出することはできないので、給与支給額の概算をもとに天引きを行い、年末に全ての精算を行います。この手続きがいわゆる*「年末調整」*です。
ただし、医療費や寄付金への税控除など年末調整では対象にならない控除を受ける場合などは、確定申告が必要となります。
【確定申告をする必要のある人】
その年分の所得金額の合計額が所得控除の合計額を超える場合で、その超える額に対する税額が、配当控除額と年末調整の住宅借入金等特別控除額の合計額を超える人は、原則として確定申告をしなければなりません。
しかし、給与の収入金額が2,000万円以下で、かつ、1か所から給与等の支払を受けており、その給与の全部について源泉徴収される人で給与所得及び退職所得以外の所得金額が20万円以下である人等、一定の場合には確定申告をしなくてもよいことになっています。
引用元:No.2020 確定申告|国税庁
上記のとおり、給与以外の所得が20万円以上ある場合、確定申告を行わなくてはいけません。
例えば、現在副業・兼業を行っている方は、副収入が年間20万円を超える場合、確定申告を行う必要があります。「自分は会社勤めだから大丈夫」と安心せず、改めて自分が条件に当てはまるのか見直してみましょう。
確定申告の流れ
さて、ここからは、確定申告を行う際の基本的な流れを順を追って解説していきます。
1~6番の対応する順序はもちろん、それぞれの内容についても正しく理解しましょう。
1. 確定申告に必要な条件などを情報収集する
確定申告の手続きは、住んでいる地域や収入の種類によって条件や手続き方法が異なります。
基本的に、確定申告の期限は毎年3月15日ですが、個人事業主であれば1年間の事業活動をまとめた帳簿の作成が必要となります。そのため、直前になって調べるのではなく、以下のような情報は事前に調べておくようにしましょう。
・税務署の住所や電話番号
・その時の確定申告の期限
・(会社員の場合)確定申告の条件に該当する出来事がなかったか確認
特に会社員の場合でも、長期入院により医療費がかかった場合や20万円以上の遺産を得た場合、住宅ローンを組んだ場合などは確定申告を行う必要があります。先ほど紹介した「会社員で確定申告が必要となる場合」を参考に、確定申告の条件に該当する出来事がなかったか事前に確認しておきましょう。
2. 申告に必要な書類の収集・チェックをする
社会保険料の控除証明書や保険料支払額の証明書など、申告に必要な書類の収集・チェックを行います。個人事業主の場合、帳簿作成のため領収書や明細書、納品書などもとっておく必要があります。
3. 申告書を入手する
確定申告を行うための書類である「申告書」を入手します。申告書には以下のように2種類の形式があるので注意してください。
申告書A:所得が給与所得や公的年金等・その他の雑所得、配当所得、一時所得のみで、予定納税額のない人が利用できる
申告書B:所得の種類にかかわらず、誰でも利用できる
なお、給与所得以外の所得がある個人事業主やフリーランスの場合、申告書Bを使う必要があります。申告書は最寄りの税務署で入手できるほか、国税庁が公開しているWeb上の確定申告書作成コーナーから申告書を作成することもできます。
4. 申告書を作成する
「3. 申告書を入手する」で入手した申告書を実際に作成していきます。
国税庁の確定申告書等作成コーナーでWeb上から作成ができるほか、紙の形式の場合でも税務署で指導を受けられます。
事前にどの程度の控除額になるのかを知りたい場合は、作成前にWeb上で公開されている自動計算ツールを活用するといいでしょう。また、申告書を作成する際には社会保険料の控除証明などの必要書類を添付する必要があります。そのため、スムーズな作成のためには「2. 申告に必要な書類の収集・チェックをする」の手順を踏むのが大切です。
参考:
年末の確定申告に役立つ!自動計算ツールまとめ|ferret
5. 税務署へ申告書を提出する
申告書を作成したら管轄の税務署へ直接持参するか郵送で提出します。Web上で手続きを済ませたい場合、e-Taxというシステムを使う方法があります。
なお、e-Taxで手続きを行うためには、マイナンバーカードに組み込まれている電子証明書をe-Taxに登録しなくてはなりません。e-TAXでの手続きを行う予定の方は、事前にe-TAXの利用手続きから始める必要があることを認識しておきましょう。
参考:
重要なお知らせ<e-Taxで申告するには>:平成28年分 確定申告特集|国税庁
6. 納税する
申告書を提出したら、納税額に応じて以下の3つの手段のいずれかで納税を行います。
1. 預貯金口座から振替納税する
2. 現金で納付する
3. e-Taxで納付する
預貯金の口座から口座振替で納税を行う際は、4月中旬頃に行われます。税金の還付がある場合、申告書に記載した口座に還付金が振り込まれます。
参考:
迷ったら読む|確定申告の手順が1からわかる申告方法まとめ|経営ハッカー
【確定申告の手順】はじめてガイド|MFクラウド確定申告
初めて確定申告される方:平成28年分 確定申告特集|国税庁
確定申告を行う前に覚えておきたい!申告に必要な書類
ここまで説明してきたように確定申告にあたっては、必要となる書類が複数存在します。
企業に所属している会社員の方と、個人事業主それぞれが確定申告を行う際に必要となる基本的な書類を紹介するので、次に申告を行うまでに保存または作成しておくようにしましょう。
参考:
【確定申告書等作成コーナー】提出書類等のチェックシート|国税庁
2016年分確定申告 チェックリストを大公開|スモビバ!
平成29年分の確定申告から医療費控除は領収書が提出不要に!?この制度変更で得られるメリットとは?|経営ハッカー
会社員編
1. 給与所得の源泉徴収票
源泉徴収とは、給与を支払う側が給与からあらかじめ税金を天引きしておき、天引きした金額を国に収めておく制度です。源泉徴収票は天引きした金額や、給与の総支給額を記載しておく書類を指します。
会社員であれば会社側が源泉徴収票を2部作成し、翌年の1月31日までに1部を税務署に届け出て、もう1部を従業員に渡すよう義務付けられています。年度の途中で退職した場合は会社側では手続きを行わないので、自分自身で会社側から源泉徴収票を受け取り、確定申告の際に提出する必要があります。
なお、会社員でかつ年金受給者の場合、日本年金機構が公布する公的年金の源泉徴収票も合わせて必要となります。
参考:
確定申告と源泉徴収票の関係性とは?源泉徴収票を紛失した人も必見!|freee株式会社
2. 保険料支払額の証明書
生命保険料など私的に加入する支払額が記載された証明書です。基本的には保険会社から郵送されてくるので、その書類を保存しておきましょう。
3. 地震保険の支払額の証明書
自宅に対してかける地震保険の支払額が記載された証明書です。基本的には保険会社から郵送されてくるので、その書類を保存しておきましょう。
4. 寄付金の受領証
特定の団体に寄付を行っている場合、寄付金は控除の対象となります。そのため、寄付を行っている団体からの受領証は保存しておきましょう。ふるさと納税もこの対象となり、寄付先の自治体から受領証が郵送されてきます。
個人事業主編
個人事業主の場合、会社員の方が必要な書類以外にもさらに以下が追加されます。
・社会保険料控除明細書
・申告書
・(白色申告の場合)収支内訳書
・(青色申告の場合)青色申告決算書
5. 社会保険料控除明細書
自身や配偶者などの扶養家族の社会保険料に関して、支払った金額に応じた控除が受けられます。会社員の場合、健康保険や国民年金といった社会保険料の支払いは会社側で手続きを行いますが、個人事業主やフリーランスの場合、日本年金機構から公布される社会保険料控除明細書などが必要です。
対象となる社会保険料についての詳細は、以下の国税庁のページを参照してください。
参考:
No.1130社会保険料控除|所得税|国税庁
社会保険料控除とは?実際に支払った分が対象です|税理士なら港区の税理士法人インテグリティ
6. 申告書
確定申告を行う際には申告書が必要です。最寄りの税務署で取得するか、国税庁が公開しているWeb上の確定申告書作成コーナーから申告書を作成して手に入れることもできます。
なお、申告書には所得の内容に応じて「申告書A」と「申告書B」が存在しますが、個人事業主やフリーランスの場合「申告書B」を利用します。
参考:
【申告書用紙】|確定申告期に多いお問合せ事項Q&A|国税庁
7-1.(白色申告の場合)収支内訳書
事業にかかわる経費を申告する方法には、「白色申告」と「青色申告」という2つの形式があります。中でも「白色申告」の場合、確定申告時に収支の内容を記載した収支内訳書の提出が必要です。
参考:
駆け出しフリーランス必見!最低限覚えておきたい会計用語を解説|ferret
白色申告の収支内訳書の書き方|白色申告の基礎知識
7-2.(青色申告の場合)青色申告決算書
「青色申告」は「白色申告」と異なり、事前に申請が必要な経費申告の制度です。その分、経費に対して最大65万円までの控除を受けることができるのが特徴です。
青色申告の場合、確定申告時には青色申告決算書という書類の提出が求められます。「青色申告決算書」内には「損益計算書」や「貸借対照表」といった事業の支出をまとめて記載する書式が含まれます。「収支内訳書」と「青色申告決算書」のどちらも国税庁のホームページで書式をダウンロードできます。
参考:
確定申告書、青色申告決算書、収支内訳書|確定申告書等|国税庁
番外編:帳簿
白色申告・青色申告のどちらでも、事業の収入や経費など事業に関わる支出を記載した帳簿を作成しておく必要があります。
なお、こちらは税務署へ提出する書類ではありませんが、確定申告の制度上、作成が義務付けられているものです。
― | 必要な帳簿 |
---|---|
白色申告 | 収入金額や必要経費を記載した帳簿【保存期間7年】業務に関して作成した上記以外の帳簿【保存期間5年】 |
青色申告 | 仕訳帳、総勘定元帳、 現金出納帳、売掛帳、買掛帳、経費帳、固定資産台帳など【保存期間7年】 |
なお、実際に作成する帳簿としては上記の帳簿が必要です。白色申告と青色申告で作成する内容及び保存期間が異なるので注意してください。
このような帳簿を作成する際に、領収書を確認し、金額を記載しておかなければいけません。また、帳簿とは別に書類として5年の保存義務が定められているので、捨てずに保管しておきましょう。
参考:
帳簿の記帳のしかた|国税庁
個人で事業を行っている方の記帳・帳簿等の保存について|所得税(確定申告書等作成コーナー)|国税庁
より詳しく確定申告の手続きや知識を知るのに役立つサイト
確定申告にあたっては人それぞれの状況によって細かいルールが存在します。より詳しい情報を知りたい方は、以下のサイトを参考にしてみてください。
国税庁特設サイト
https://www.nta.go.jp/tetsuzuki/shinkoku/shotoku/tokushu/index.htm
国税庁によるサイトで、動画の説明などが豊富に掲載されています。確定申告にかかわる行政機関公式が公開している情報なので、信頼性が高いのもポイントです。
※上記は平成28年度(2016年度)の特設サイトです。12月20日時点では平成29年度(2017年度)のサイトは公開されてませんでした
参考:
平成28年分 確定申告特集|国税庁
平成29年分 確定申告特集(準備編) - 国税庁ホームページ
経営ハッカー
クラウド型会計ソフト「freee」を提供しているfreee株式会社が運営しているサイトです。確定申告にかかわらず、帳簿をつける時に必要となる経費科目や扶養控除などの控除に関連した知識など、身近な会計分野の情報を発信しています。
確定申告に関する情報も数多く公開されているので、気になる方はRSSなどで情報を取得しておくといいでしょう。
MFクラウド確定申告
https://biz.moneyforward.com/tax_return/basic/
クラウド型会計ソフトMFクラウドを提供している株式会社マネーフォワードが運営しているサイトです。確定申告の手続きの方法や申告書の書き方、職業・ケース別の事案について解説しているので、自分の知りたい情報に合わせた情報を検索できます。
まとめ
特に個人事業主やフリーランスにおける確定申告の場合、申告書の作成の前に帳簿の作成や関連する書類の収集が必要となります。
期限の直前になって慌てて準備を始めるのではなく、その年度のはじめから領収書や納品書などの書類を保管しておき、帳簿をつけておくようにしましょう。また、医療費や寄付金への控除など、各種控除に関してはそれぞれ取り決めが存在します。
詳しい情報は国税庁をはじめとする各種サイトも併せてご覧ください。
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- 印刷物のカタログやパンフレットは、通常複数のページから成り立っています。インターネットのホームページもまったく同じで、テーマや内容ごとにそれぞれの画面が作られています。この画面のことを、インターネットでも「ページ」と呼んでいます。ホームページは、多くの場合、複数ページから成り立っています。
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