世の中にはたくさんのメモアプリが存在しますが、「メモすることだけに精一杯で、メモを見返す習慣がない」方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。そんな人にはジャーナルアプリがオススメです。

*「ジャーナル」*は単なる「メモ」とは思想体系が異なっていて、見返すことに主眼が置かれています。

今回は、ジャーナルアプリを使う4つの場面とおすすめiPhoneアプリ5選をご紹介します。「日記を書くことはもちろん、その使い道は無限大です。」自分なりの使い方を模索してみましょう。

「ジャーナルアプリ」とは

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stock.io

ジャーナルアプリとは、メモだけでなく書いた日付や写真、位置情報などを記録することができるアプリのことです。

ジャーナルとは、日本語で「日記」のことを指します。ジャーナルアプリは単にその日に起こったことを書き出しておく「日記」的な使い方もできますが、実はビジネスなどで汎用的に使いこなすことができるという強みもあります。

記録するアプリ、ジャーナルアプリが「使える」4つの場面

ジャーナルアプリは、「日記」としての使い方はもちろん、ユーザーの活用の仕方でさまざまな使い方をすることができます。

1. その日に起こった出来事を記す「日記用」として

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ジャーナルアプリとメモアプリの大きく異なるところは、その記録を*「いつ書いたのか」*を強調して表示したり、日付による検索をしやすくしたりしている点です。ジャーナルアプリで日記を書けば、「1週間前には何をしていたのか?」「1年前には何をしていたのか?」を気軽に読んで振り返ることができます。

多くのジャーナルアプリはクラウドストレージにバックアップを取っているので、スマートフォンの機種変更をしても、過去の記録を読むことができます。日記を過去に遡って保管している方は少数派だと思いますが、自分が意識していなくともシームレスに同期するため、アカウントを忘れない限りは過去の記録は残り続けます。

2. 1年で訪れた場所を記録する「旅行用」として

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年に数回旅行に行く人は、旅行の記録をジャーナルアプリに記録しておくのがオススメです。

多くのジャーナルアプリでは、位置情報を保存したり、その日の天気を自動的にAPIから読み込んで記録したりして、書いたその「現場」の情報をあえて残すような設計になっています。「1年前の雨の日に台湾で食べた小籠包の店」も、簡単な記録を残しておくだけで、自分だけの旅のしおりになるのです。もちろんブログのように写真を貼り付けることもできます。

3. 大切な事案を日ごとにまとめる「仕事用」として

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毎日のルーティーン化した作業の中で、日々の進捗状況を記録し、*「1週間前に何をしたか」*を振り返ることは、作業を効率化する上で思いの外重要です。メールや社内ツールを使って上司に報告するために「日報」を作成しているように、ジャーナルアプリを使って「自分用の日報」を作成してみるのはどうでしょうか。

ジャーナルアプリの中には、高機能なメモアプリと同じようにTo Doリストを作成する機能もあるので、その日ごとにすべきことをジャーナルアプリ主体でマネージメントすることも可能です。ジャーナルを使えば*「記録する」だけでなく、「見返す」*という習慣も身についていくでしょう。

4. 読んだ本の内容を記録する「読書用」として

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年間の読書量が多い人は、ジャーナルアプリに*「読んだ本の記録」をつけておく*のもいいかもしれません。

読んだその日には内容を覚えているものですが、振り返る機会がなければ、内容はうろ覚えになってしまうものです。

*試しに先日読んだ本の内容を思い出してみてください。*きっと見出しなどは覚えているかもしれませんが、細かな内容、どんなことが印象に残ったかなどは、忘れているのではないでしょうか。

ヘルマン・エビングハウスによる研究で有名な「忘却曲線」理論によれば、1日後に憶えている記憶量は約34%、1ヶ月後には約21%まで記憶量が減り、およそ8割のことは忘れてしまいます。せっかく大切な時間を使って読み、沢山のことを感じた本なのですから、内容や感想を記録し、見返す習慣をつけておけば読んだ時の感動を色褪せることなく覚えておけるのではないでしょうか。

おすすめジャーナルアプリ5選

1. Day One

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Day One

ジャーナルアプリの先駆とも言える最も有名なアプリDay Oneです。iPhone・iPad・Apple Watch・Macと、さまざまなApple製品のデバイスで使用することができます。また、日記用・読書用・メモなど、さまざまな内容を目的別に保存することが可能です。Markdownにも対応しています。

写真の一覧から振り返ったり、カレンダーから書いたことを振り返ったり、書いたジャーナルをPDFに変換したり、SNSに共有することなどができます。シンプルでミニマルなインターフェイスも人気です。

  

しかし、Day Oneはさまざまなデバイスを同期する際には、月額3.99ドルの*「プレミアム」*に加入する必要があります。アプリ自体が有料だった時期を経て、2020年9月現在はiOSアプリもmacOSアプリも無料でダウンロードすることができますが、App内課金として「プレミアム」が用意されています。プレミアムユーザーになれば、デバイスの同期の他に、写真やジャーナルのストレージが無制限になったり、IFTTTとの統合、優先的なカスタマーサポートを受けられるようになります。7日間の無料体験が可能なので、実際に使ってみて、自分に必要であるかどうかを判断することをおすすめします。

2. Journey

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Journey

Journeyは、iOSやmacOSのほか、WindowsやAndroid、Chromeのアドオンとしても利用できる、Day Oneに似たジャーナルアプリです。

基本的にはDay Oneと同じような高性能なジャーナリング機能を利用可能ですが、特筆すべきはジャーナルの保存場所としてGoogle Driveが使われる点です。全てのジャーナルデータは、特別なフォーマットではなくMarkdownで保存されます。

  
こちらのアプリでも、Markdownサポートや複数の写真・動画の添付などは*「メンバーシップ」*を購入する必要があります。メンバーシップを得ると、PDF変換するときにPDFのウォーターマークが消えたり、ナイトモードを使用することができたりします。

3. Penzu

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Penzu

Penzuは、なんと2008年にWebサービスとして始まった、歴史あるジャーナリングサービスです。もともとはブラウザ上で気軽にジャーナルを書くことができるサービスとして出発しましたが、あっという間にその利用者は100万人を突破してしまいました

Penzuの嬉しいところは、無制限のジャーナル作成、他のプラットフォームのジャーナルとの同期が無料で行えるところです。ジャーナルの表紙にあたる「カバー写真」を変えたり、パスワードロックを書けたりすることもできます。また、同期されたジャーナルは暗号化されているので、セキュリティ上も安心です。

Penzuにも*「プロ」「プロ+」*の2プランが上位プランとして提供されていて、加入することでさらなる機能を利用することができます。軍事レベルの暗号化、ゴミ箱の復元、リマインダーなどが含まれています。さらに、30日間は無条件の返金保証も付いています。

4. Momento

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Momento

Momentoは、様々なデータを1箇所で保管することができるライフログのようなジャーナルアプリです。一口にジャーナル機能といっても、*「Notes」「Photos」「Videos」「Places」「Peple」「Events」とさまざまな種類のメタデータを埋め込むことができます。特に「People」や「Event」は他のアプリにない機能で、「Aさんに最後に会ったのは●日前のあの場所」「ここでは●年前にこんな出来事があった」*などと、さまざまな角度から日々を振り返ることができます。

さらにMomentoでは、SNSと同期しておくことで、SNS上のつぶやきや投稿も横断して検索することができる*「Explore」機能*もあります。FacebookやInstagram、Twitterはもちろん、SpotifyやMediumなども連携対象になっています。iMessageやメールさえも含めることができるので、日々の振り返りはMomentに集約されると言っても過言ではないでしょう。

5. Diaro

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Diaro

Diaroは、さまざまなバックアップ先を選べる高機能なジャーナルアプリです。iPhone・Androidの両方で利用可能で、Google Driveの他にも、DropboxやEvernoteなどの保存場所を選べます。またKindle Fire用アプリもリリースされています。

  

タイムライン形式の表示やカレンダービュー、タグ付けや一機能の保存など、ジャーナルアプリに備わっている基本機能はDiaroでもしっかり揃っています。ただし、Diaroでもクラウドでの動機を利用するにはアップグレードが必要です。

ライフスタイルに合った、使いやすいジャーナルアプリを見つけよう

日々の出来事を見返すのに便利なジャーナルアプリ5つをご紹介しました。

それぞれのアプリは基本的に無料で、一部の機能が有料となっていますが、それぞれにその範囲は異なっています。無料で使ってみることもできるので、「三日坊主」にならない、自分にぴったりな相性のいいアプリを探してみてください。