中小規模のEC事業を成長させるには、集客数を増やす施策だけでなく、顧客に関するファーストパーティデータを活用したCRM施策が重要です。

この記事では、ファーストパーティデータの収集・分析に必須のCDPツールの特徴や、CDPを用いたCRM施策について解説します。ECのマーケティング施策を担当している方はぜひ参考にしてください。

目次

  1. ECの成長にファーストパーティデータが重要となる理由
  2. ファーストパーティデータの活用にCDPが必須
  3. CDP活用で実施できるECのCRM施策例
  4. ECでCRM施策に取り組む際のポイント

ECの成長にファーストパーティデータが重要となる理由

ファーストパーティデータとは、企業が自社で入手したデータのことです。EC事業では、顧客の購買履歴やECサイトへのアクセス情報などがファーストパーティデータに含まれます。

ECの成長にファーストパーティデータの活用が重要な理由は次の通りです。

リターゲティング広告の制限

従来のリターゲティング広告では、第三者によって付与されたサードパーティCookieを使った広告表示が行われていました。しかし、近年ではプライバシー保護の観点からサードパーティCookieが制限され、リターゲティング広告の精度が低下しています。

集客やリピート促進にリターゲティング広告を活用していた企業では、新たな施策への切り替えが必要です。サードパーティCookie規制後の対策として、ファーストパーティデータに基づくマーケティング施策が挙げられます。

費用対効果を高めるため

EC事業が成長すると、広告やSNSの運用などにより多くのコストがかかるようになります。大手ECと比べて予算が制限される中小規模のECでは、費用をかけるべき施策の見極めが重要です。

CDPであらゆるデータを統合・分析することで、費用対効果の高い施策を特定し、集中的に予算を投じることができます。

ファーストパーティデータの活用にCDPが必須

データ基盤としてCDP(Customer Data Platform)を導入すると、ファーストパーティデータを収集・統合し、EC事業で活用できます。CDPの主な機能は次の通りです。

CDPでECに関するデータの一元管理が可能

CDPでは、自社のECに関する様々なデータを一元管理できます。顧客ごとの購入履歴商品データ、ECサイトのアクセス解析データ販促施策に関するデータなどを収集、統合することが可能です。

CDPの種類によっては、ECシステムやアクセス解析ツールと連携し、データを自動で取得できます。Excelなどを使って手動で管理するよりも効率的にデータを扱えることがCDPのメリットです。

データの加工や分析もCDPで効率化

データの収集・管理だけでなく、加工や分析にもCDPが活用できます。例えば、購入金額や購入回数など特定の条件に基づき、セグメント化した顧客リストの作成が可能です。また、売上データとアクセス解析データを連携させ、ECサイトの改善点を把握することもできます。

データ処理に関する専門知識がなくても、CDPがあれば戦略立案に必要な分析を効率的に進められます。

CDP活用で実施できるECのCRM施策例

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ECを成長させるには、CDPで収集・分析したデータをもとに顧客ごとにアプローチを最適化するCRM施策が必須です。ここでは、CDP活用で実現できるECサイトのCRM施策の具体例を紹介します。

購入履歴に基づくおすすめ商品の紹介

顧客の購入履歴データをもとにおすすめ商品を紹介すると、LTVの向上が期待できます。ツールの活用により、メールでの案内やECサイト上でのコンテンツの出し分けを自動化することが可能です。また、商品の同梱物を顧客ごとに最適化し、リピート購入や追加購入を促すこともできます。

一般的に、既存顧客を対象とした施策は、新規顧客を獲得する施策よりも低コストです。購入履歴に基づくおすすめ商品の紹介で売上が上がれば、EC全体での収益性も向上します。

優良顧客限定のアプローチ

購入金額や購入頻度が一定以上の優良顧客をセグメント化し、特別なアプローチを行うことも効果的なCRM施策です。優良顧客だけのお得なキャンペーンや限定商品の紹介、イベントの案内などを行うとLTVの向上が期待できます。

どのような顧客を優良顧客とするかの条件は、事業規模や扱う商材などによって異なります。CDPで収集・分析したデータをもとに、自社に適した優良顧客の条件を設定しましょう。

CDPで顧客の鮮明化

クーポンによる休眠顧客の掘り起こし

CDPを活用したCRM施策では、休眠顧客に対するアプローチも可能です。一定以上の期間、商品を購入していない顧客に対して期間限定のクーポンなどを案内することで再購入を促進できます。

最終購入日から一定以上の期間が経った人に対してメールを送信するなど、自動で掘り起こし施策を行う仕組みを作っておくと、送信忘れによる取りこぼしを最小限に抑えられます

ECでCRM施策に取り組む際のポイント

ECでCRM施策を行う際は、単にツールを導入するだけでなく、体制作り目標数値の明確化などの取り組みが必要です。ここでは、ファーストパーティデータを活用したCRM施策に取り組む際のポイントを紹介します。

必要なリソースを確保し体制を整える

通常のEC運営やマーケティング業務に加えて新たな施策に取り組む際は、人的リソーススケジュールなどを整えることが重要です。CDPの導入や活用にかかる工数を見積もり、無理のないペースで取り組む必要があります。最初は小規模な施策からスタートすると、失敗のリスクを抑えることが可能です。

また、CDPへのデータ収集にあたりCSや経理などとの連携が必要な場合は、データを共有するための体制を作りましょう。

自社の事業規模や環境に合うツールを選ぶ

CDPやCRM施策を行うためのツールは、種類によってコストや機能が異なります。事業規模や現在運用しているECシステムとの連携性担当者の人数など、状況に応じて適切なツールを選ぶことが大切です。

自社で実施したいCRM施策に適した機能の有無だけでなく、機能の使いやすさも確かめてツールを選定しましょう。また、CDPには顧客情報など機密性の高いデータが保存されるため、セキュリティ性の高さも重要なポイントです。

目標数値を決めて継続的に取り組む

CDPを活用したCRM施策は、必ずしも最初から期待通りの成果が得られるとは限りません。目標数値を定めた上で、検証と改善を繰り返す必要があります。

ECのCRM施策における主要な成果指標は、顧客ごとの平均購入単価LTVリピート率などです。これらの数値が向上していれば、CRM施策による効果が得られていると判断できます。

まずは現状のデータを確認した上で、CRM施策の目標数値を決め、PDCAを継続的に回しましょう。

CDP×CRMでEC事業を成長させよう

EC事業でファーストパーティデータを活用すると、顧客ごとに最適化したマーケティング施策が可能です。CDPで収集したデータに基づくCRM施策により、売上や費用対効果の向上が期待できます。

年商100億円を超える大手ECの多くは、すでにデータに基づくマーケティング施策に取り組み始めています。大手ECの取り組みを知ることは、中小規模ECの事業を成長させるためにも有益です。