SNSの隆盛などにより、日々増加するインターネット上のコンテンツ。ユーザーはスマホのタイムラインに流れる情報を、読み流すように大量に消費しています。

このような環境においてユーザーの行動を促すために大切なのは、大量のリーチで情報を拡散することではなく、ユーザーにその情報を自分ゴト化してもらうことです。

今回は「情報を自分ゴト化してもらう重要性」を考えてみましょう。コンテンツが溢れる時代に、よりユーザーに深く浸透する情報発信が必要な理由を3つの視点から解説します。

情報を自分ゴト化してもらうのが必要な3つの理由

1.ユーザーはほとんどの情報を受け流しているから

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引用:Unsplash

だれでも情報発信者になれる時代。流通するコンテンツ量は何倍にも増えても、1人のユーザーが1日に触れられる情報には限りがあります。ユーザーは流れてくる大量の情報を無意識のうちに「受け流す」ことに慣れてしまっているのです。

情報に触れるだけで製品を理解して購買してくれるというマスマーケティング的な考え方は、若年層を中心に徐々に通用しなくなってきています。

  • SNSでバズったけれど、その後何も変化がなかった
  • 製品を通じて伝えたいコンセプトがユーザーに伝わっていない

事実、企業のWebマーケティング担当者の方から、このような課題を聞くことが増えてきています。

2.ユーザーの購買行動が変わりつつあるから

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引用:Unsplash

かつては、「ユーザーの注意さえ引けば、そのうちの何割かは情報に興味を寄せてくれる」という前提でマーケティングが成り立っていました。有名な購買行動モデルである「AIDMA」などがその例です。

関連記事:
消費者の心理状態を分解したAIDMAとAISASを理解しよう

ただ、ユーザーを取り巻く情報環境の変化によりユーザーの購買行動は変化しています。

トライバルメディアハウス 代表取締役社長 池田 紀行氏は、自身のブログ記事『Instagram時代の消費行動モデル「CREEP」』の中で、新しいユーザーの購買行動としてCREEPモデルを提唱しています。

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(Chill out:だらだらする)
電車の中や、家に帰った後のマッタリタイムの中で、ソファに横になりながら、スマホでInstagramやTwitter、Facebookを眺める
(Relevance:自分ゴト)
フィードに流れてくる大量の投稿の中で、気になった(ごくごく一部の)投稿で指を止め、ハッシュタグをタップして他の画像見てみたり、Amazonで検索してクチコミを見たりして理解を深める
(Evoked Set:選択肢化)
「このお店ステキだなぁ…、今度行きたい」、「このテントかっこいいな。欲しい…」、「SUP(スタンドアップパドルボード)おもしろそうだなぁ…春になったら始めたい」などと妄想を広げる
(Experience:体験)
それから一定の期間を経て、お店に行ったり、テントを買ったり、SUPを始める
(Post:投稿)
スマホで写真を撮って、InstagramやFacebookでリア充アピールをする
引用元:Instagram時代の消費行動モデル「CREEP」

だらだらと意味もなくスマホでタイムラインを読み流している状態と、具体的な行動として選択肢化されている状態。自分ゴト化はこの二つの状態を繋ぐ重要なキーワードです。

3.ユーザーはすでに情報収集力に長けているから

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自分ゴト化とは商品のコンセプトを語られたり、細かいスペックを見せたりするることではありません。その製品が自分にとって関係のあるものだと思ってもらうことです。そして、使っているシーンを頭の中で想像してもらうことです。

SNSを積極的に活用する人々にとって、一度気になった商品を深掘りして情報収集するのは得意なことでしょう。商品を詳しく知るためにメーカー公式サイトへアクセスしたり、口コミを調べるためにユーザーレビューを探したりすることはもはや当たり前になっています。

だからこそ大切なのは、ユーザー自身にそうした情報を探そうと思ってもらえるか。その一歩目のスタートが自分ゴト化なのです。

まとめ:関心を持って自社コンテンツに接してもらう

ユーザーを取り巻く環境が変化するにつれて、必要なWebマーケティングの手法も変わるものです。

溢れる情報社会の中で、いかに関心を持って自社コンテンツに接してもらうか。自分ゴト化という考え方は今後ますます重要になってきます。

中編となる次回は、ユーザーに情報を自分ゴト化してもらうための具体的な方法について考察します。