GoogleのAI検索「SGE」の登場でSEOは不要になるのか?SEO会社が考えていること
この記事はGMOソリューションパートナー株式会社・谷川氏からの寄稿記事となります。
近年の目覚ましいAIの進化に伴い、検索エンジンにおけるAIの活用方法も変わりつつあります。
最近注目されているのが、ジェネレーティブAI(生成AI)を検索エンジンの情報提示に活用する動きです。特に2023年5月にGoogleが発表した「SGE(Search Generative Experience)」は大きな話題を呼びました。
しかし、SGEについての情報がまだ少なく、理解が追いついていない方も多いと思います。
この記事はSGEについて詳しく知りたい、またSEOへの影響を把握したいという方に向けて解説します。
目次
SGEとは?注目される理由も解説
まずはSGEに関する概要を解説します。
SGEとは
SGE(Search Generative Experience)とは、Googleが2023年5月10日(米国時間)に開発者対象のプレゼンテーション「Google I/O」で発表した検索機能です。これからの検索体験を大きく変える可能性を秘めています。
これまでにもGoogleの検索エンジンにおいては
- ユーザーの検索条件やユーザー属性等で情報を出し分ける
- ユーザーの疑問に回答しているページから一部を抜粋してトップ表示する
といった場面でAIが活用されてきましたが、あくまでインターネット上の情報を利用してそのまま表示するにとどまっていました。
SGEではAIについてさらに踏み込んだ活用がされています。
SGEではジェネレーティブAIを活用することで、これまで不可能だった「その場で回答を生成して表示する」ことが可能です。また、学習型のAIを採用しているので、私たちの入力データが増加するほど、より精密な回答を行うことができるようになるのもメリットです。
2023年8月30日には日本のGoogle検索市場にもSGEの導入が開始されました。
まだ日本語版の試験運用の段階ではありますが、将来的にはほぼ確実に全世界で利用できるようになるので、今のうちに仕組み等を理解しておいてください。
参考: Japan Blog「生成 AI による検索体験 (SGE) のご紹介」
SGEによって何が変化するのか
ここからは、SGEによって変化することを解説します。
検索結果最上部にAIのまとめ情報が表示される
SGEが適用されると、検索結果最上部にAIがまとめた情報が表示されるようになります。下記は検証段階の画面にはなりますが、SGEが提供する情報の専有面積は大きめなので、従来の記事は目立たなくなる可能性があるでしょう。
AIがまとめて提示する情報には
- 会話形式での回答
- 関連コンテンツ
が含まれます。
まず、ユーザーが入力した内容に対して、回答する文章がその場で生成されて表示されます。文章量は質問内容によって変わり、複雑な質問に関しては長い文章で回答が行われるでしょう。画像データが必要な場合は文章とともに表示されます。ちなみに内容が複雑過ぎると「すみませんが回答できません」といった回答が行われることもあります。
文章だけでなく、画像データも利用しながら関連コンテンツが表示されるのがポイントです。関連コンテンツは複数提示されるので、内容を深堀したいときもワンクリックで確認できます。
このように、従来の検索とは全く違った体験となることからSGEへの注目が高まっています。
追加質問が可能
もしSGEが提示した回答文や関連コンテンツで疑問が解決しない場合は、追加質問が可能です。これは従来の検索エンジンにはなかった機能です。
具体的には、回答文の下部にあるボタンを押して追加で質問を入力することにより、さらに聞きたいことや質問内容の修正などが可能です。
従来は検索バーに質問を1つ1つ入力しないと疑問の解決まで辿りつけませんでしたが、SGEでは同じ画面上で会話形式によりどんどん質問ができるので、問題を解決できる確率が上がります。
自然言語形式の入力が可能
従来の検索エンジンでは、「○○ ○○ ○○」といったように、空白で単語を区切って入力しないと適切な検索結果が得られないことがあります。これは検索に慣れていない方にとっては求める結果に辿りつきづらいという問題があります。
SGEではこれが解決します
○○の○○はどうすればよいですか
といったように、会話形式で質問ができるためです。これまで単語を区切っていた作業がなくなり、検索効率が向上します。
ちなみに、AIも会話形式で回答をするため、実際には検索というよりはチャットで友達と会話しているような感覚を得ることが可能です。この体験が検索ユーザーにどのような影響を与えるのかはまだ未知数ですが、従来より気軽に検索を行うきっかけを作ってくれるかもしれません。
SEOにSGEはどう影響するのか
ここからは、SGEがどのようにSEOへ影響するのか解説します。
検索エンジンの仕様変更なのでSEOにも影響が出る
SGEは検索エンジンの仕様変更につながるので、当然SEOにもある程度の影響があると思われます。
例えば、ECでスマホを購入するために情報を収集する場面を想定します。
2万円台でゲームがサクサクできるようなスマホはないか
と検索を掛けると、質問に対する回答とおすすめの商品が一覧で並びます。そしてそこから商品を直接クリックして購入したり、気に入らない場合は
3万円台でいいからもっとスペックのよいものはないか
といった質問を追加することでさらに商品を検索することが可能です。
この場合「2万円台でおすすめのスマホ!2023年最新版を紹介」といった内容・タイトルで記事を書いているページに影響が出る可能性があります。SGEからの情報だけで比較・検討がすべて済んでしまう可能性があるからです。記事をスクロールしてチェックする前にトップ画面だけで検索が完了するリスクを考えて、記事を書く必要性が出てくるでしょう。
SGEが普及してもSEO対策の消滅は考えられない
「SGEが普及すると検索がAIだけで済むので、SEO対策がなくなるのではないか」という見方が出ていますが、SEO専門業者である私たち(GMOソリューションパートナー株式会社)はSEO対策が消滅することないと考えています。
SEOとは、検索エンジンに関して自社の記事等を最適化して表示するような考え方です。SGEが普及したとしてもあくまで情報を提示する場所は検索エンジンのままであり、自社のコンテンツページも検索エンジン上に残り続けます。
つまりSGEによって対策を変更する必要性は出てきますが、対策の方針が変わるだけでありSEO対策の意識は必要です。
これまでも「強調スニペットでページ重要な文章が抜粋し検索結果に表示される」「検索結果トップに自然検索結果以外のコンテンツが表示される」といった、コンテンツページへの訪問数の減少を招く仕様変更が行われてきたにもかかわらず、SEO対策は廃れていません。
こうした経緯からも、SEO対策自体が消滅することはまず考えられないでしょう。これまでGoogleの仕様変更に対して柔軟に対応してSEOを行ってきた事業者は、スムーズにSGEの存在を考慮したSEO対策に移行ができるかもしれません。
SGE対策のポイント!従来のSEO対策もしておこう
ここからはSGE対策のポイントをご紹介します。
ユーザーの検索意図に応じて対策方法を変える
SGEの普及が進むと、SEO対策に注力すべきキーワードが変わってくると推察されています。
たとえば
Excel 関数 一覧
といったキーワードはすでに回答内容がある程度決まっており、独自性を出すのが難しくなります。AIへの質問のみで検索作業が終わってしまう可能性が高く、SEO対策が難しくなるでしょう。
しかし
東京都 マンション 購入
といったキーワードだと検索意図が変わってきます。
具体的にはAIに提示される内容だけで購入判断を行うのは、購入金額が高いこともあり不安になるはずです。そこで通常の検索エンジン機能も使って、他のコンテンツを調査しながら確実な購入方法を決めるニーズが発生するでしょう。この場合のSEO対策の有効性は「Excel 関数 一覧」よりも高いはずです。
だからこそ、独自性の出しにくい記事にSEO対策の時間をかけるよりも、サジェストキーワードが豊富な記事のSEO対策に注力しましょう。
どのキーワードでSEO対策が特に有効になり、逆にどのキーワードではSEO対策が従来より難しくなっていくのかを把握することが重要です。
独自性のあるコンテンツを作成する
AIの回答に取って代わられないコンテンツを作成・公開していくためには、従来よりも一層オリジナルなコンテンツ作りに注力していく必要があります。
たとえばAIは一般的な考えについて回答することは得意ですが、個人の見解や思想などについて詳しく説明するのは苦手です。こういった内容は学習データが不足しますし、人間的な面が強くかかわってくるからです。
そこで、コンテンツSEOの観点から独自性のあるコンテンツを作成することが重要になってきます。
情報の参照元として論文や専門機関のデータを扱えば信頼性が高まるほか、実体験をもとにまとめれば「リアルな声」が届きます。根拠のある情報を提供し続ければ信頼性を確保できるため、継続的にサイトに訪問してくれる可能性も高まるのです。
検索エンジン以外のアクセス対策もしておく
現在では検索エンジン以外の流入経路も確保して、自社のことを知ってもらいコンテンツへの訪問数を増やす考え方が重要になっています。Webサイト以外でも情報発信を行い、各媒体を連携させられるようにしておいてください。
例えば
- SNSで情報を発信しながら拡散を狙う
- 動画プラットフォームで映像を公開してブランド力を向上させる
- オフライン・オンラインでセミナーを開催して熱度の高い顧客を獲得する
といった手法によって、自社のファンを増やしたり、コンバージョンにつながる顧客を獲得できたりします。
自社のリソースやメインターゲットのユーザー属性等を考えて、適切な媒体の選択も検討してみてください。
まとめ
今回はSGEについて詳しく知りたい、またSEOへの影響を把握したいという方に向けて解説しました。
SGEによってジェネレーティブAIの活用性がさらに広がるでしょう。検索エンジンにおいては自然文での検索が簡単になったり、追加質問ができるようになったりする影響で、SEO対策に変化が出てくるのは確実です。
ただし、SEO対策が消滅してしまうことはなく、SGEによる影響をチェックしながら対応できる施策を実行していくことが重要となってきます。コンテンツSEOといった観点から独自性のあるコンテンツを提供することもより重要になってくるので、ぜひ対策を怠らないようにしましょう。
- 検索エンジン
- 検索エンジンとは、インターネット上に無数に存在するホームページのデータを集め、ユーザーにそれらを探しやすくしてくれるサービスのことです。「検索サイト」とも呼ばれます。代表的な検索エンジンとしては、Yahoo! JAPANやGoogleなどがあります。また、大手検索エンジンは、スマートフォン向けのアプリも提供しており、これらは「検索アプリ」と呼ばれています。
- 検索エンジン
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- Googleとは、世界最大の検索エンジンであるGoogleを展開する米国の企業です。1998年に創業され急激に成長しました。その検索エンジンであるGoogleは、現在日本でも展開していて、日本のYahoo!Japanにも検索結果のデータを提供するなど、検索市場において圧倒的な地位を築いています。
- SEO
- SEO(Search Engine Optimization)とは、GoogleやYahoo!などのサーチエンジン(検索エンジン)で、特定キーワードで検索が実行されたとき、ホームページが表示される順位を上げるためのさまざまな施策のことです。
- Googleとは、世界最大の検索エンジンであるGoogleを展開する米国の企業です。1998年に創業され急激に成長しました。その検索エンジンであるGoogleは、現在日本でも展開していて、日本のYahoo!Japanにも検索結果のデータを提供するなど、検索市場において圧倒的な地位を築いています。
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- 検索エンジン
- 検索エンジンとは、インターネット上に無数に存在するホームページのデータを集め、ユーザーにそれらを探しやすくしてくれるサービスのことです。「検索サイト」とも呼ばれます。代表的な検索エンジンとしては、Yahoo! JAPANやGoogleなどがあります。また、大手検索エンジンは、スマートフォン向けのアプリも提供しており、これらは「検索アプリ」と呼ばれています。
- ページ
- 印刷物のカタログやパンフレットは、通常複数のページから成り立っています。インターネットのホームページもまったく同じで、テーマや内容ごとにそれぞれの画面が作られています。この画面のことを、インターネットでも「ページ」と呼んでいます。ホームページは、多くの場合、複数ページから成り立っています。
- インターネット
- インターネットとは、通信プロトコル(規約、手順)TCP/IPを用いて、全世界のネットワークを相互につなぎ、世界中の無数のコンピュータが接続した巨大なコンピュータネットワークです。インターネットの起源は、米国防総省が始めた分散型コンピュータネットワークの研究プロジェクトARPAnetです。現在、インターネット上で様々なサービスが利用できます。
- Googleとは、世界最大の検索エンジンであるGoogleを展開する米国の企業です。1998年に創業され急激に成長しました。その検索エンジンであるGoogleは、現在日本でも展開していて、日本のYahoo!Japanにも検索結果のデータを提供するなど、検索市場において圧倒的な地位を築いています。
- 検索結果
- 検索結果とは、GoogleやYahoo!などの検索エンジンで検索したときに表示される情報のことです。「Search Engine Result Page」の頭文字から「SERP」と呼ばれることもあります。 検索結果には、検索エンジンの機能に関する情報と、検索キーワードに関連する情報を持つページが表示されます。
- コンテンツ
- コンテンツ(content)とは、日本語に直訳すると「中身」のことです。インターネットでは、ホームページ内の文章や画像、動画や音声などを指します。ホームページがメディアとして重要視されている現在、その内容やクオリティは非常に重要だと言えるでしょう。 なお、かつてはCD-ROMなどのディスクメディアに記録する内容をコンテンツと呼んでいました。
- コンテンツ
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- SEO
- SEO(Search Engine Optimization)とは、GoogleやYahoo!などのサーチエンジン(検索エンジン)で、特定キーワードで検索が実行されたとき、ホームページが表示される順位を上げるためのさまざまな施策のことです。
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- タイトル
- ホームページのソースに設定するタイトル(title)とは、ユーザーと検索エンジンにホームページの内容を伝えるためのものです。これを検索エンジンが認識し検索結果ページで表示されたり、ユーザーがお気に入りに保存したときに名称として使われたりするため、非常に重要なものだと考えられています。「タイトルタグ」ともいわれます。
- ページ
- 印刷物のカタログやパンフレットは、通常複数のページから成り立っています。インターネットのホームページもまったく同じで、テーマや内容ごとにそれぞれの画面が作られています。この画面のことを、インターネットでも「ページ」と呼んでいます。ホームページは、多くの場合、複数ページから成り立っています。
- クロール
- クロールとは、検索エンジン内のシステムであるクローラ(ロボット)が一つ一つのサイトを巡回し、サイトの情報を収集することを指します。
- SEO
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- Webサイト
- Webサイトとは、インターネットの標準的な情報提供システムであるWWW(ワールドワイドウェブ)で公開される、Webページ(インターネット上にある1ページ1ページ)の集まりのことです。
- フォーム
- フォームとは、もともと「形」「書式」「伝票」などの意味を持つ英単語です。インターネットの分野では、パソコンの操作画面におけるユーザーからの入力を受け付ける部分を指します。企業のホームページでは、入力フォームが設置されていることが多いようです。
- オンライン
- オンラインとは、通信回線などを使ってネットワークやコンピューターに接続されている状態のことをいいます。対義語は「オフライン」(offline)です。 現在では、オンラインゲームやオンラインショップなどで、インターネットなどのネットワークに接続され、遠隔からサービスや情報などを利用できる状態のことを言う場合が多いです。
- セミナー
- セミナーとは、少人数を対象とする講習会のことです。講師からの一方的な説明だけで終わるのではなく、質疑応答が行われるなど講師と受講者のやり取りがある場合が多いようです。
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