こんにちは、株式会社ドリップでCOOを務める平岡です。

株式会社ドリップでは「モノとヒトとの文脈を紡ぎ出す」をコンセプトに、個人の運営するブログやメディアを活用したPR事業やコンテンツ制作事業を行なっています。

事業において私たちが大切にしている考え方が「自分ゴト化」。

読み流されるのではなく、読者に深く浸透し自分ゴトとして受け取ってもらえるコンテンツ作りを心がけています。結果的として制作に携わった年間300本以上の広告コンテンツの読者満足度は平均85%以上と、良い反響を得ています。

前編は情報を自分ゴト化してもらう重要性について考えました。中編となる今回は、読者がどうすれば情報を自分ゴト化して受け取ってくれるのか。

その方法について博報堂DYグループエンゲージメント研究会著の『「自分ごと」だと人は動く』を紐解きながら、私たちなりの解釈も加えて考えてみます。

▼前回の記事▼
コンテンツで溢れる時代。情報を自分ゴト化してもらう重要性とは【前編】

自分ゴト化を生み出す4つの仕組み

1.個性を表すタグ

drip092_-_1.jpg
引用:unsplash

情報が溢れる時代において、ユーザーは自分という存在をタグに変えて便宜的に表現しています。

Instagram上で投稿にハッシュタグをつけてポストしたり、SNS上でのプロフィールで「ファッション / カメラ / iPad」というように名詞を並べて表現するのもそうした例の1つ。

人も情報も数秒で判断されるインターネットやSNS。
自分という存在をわかりやすく伝え、また相手を素早く理解するために、人々はタグというフィルターを通して物事を見ています。

まずはその情報をどんな人々に自分ゴトしてほしいのか。情報を届けたいユーザーの持つタグを分析し洗い出す必要があります。

drip092_-_2.jpg

ドリップでは登録しているブロガーの持つ強い個性をタグとして分類し、届ける情報と類似のタグを持つブロガーと一緒にコンテンツを制作。使い手の目線に近い立場から、コンテンツの企画を行なっています。

2.読者の心に眠るインサイト

drip092_-_3.jpg
引用:unsplash

インサイトとは人々が持つ、まだ顕在化していない意識や価値観のことです。人々が普段から無意識にどんなことを考え、どんなことに共感するのか。このインサイトを発見して丁寧に汲み取ることが読者の共感を呼び、自分ゴト化に繋がります。

また、インサイトはその人が持つタグによって変わります。

「#カフェ好き #カメラ好き #20代男子」なら休日は一人で趣味を楽しみたいと思うかもしれませんが、「#トレラン #カメラ好き #20代男子」だとよりアクティブな活動を好みそうです。

drip092_-_4.jpg

日頃から様々な情報を発信しているブロガーが集まるドリップは、多様なユーザーの隠れたインサイトを把握することを得意としています。

3.共感を呼ぶエンゲージメント・テーマ

drip092_-_5.jpg
引用:unsplash

エンゲージメント・テーマとは、読者と情報とを結ぶ架け橋となるコミュニケーション・コンセプトのことです。

発見したインサイトはそのままでは共感や自分ゴト化には繋がりにくい場合がほとんど。インサイトをそのまま伝えるのではなく、共感を生みやすいエンゲージメント・テーマに乗せることで情報はより深く読者の心に浸透します。

オンラインで気軽にオーダーできるスーツブランドを例に考えてみましょう。

「#子持ち男性」というタグを持つ人にブランドを訴求する場合、“忙しい・時間がない”というインサイトをフックに、来店しなくても買える“時短”をエンゲージメント・テーマにすると良いかもしれません。

一方で「#ひとり旅」などのタグがある人は、“コミュニケーションコストを下げたい”と考えている人も少なくありません。そうした場合にはエンゲージメント・テーマを“オンライン完結のオーダー”と設定すると効果的な反応が期待できます。

drip092_-_6.jpg
引用:prasm(プラズム)

あくまで消費者の代表としての立場にいるドリップのブロガーは、インサイトを自分のライフスタイルと組み合わせて共感を呼ぶエンゲージメント・テーマを設定することに長けています。

4.エンゲージメント・テーマの体験装置

drip092_-_7.jpg
引用:unsplash

共感できるエンゲージメント・テーマがあっても、それを身をもって体験できなければ情報は自分ゴト化されません。
自分ゴト化の最後の鍵は、設定したテーマを読者に身をもって感じてもらう体験装置(機会)を提供することです。

体験装置というのはCM、イベントでの試用、Web上での情報展開など様々。エンゲージメント・テーマを最も感じてもらいやすい手段・シチュエーション・コンテンツを作ることが求められます。

ドリップの強みは消費者目線に立ったエンゲージメント・テーマ設定。だからこそ体験装置となるPRコンテンツブログ記事では、できる限り本人のリアルな視点と言葉で自由に表現してもらうことに務めています。

台本のないリアルな生活のストーリーが読者の心を動かすと信じているからこそ、公開前の修正もできる限り行わないようにしています。