ECサイト運営において、売り上げを着実に上げていくには、既存顧客に対してのアプローチが非常に重要となってきます。
それは新規顧客を1人獲得するよりも既存顧客に対してアプローチしてリピートしてもらった方がLTVの観点から見てもコストがかからないためです。

この記事では、ECサイトの担当者に向けて、既存顧客に対してしっかりアプローチし、自社サイトのファンになってもらうための方法として有効な「CRM」という考え方と中小規模のECサイトでもできるCRMの活かし方について紹介します。

CRMとは

まずはCRMについて説明します。
CRMとは「Customer Relationship Management」の略で、直訳では「顧客関係管理」と言います。

これは自社の顧客を正確に理解して、適切なアプローチを行うことで長期的に良好な関係を構築、サービスを継続利用してもらって、自社サービスの売上拡大を目指していく経営戦略です。

もう少し具体的に説明すると、

  • 顧客が自社サイトにどこで接点を持ったか
  • サイトをどのように使っているか(アクセス情報)
  • 何をいつどのように購入したか

といった情報を管理・分析します。

可能であれば顧客の年齢や性別、居住地域の情報など、企業の得られる様々な情報を組み合わせて、個々の顧客に対して適切なサービス提供、アプローチをすることで、顧客の満足度向上を目指します。CRMはこのように1顧客あたりの購買額の最大化、またリピート率の向上を図って、長期的な収益の安定化を目指すマーケティング施策を指しています。

また一般にCRMとは顧客管理ツールではなく、手法そのものをいうものであり、この記事でもそのようにしています。
ツールに関しては以下の記事を参照してください。

参考:
顧客管理システムCRMとは|CRMの基本情報とオススメツール14選

CRMツールを導入することによるメリット

ではCRMを実践するとは、具体的にどういうことでしょうか。
様々な企業がCRMツールを提供していますが、導入することでできることを簡単にまとめると、

  • 自社保有データの一元管理
  • データを元に顧客をセグメント化
  • ステップメール、メルマガなどの配信
  • データを自社の様々な部門間で共有

上記のようなことが挙げられます。
これによるメリットは大きく2つです。

顧客を正しく理解したアプローチができる

個人レベルで顧客の情報を持っていてそれが共有できていないと、Aさんが先日すでにアプローチしていた企業に対してBさんも同じような施策で提案してしまい、企業の反感をかってしまう、といったことが起きてしまいます。

CRMツールを導入し、個々で管理していた情報を統合・共有することで顧客情報が社内全体で可視化され、より細かく適切な営業活動、提案を行えます。

PDCAサイクルとLTV最大化を効率的に行える

CRMツールによって一元管理された情報を元に個々の顧客に合わせた適切な施策やフォローを行えるようになります。

この時、どういった顧客に対してどのような施策をすると数字がこれだけ変化した、というのが明確にわかり、またそのデータも随時CRMツール上に追加されていくので、PDCAサイクルを効率的に回すことができます。

その結果として、より顧客の満足度を上げやすくなりLTVの最大化を図っていくこともできるのです。

ただし、導入に際してデメリットもあるので、ここでは代表的な2つを紹介します。