Webメディア「70seeds」を運営している株式会社am. 代表取締役 岡山史興氏に訊く「読者に伝わるメディアの作り方」。

前編では「伝わるメディアの作り方」をテーマとして、メディアの編集方針やテレビを意識した記事の書き方についてお伺いしました。

後編では、離脱率が低いという17秒の動画コンテンツ「70seeds」やサイトリニューアルで新たに加わった機能などについて語っていただきます。

ユーザーに伝える手段のひとつである動画制作についてや、読者に「もっと読みたい」と思ってもらえるようなメディアづくりについて詳しく聞いていきましょう。

▼前編はこちら▼
「記事の見せ方はテレビを意識」70seeds 岡山氏が語る「伝わるメディア」の作り方

岡山 史興氏プロフィール

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株式会社am.代表取締役 CEO / Webメディア『70seeds』 編集長。1984年長崎県生まれ。NPOの立ち上げや、愛・地球博にて市民プロジェクトリーダーを務めるなど、 学生時代から社会課題と生活者をつなぐコミュニケーション領域で活躍。

戦略PR コンサルティング会社のGM職を経て、2014年にPR支援のStory Design house株式会社を共同創業。その後、事業創出支援に重点を置く株式会社am.を2017年に設立。スタートアップ企業のブランド戦略立案から、大企業や地域を対象とした新規事業開発なども手掛ける。

NHK、朝日新聞、読売新聞などメディア掲載多数。

テレビCMを意識した17秒動画

ferret:
70seedsは、テキストと写真のみの記事だけではなく、動画コンテンツ「17seconds」も提供していますよね。こちらは17秒と短い時間で情報を届けていますが、どうして「17秒」なのでしょうか。

動画コンテンツ「17seconds」

岡山氏:
これも記事と同様、テレビを意識したものです。日本人は15秒のテレビCMに慣れているんですよね。だからそれ以上に長いものはなかなか見てくれません。

なので、「17seconds」の場合は、CMの15秒に「7」をかけて17秒の動画にしています。

ferret:
17秒という短い時間で情報を伝えるために工夫していることはありますか?

岡山氏:
まず1つは、「17seconds」はあくまでコンテンツの入り口と割り切って考えています。なのでそこですべての情報を伝える、というよりはそれをきっかけに記事へアクセスしてもらうことが目的です。

とはいえ忙しい現代人のみなさんに、17秒という時間である程度コンテンツを印象に残したいという気持ちもあります。そのために、「写真とテキストでしっかりコンテンツを作り込むこと」は意識しています。

じつは「70seeds」は、取材をする時に4コマ漫画で取材企画を提案するというフローがあるんですよ。

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(岡山氏がiPadで描いた取材進行フロー)

これをしておくことで、記事を動画にした時に短時間でも4ステップで物語が伝わるような流れが作れているのかなと思っていますね。