こんにちは、フルセイルの有賀と申します。

ベーシックグループの中で、スマホアプリに関する事業を担当していまして、以前はこちらのブログGrowing App)で記事を書いていたのですが、このたびferretに寄稿させていただくことになりました。よろしくお願いいたします。

さて、1回目はスマホアプリのリジェクトについてです。ご存知かもしれませんが、App Store(iOSデバイス)に関してはリリース前にアプリを申請し、審査に通過する必要があります。
※今まで審査が不要だったGoogle Playにおいても今後は審査が入るようです。

そして、この審査がとても厄介な存在でもあります。

なぜかいうと、Appleが用意するガイドラインに沿ってアプリを作っているつもりでも微妙な解釈の違いやタイミングによってリジェクトされ、スムーズにいっても10日、長いと数ヶ月かかることもあるからです。

ちょうど先日こんな記事もありましたので、今日はこのガイドラインから我々が実際に2回以上遭遇したものをピックアップしながら少し具体的に紹介します。

【2015年最新版】iPhoneアプリ審査リジェクト理由まとめ

App Store Review Guidelines

上から順にリジェクトされることが多い順になりますので、申請前のチェックリストとしても活用いただけると思います。
※あくまで我々の場合なので、カジュアルゲーム寄りのリジェクト内容になっています。

スマホアプリのリジェクト理由ベスト10

1. アプリ内で他のアプリを紹介したり購入を促進してはいけない

2.25 – Apps that display Apps other than your own for purchase or promotion in a manner similar to or confusing with the App Store will be rejected

通称「2.25」もはや定番ともいえる理由です。「アプリ内でアプリを紹介してはいけない。」というものです。
バナー広告などは対象外で、主にウォール広告、アイコン広告で該当することが多いです。以前は特に指摘がありませんでしたが、ここ1年で増えてきました。

おそらく、アイコンはApp Storeを構成する一要素で、App Storeと混同させることが問題なのだと思います。まれに、バナーのクリエイティブがアイコン風だったがためにリジェクトされることもありますので、申請バージョンの広告表示などもチェックしておく必要があります。

2. アプリ紹介文にない隠し機能を入れてはいけない

2.4 – Apps that include undocumented or hidden features inconsistent with the description of the App will be rejected

申請中だけは隠しておいて、通ったらアクティブにするような機能もいけません。
最近は、バージョンを遡って申請Verとの違いを指摘されるケースも出てきているようです。正確には、このガイドラインに該当することではありませんが、アプリの初回起動時にブラウザ起動する機能もいけません。ただ、紹介文やスクリーンショットで全ての機能を説明できるとも限りませんので、基本的にAppleが認めない機能が対象になります。

3. 他のモバイルプラットフォームについて言及しているメタデータが含まれてはいけない

3.1 – Apps or metadata that mentions the name of any other mobile platform will be rejected

誤ってGoogle Playにリンクするのはもちろん、スクリーンショット内のスマホ画像がNexus(他社の端末)に見えるだけでリジェクトされたこともあります。
アプリ内のUIとしてスマホの画像を採用する場合、他プラットフォームの端末に見えないように注意しましょう。こちらも最近になって出てきたケースです。

4. 年齢制限のレーティングは遵守しましょう

3.8 – Developers are responsible for assigning appropriate ratings to their Apps. Inappropriate ratings may be changed/deleted by Apple

これは一度に正解することが難しいため、事前に同様のアプリのレーティングを参考にしましょう。
稀に、アプリそのものでなく広告のクリエイティブが同様の理由によって指摘される場合もあります。

5. キーワードは、アプリにふさわしいものを設定する

3.9 – Developers are responsible for assigning appropriate keywords for their Apps. Inappropriate keywords may be changed/deleted by Apple

App Store内での検索対象になるキーワードは、そのアプリに適切なキーワードを入れましょう。
例えば、あきらかに競合アプリの名称を入れたりすると、そのキーワードが削除される場合があります。キーワードの知名度にもよるものですが「LINE」等の知名度の高いキーワードは該当すると思われます。

6. iPadで、そのまま動作すること(3GSの場合は2倍の解像度で)

2.10 – iPhone Apps must also run on iPad without modification, at iPhone resolution, and at 2X iPhone 3GS resolution

こちらは、弊社が独自の調査によって、調べた結果です。主に審査側はiPadを使いレビューしているようなので、審査側のレビュー環境に対応するように動作チェックを行いましょう。

7. IDFAの使用に関するリジェクト

ガイドライン内にはIDFA(アップルが発行する広告ID)の記述はありませんが、基本的に広告を表示しないのにIDFAを使用しているとリジェクトされます。
最近は一部ツールなどでの利用が認められたりもしているようです。

基本米国からチェックしているので、その場合もちゃんと広告が表示されるように前もって設定する必要があります。SSP経由であれば海外のアドネットワークも追加しておくといいと思います。

8. ユーザーが投稿できるアプリなら、通報やフィルタリング、ブロックできるようにする

14.3 – Apps that display user generated content must include a method for filtering objectionable material, a mechanism for users to flag offensive content, and the ability to block abusive users from the service

主にはCGM系のアプリが対象になりますが、アプリ内に通報ボタンを設置したり、運営側で使う管理画面について説明を求められる場合があります。我々のアプリで言えば「返信ください」はCGMに該当しませんが、ご認識として指摘されたこともあります。
その場合はちゃんと説明すれば問題ありません。

9. 役に立たない、価値がないアプリや、Webサイトをくるんだだけのアプリはいけない

2.12 – Apps that are not very useful, unique, are simply web sites bundled as Apps, or do not provide any lasting entertainment value may be rejected

webビュー主体の、特定サイトのビューアー的なアプリや、あまりにもバカバカしいアプリはリジェクトされます。我々も数年前、いくつかのアプリが、陽の目を見られなかったことがあります。

中には、制作側も「これで大丈夫かな」と考えながら制作するケースもありますが、そういった不安要素のあるアプリは、早めにやめたほうがいいかもしれません。我々も、不安要素のあるアプリの制作は行っていません。

10. 他社のプロパティを使うときは文書が必要

8.5 – Apps may not use protected third party material such as trademarks, copyrights, patents or violate 3rd party terms of use. Authorization to use such material must be provided upon request

我々の場合だと、ある有名アプリをコラボしたアプリを出すときに指摘されたことがありました。
結果、コラボ先の会社のサインを入れた承諾書を送り、通過しました。

ただ、こちらは審査を行うレビュー担当者の事前知識にも左右するかもしれません。稀に誰もが知ってる著名IPのパクリアプリが審査を通過しているのを目にする場合があるためです。