新しい年号となり、各企業もさまざまなキャンペーンを打ち出しています。そんな中でも注目度の高い動画キャンペーンをいくつかご紹介します。

同じ手法を使ってすべてのSNSに訴求しても、消費者には響かないでしょう。そこでSNSごとに工夫が見られる動画キャンペーンの事例を探っていきます。

サントリーの烏龍茶の事例

お笑いコンビ「サンドウィッチマン」を起用したCMにちなみ、多角的にメディア展開をしている「サントリーの烏龍茶」の事例です。

これから紹介するtwitterとFacebookの投稿は、同日にアップされたもの。キャッチフレーズは*「食べてもいいぜ」*で統一されていますが、打ち出し方が異なっているので見ていきましょう。

twitterでは、「食べてもいいぜフォロー&RTキャンペーン」と題し、アカウントをフォローしRTすると、1000名様にLINE POINT500ポイントが当たるというイベントを開催。

文字の下にはサンドウィッチマン出演の動画が流れ、5月31日時点で187,944回再生、2万1,905件リツイート、5,445件のいいね!、そしてフォロワー数は4万2,483名となっています。

一方、Facebookの内容は、サントリー烏龍茶がリニューアルした旨とその特徴を紹介。さらにCMキャラクターであるサンドウィッチマンのカメラアプリが登場したことが記されています。商品とカメラアプリの画像が添付され、クリックするとそれぞれの詳細ページに飛ぶようになっています。

SUNTORY Facebookページ

ちなみにInstagramでは、キャンペーンはされておらず、商品をどのように生活の中に取り入れるかに着目した、インスタ映えのする画像が見られました。

@suntory_jp

文字数の少ないtwitterでは動画とキャンペーンで訴求、文字数の制約のないFacebookでは、キャンペーン概要を網羅的にアピールしています。またLINEでもtwitterキャンペーンを実施している旨、カメラアプリのダウンロードを促すなど、SNSの特性を活かしたキャンペーン方法を採用しているのが特徴です。

明治プロビオヨーグルト「Rー1」の事例

明治プロビオヨーグルト「R-1」は、令和元年ならではの動画キャンペーンを行いました。明治のロゴが入った扉を開けると、CMでおなじみのタレントが晴れ姿で現れ、「祝令和元年」のくす玉が割れ、祝賀モードに包まれる動画(期間限定)が印象的です。

5月1日のFacebookには「プロビオヨーグルトR-1」キャンペーン実施中の投稿が行われました。「令和記念デザイン」のR-1販売促進活動です。Twitter公式アカウントもしくはInstagram公式アカウントをフォローに加え、「令和お祝いボトル」の画像を投稿すると、抽選でAmazonギフト券2000円分が200名に当たるキャンペーンとなっています。

こちらは、Facebookとtwitterは同様の告知が行われていますが、それぞれ見せ方に違いが見られます。

Facebookの場合

twitterの場合

わかりやすく箇条書きで記されています。ちなみにtwitterはキャンペーン開始後15時間ほどで236リツイートとなっています。

またInstagramでは、CMでおなじみのふたりが夫婦となり、赤ちゃんができ、幸せに歩んでいく様子が写真で見られ、家族アルバムを眺めているような、ほのぼのとしたつくりとなっています。Instagramがアルバムのようなに見せることで、R-1を飲み体調を整えて健やかに生きようというメッセージが読み取れます。

@saorin_r1

美しいインスタ映えのする画像も素敵ですが、インスタの画像を成長アルバムのように見せる方法は、人々の健康を目指す飲料ならではと言えるでしょう。

ヘルスケアプリFiNCの事例

令和キャンペーンとして、ヘルスケアプリ「FiNC」は令和元年に「痩せたらしようと思っている夢を叶える企画」を実施しています。「プロのカメラマンに撮影してもらう」、「好きな人に愛の告白をする」など、痩せたらしたいことを投稿すると、その中から1名の夢を叶えてくれる企画です。さらに、もしそれらが叶わなくても、ダブルチャンスとしてハワイ旅行が抽選で当たり、さらに応募者全員に500円相当のポイントをプレゼントしてくれるそうです。

動画ではキャンペーンの概要を文字とイメージ素材で説明しています。FacebookなどのSNSで周知し、twitterからキャンペーンに参加という流れとなっているようです。
キャンペーン参加窓口を1つにすることで、統計が取りやすいだけではなく、他のSNSから流入した人もtwitterに流すことができる手法です。

やはりFacebookは文字数制限のない特徴を活かし、キャンペーンが概要がわかりやすく説明されています。

そしてtwitterでは、公式アカウントをフォロ-し、キャンペーン投稿上のボタンから夢を発信すると自動的にリツイートされる仕組みとなっています。

FiNCは、確実にフォロワー数を伸ばしているようです。この他にもFACEマッサージ動画など、痩せてきれいになりたい女性に有益な情報をSNSで提供しています。フォロワー数は4万1994となっています(5月31日時点)。

ゆうちょPayの事例

twitterのみで展開している事例ですが、プレゼントキャンペーンでフォロワー数を伸ばし、動画で周知を図っている事例です。

またWebサイト内のゆうちょPayの説明動画には、触れる動画「インタラクティブ動画」が採用されています。動画の中に選択肢があり、選ぶ内容によって反応が変わってくるものです。

ではキャンペーンの詳細を探っていきましょう。ゆうちょ銀行は、身近で新しい決済サービス「ゆうちょPay」をリリースしたため、ゆうちょ銀行提供のキャンペーンを実施しました。第1弾は2019年3月1日(金)から4月30日(火)、第2弾は5月8日(水)から2020年3月31日(火)までと長期キャンペーンとなっています。第1弾は、twitterでゆうちょPay公式アカウントをフォローして、特定のツイートをリツイートすると抽選で月10名の方に、10万円分のAmazonギフト券が当たるというもの。

YouTubeなどで人気の歌手「虹色侍」が「ゆうちょPay」の歌をファンク調に歌った動画です。ゆうちょPayの特徴である「簡単に使える」というイメージが伝わる歌詞となっています。リズムもアップテンポでノリノリ、ツイートにも書かれているように頭の中に「エンドレスリピート」してしまう曲調です。

ちなみにYouTubeのフルバージョンは、15万5200回視聴となっています。

SNSの特性を活かした動画キャンペーンを仕掛けよう

SNS動画プロモーションは、通常のプロモーションと比べて動画制作の手間がかかります。しかし動画がおもしろいと、認知に広がりが生まれます。商品の特徴や企業、その打ち出したい目的に応じて、効果的に展開していけるといいですね。