KPIは会場をお客様で埋め尽くすこと

ferret:SNS運用におけるKPIは何を設定されていますか?

真下さん:*僕らの一番わかりやすい目標は会場をお客様でいっぱいにすることなんです。*これは長らく集客で苦戦していた時期を体験してきたことも大きいですが、会場がいっぱいになればグッズも売れるし、試合も自然と盛り上がる。その会場の熱がいま世界中で配信されている新日本プロレスワールド(有料動画サービス)にも確実に伝わっていく。今後は、会社としてライセンスビジネスにも積極的に力を入れていこうとしていますが、大事な根本はそこだと考えています。
 
なので、SNS運用のKPIは、他の企業さんとは考え方が違うのかなと思います。他の企業の方はサービスやコト、モノを多くの人に認知してもらうことだったりするのかもしれないですが、新日本プロレスではいかに大会や選手を盛り上げるかが大きなウェイトを占めています。それによってフォロワー数も増えるし、選手の注目度も高まりますので。

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だから、試合前にチケットの売れ行きがよくない会場があれば、営業部から依頼をもらう前に、僕らのチームでSNSを活用して情報を積極的に出していきます。チケットを売ることに関しては、やりすぎたとしても会社の誰からも文句を言われませんし、会社にとって一番良いことだと思っているので。

ferret:集客のためにSNS上で施策をされていると思うのですが、具体的にどのようなことをやられているんですか?

真下さん:大会の開催が決まったあとに、まず大会とチケットの種類の情報が最初に公式Webサイトに出ます。そのあと、参戦選手や大会の対戦カード(誰と誰が対戦するのか)が発表される。そのタイミングで、試合の見どころを説明した記事を発信する。さらに、インタビュー記事や煽り動画などを公式WebサイトやYouTubeなどに出して、試合の意味やポイントを拡散していきます。大きい大会だと、動画広告をSNSに出稿することもあります。選手自身も、試合に向けた決意や発言をツイートする場合が多いので、それをさらにオフィシャルのTwitterでリツイートして多角的に盛り上げていきます。

また、大会が迫ってくると、前売り券の販売終了のお知らせや、当日券の情報、当日のイベント情報、サイン会情報などを出して、大会当日まで情報が途切れないようにします。

ferret:思うようにチケットが売れないときもあると思います。そんな場合はどういう工夫をされるんですか?

真下さん:*もう一押しが必要だと思ったらフォロワーの目を引くようなツイートや記事を仕込んだり、大会当日の朝には何時にツイートを出そうかなとか、オフィシャルのLINEで当日券の情報を流したり、さまざまな試行錯誤はします。*特にビッグマッチで券売が苦戦している場合は、最後の最後まで当日券の販売状況を出したり、営業部と連動して粘るようにしています。
 
反対に、チケットが早く売り切れた場合は、新日本プロレスワールドでのネット生中継の誘導をメインにしていったり、他の大会の券売に誘導したり、そこは状況によって対応していきます。とにかくどの大会も盛り上げていくことを大事にしています。