レアル・マドリード

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画像引用:レアル・マドリードCF | 公式ウェブサイト

世界トップクラスのプロサッカーチーム「レアル・マドリード」は欧州のクラブサッカーリーグ「UEFAチャンピオンズリーグ」で歴代最多の優勝回数を誇り、人気選手が多数在籍している強豪チームにもかかわらず、2000年には約300億円相当の有利子負債を計上していたのです。

そこで見直したのはブランディングです。サッカーチームとしてグッズ販売など露骨に「売ろうとする」コミュニケーションを図ると、ファンは嫌悪感を抱き離れていってしまうもの。モノを訴求するのではなく、企業のアイデンティティやフィロソフィーをファンと共有するようにしました。アイデンティティやフィロソフィーに共感できれば、純度の高いファンが生み出せます。

具体的には、レアル・マドリードのフィロソフィーである「HALA MADORID!(マドリードに栄光あれ)」という言葉を従業員が積極的に発信し、SNSを中心にすべての発信物に反映しました。特に、パソコンやスマートフォンなどでいつでもどこでも確認できるSNSは優秀なコミュニケーションツールです。チームの公式アカウントとサイト、アプリをつなぐことでリアルタイムで情報を共有できるファンコミュニティを構築しました。

コミュニティ上でわかりやすい独自のメッセージを共有して心理的距離を縮めることで、ファンとの間にある物理的な距離を埋められます。話題性と共感性を重視してサッカー情報を発信し続けた結果、レアル・マドリードのFacebook、Twitter、Instagramの合計フォロワー数は、2017年8月時点でサッカーチーム世界最多の1億8,200万人になりました。

こうした全世界にファンを増やす取り組みが功を奏し、2002年時点で黒字化しV字回復。15年もの歳月をかけた2017年には約850億円もの売上を出しました。

良品計画

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株式会社良品計画

「無印良品」を運営する良品計画は、2001年から2003年まで業績が落ち込みました。2001年には営業利益が前年同期比13.8%減になり、その後も営業利益が大幅に落ちたり、売上高も下がったりと不振続きの3年間を過ごしています。

V字回復したのは2016年。業績悪化をもたらした最大の要因は商品力の低下でした。そこで消費者が求める商品を提供するために、消費者とともに商品開発する「ものづくりコミュニティー」(現「くらしの良品研究所」)を立ち上げ、サイトに登録したユーザーが新商品案を提案し、投票数に応じて商品化を検討する仕組みを構築しました。「貼ったまま読める透明付箋紙」がその一例です。

こうして消費者参加型のコミュニケーションを取り入れ、よりリアルなニーズを反映した商品提供を実現したことでV字回復につながったのです。国内・国外ともに好調になり、2016年3~8月の売上高が前年比9.7%増、営業利益は22.9%増と一気に盛り直しました。