基調講演:元LINE株式会社代表取締役社長 森川亮氏

元LINE株式会社代表取締役社長 森川亮氏

経歴

元LINE株式会社代表取締役社長 森川亮氏

1989年筑波大学卒業後、同年に日本テレビ放送網入社。1999年に青山学院大学大学院でMBAを取得し、2000年ソニー入社。2003年ハンゲームジャパン(現LINE株式会社)に入社し、2007年代表取締役社長に就任。2015年3月に代表を退任し、動画メディア「C Channnel」を運営するC Channnel株式会社を設立。

「変化すること」の重要性

「変化すること」の重要性

森川氏は簡単に自身の経歴を紹介した後、「人は強さでも聡明さでもなく、変化することで進化してきた」とダーウィンの進化論を引用し、変化することの重要性について力強く語られていました。
例えば実業務に落としこむと、四半期ごとでも毎月でも、時には毎週でも計画を変更することもあり、「日本人はプロセス重視。しかし日々変化する市場においては結果重視にならなければいけない」と語り、実際、プロセスの1つである定例会議を廃止されたそうです。

森川氏はLINE株式会社の代表取締役社長というポジションをあっさり捨て、自ら会社を設立し、女性向け動画メディアである「C Channel」を立ち上げています。
その動機として「若者が新しい文化を作るので、若者のためのメディアを作りたい」と語っており、どこまでも未来を見据えている姿勢を貫いていました。

基調講演:株式会社DeNA ファウンダー 南場智子氏

株式会社DeNA ファウンダー 南場智子氏

経歴

株式会社DeNA ファウンダー 南場智子氏

津田塾大学卒業後、1986年にマッキンゼー・アンド・カンパニー・インク・ジャパン入社。1988年にはマッキンゼーを退職し、ハーバードビジネススクールに入学し1990年にMBA取得。1996年にマッキンゼーの役員に就任。1999年に株式会社ディー・エヌ・エーを設立し、代表取締役に就任。2011年、夫の看病に専念するため、代表取締役社長を退任し、取締役に就任。

成功に必要な3つの要素

成功に必要な3つの要素
1999年の設立後、わずか6年後に上場を果たし、以降も快進撃を続けるDeNAの創業者である南場氏はまず成功に必要な3つの要素について語りました。

南場氏いわく成功に必要なのは、

1.ビジョン
2.カネ
3.人

の3つであり、最も重要であり難関なのは「人」であり、採用は決して妥協はしてはいけないと語りました。
また、スタートアップ企業が採用を行う時に意識するべき点として、

・最初の10人がキーになる
・量ではなく、質
・どんな時でもリクルートのための時間はとっておく
・場合によっては何年もその人を追いかける覚悟を持つ
・取り繕ったりせずに、正直に助けを求める
・一度会社に入れたら、社員を信用すること

等を挙げ、自身の経験談を交えながら採用がいかに重要であるかということを力説されていました。

DeNAの新プラットフォーム「Palette」の構想について

DeNAの新プラットフォーム「Palette」の構想について
今年発表された、DeNAが構想する新キュレーションメディアプラットフォーム「Palette」も簡単に紹介していました。

DeNAは昨年9月に、キュレーションメディア「iemo」と「MERY」の運営会社であるiemo株式会社と株式会社ペロリを買収し、今年2月には旅行に特化したキュレーションメディア「Find Travel」を運営する株式会社FindTravelを買収しています。
IemoとMERYを買収し、彼らのキュレーションメディアのノウハウを駆使して立ち上げた食専門のキュレーションメディア「CAFY」も急成長しており、ジャンル特化型のキュレーションメディアを複数有するキュレーションメディアプラットフォーム「Palette」を徐々に広げていく構想を持たれているようです。
ここでも採用の話が出てきました。

iemoやペロリは、自社だけでも十分成長見込みがある企業だったのになぜDeNAの買収を受け入れたのか、そのような質問が多く飛んでくるそうです。
その際に、iemo代表の村田マリ氏やペロリ代表の中川氏は次のように答えるそうです。

「自分の力やキャパやプロダクトの200%を使いたいと思っている。だからそれはとてもクリアな決断だった」
「優秀なエンジニアは私達のようなタイプのスタートアップにはなかなか来ない。リクルートは一番難しい課題だった。DeNAにジョインしてから、短い期間で8人から20人になった。みんな優秀なエンジニアやデータ解析者ばかり。」

両名とも、目的を達成するためにベストな環境を生み出せるのであれば、運営体制には特に固執していないようです。DeNAと各スタートアップ企業の利害が一致している状態で、今後どのようなシナジーが生まれるか注目が集まります。