『鬼滅の刃(きめつのやいば)』人気爆発のカギはどれだった?

検索ボリュームを時系列で見るとわかるように、2019年のコミックスの販売売上が急増し多くのファンを獲得した要因は、やはりテレビアニメ化の影響が非常に大きいと考えられます。

テレビアニメがここまで広く認知された裏には、地上波だけでなくVODでも同時並行で配信されたことも大きいです。『鬼滅の刃』は4月のTOKYO MXでのアニメ放送開始に合わせてAbemaTVやdTV、Amazon Prime Video、FOD、GYAO! ニコニコチャンネル、Huluなど多くのインターネット動画配信サービスで配信されました。

地上波最終回では、テレビシリーズに続く劇場版として、2020年内での『「鬼滅の刃」無限列車編』の公開を発表。検索ボリュームもさらに上昇しました。

連載終了後も注目され続ける『鬼滅の刃(きめつのやいば)』

大ヒット作品へと成長した『鬼滅の刃』ですが、5月18日発売の「週刊少年ジャンプ24号」で最終回を迎え、約4年3ヶ月の連載が終了しました。人気が出ると長期連載化する作品が多い中、人気が爆発している最中に幕を下ろしたことに驚いた読者も多かったことでしょう。

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▲『鬼滅の刃』と『ワンピース(赤線)』の検索ボリュームの変化

上記は、連載終了後を含めた期間(2019年8月〜2020年8月上旬)で、『鬼滅の刃』と『ONE PIECE(ワンピース)』の検索ボリュームを比較したものです。5月18日に連載が終了してからも、以前と『鬼滅の刃』に高い注目が集まっていることがわかります。2020年10月には映画の上映も控えており、今後も『鬼滅の刃』の人気はまだまだ続いていくと予測できます。

多メディアの活用により大ヒットに

『鬼滅の刃』がヒットした要因として、作品の世界観やキャラクターの魅力、作家の言葉選びの巧みさなど作品のクオリティが非常に高かったことは言うまでもありません。

その一方で、早期のVOD配信により、テレビアニメ放送だけでは取り込めなかった層のファンを獲得したことも大きいでしょう。ブルーレイディスクやグッズ販売も非常に好調で、来年にかけても話題の絶えない『鬼滅の刃』、今後さらなるヒットの記録を塗り替えるかもしれません。

単一の出面ではなく、マスメディアやWebメディア、SNS、交通広告等を活用した多面的なアプローチがこの大ヒットの裏側にあると言えるでしょう。

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