リスティング広告は、サイト収益を増やすために活用していきたいもののひとつです。

しかし、広告であるため一定の費用をかける必要があります。費用感や費用を削減するポイントを理解していないと、ただ広告費だけがかさんでしまい、本来の目的である利益に繋がりません。そこで今回は、リスティング広告の費用の決め方や抑えるポイントなどを解説していきます。

課金方式

リスティング広告の課金方式はクリック課金制です。クリック課金制の費用は「クリック単価×クリック数」で決定されます。つまり、クリックされなければ費用は発生しません。 

このクリック単価は以下の要素で決定します。

  • 上限クリック単価
  • 品質スコア
  • 掲載順位

上限クリック単価とは、広告主が決定した1クリックの単価です。

品質スコアは、クリック数などの広告のパフォーマンスによって決定され、掲載順位はこれら2つを踏まえた広告ランクによって決定されています。

費用の決め方

では、ここからは実際の費用の決め方について解説していきます。
今回紹介する費用の決め方は以下の5つです。

  • 成果目標から決める
  • クリック単価から決める
  • 損益分岐点から決める
  • LTVから決める
  • 現在の売上から決める

それぞれ基準としている数字が違うため、比較し自社にあった費用の決め方を検討しましょう。
ひとつずつ解説していきます。

成果目標から決める

これは、まず実際にリスティング広告で売上げたい金額をベースに予算を決める方法です。
クリック単価とコンバージョン率の仮定から、売上金額を先に決定しておきます。

たとえば、単価3万円の商品で100万円を売上げるためには、34個ほど売らなくてはいけません。仮にそのコンバージョン率が1%で34個売るのであれば、3,400クリックが必要となります。3,400クリックに100円を掛けると34万円となり、これが予算になるというわけです。

クリック単価から決める

次はキーワードの平均クリック単価から予算を決める方法です。
平均クリック単価は、Yahoo!プロモーション広告GoogleAdWordsで算出できます。

導き出したクリック単価の相場が130円でコンバージョン率が1%のとき、商品を10個販売する場合だと13万円の予算が必要になります。

損益分岐点から決める

他にも、損益分岐点をベースに予算を決める方法もあります。

損益分岐点とは、ちょうど黒字と赤字の境目であり、それを上回ると黒字・下回りと赤字になる数字のことです。たとえば、製造から販売コストが3,000円かかる10,000円の商品であれば、7,000円の利益が出ます。

商品一つに対して、費用がこの利益である7,000円を超えてしまうと赤字になります。
そこで仮に損益分岐点の7,000円を下回る6,000円を費用に設定した場合、販売目標が50個であれば予算は30万円となります。

LTVから決める

LTVとは「ライフタイムバリュー」の略称です。損益分岐点の応用のような考え方であり「顧客が数回のリピートをした結果の最終的な利益」のことを指します。

損益分岐点の例で言うと、利益7,000円で2回購入してもらえるのであれば、損益分岐点が14,000円を越えなければ赤字にはならないといった考え方です。そうなると、先ほどと同様に販売目標が50個の場合でも、予算は70万円まで増えることになります。

現在の売上から決める

現在の売上を基準に広告費を決める方法もあります。

一般的な広告費の割合は、売上に対して5%から10%が目安です。そこから考えると、現在の売り上げが400万円であれば使える予算は20万円から40万円の間となります。

費用を抑えるポイント

ここからは、費用を抑えるポイントについてお伝えしていきます。
費用対効果を上げるためのポイントとしては以下のようなものがあります。

  • 必要のないキーワードの除外
  • 品質スコアの向上
  • キーワードごとの予算配分
  • ロングテールキーワード
  • 配信先の限定
  • マーケティングの活用
  • Facebookの活用

ひとつずつ解説していきます。

必要のないキーワードの除外

広告を出稿し始めて間もない頃は、必要のないキーワードにも広告の表示がされてしまうことがあります。ユーザーにとって必要ない広告であれば、仮にクリックされたとしても最終的なコンバージョンには繋がらず、費用だけがかかってしまいます。そのため、除外するキーワードを登録しておくとよいでしょう。

たとえば、英会話の教材に関する商品を扱っているのであれば「外国語 種類」「国 言語」といったキーワードです。このような関連性は少しあるものの、購買には繋がらないようなものは除外登録しておく必要があります。

品質スコアの向上

先ほどお伝えしたように、1クリックあたりの単価品質スコア広告ランクなどによって決定されます。品質スコアは検索ワードと広告の関連性であり、広告のクリック率やWebページの使いやすさが影響してきます。

つまり、ごちゃごちゃしすぎないユーザーが利用しやすいコンテンツ作りもリスティング広告には必要と言えます。品質スコアの向上は広告費に大きく影響してくるため、このような外堀を埋めていくような戦略も必要です。

もちろん、品質スコアの向上に力を入れていくと自然とコンバージョン率も上がっていきます。コンバージョン率は成果にとって大きな影響を及ぼす部分なので、ぜひ力を入れてみてください。

キーワードごとの予算配分

リスティング広告をスタートしたばかりはおそらくすべてのキーワードの費用単価を揃えることになるでしょう。

しかし、運用を続けていくうちにキーワードによって差が出てくるものです。たとえば、成約が見込めるのに表示されない、反対に成約が見込めないのに上位表示されている、といったこともあります。そうなると無駄が発生してしまっているケースもあるので、しっかり分析を行いキーワード単位での予算配分をして行く必要があります。

ロングテールキーワード

コンバージョンはロングテールキーワードでも獲得できます。

ロングテールキーワードとは、検索ボリュームがあまり多くないもので、クリック単価も安くなる傾向があります。
たとえば、以下のようなものです。

  • 「東京 居酒屋 安い」
  • 「東京 居酒屋 おすすめ」
  • 「東京 居酒屋 おすすめ 30代」

このように3~4個のワードで構成されるもので、より狭まったユーザーに対して広告の表示を行います。ターゲットが狭まれば狭まったぶんだけ需要に寄り添った広告になるので、ユーザーはアクションを起こしやすくなる傾向があります。

配信先の限定

配信先を限定することも大切です。

たとえば、大阪に限定したサービスの場合、関西圏以外の地域に広告を配信したとしてもその効果は低くなってしまいます。配信する地域や時間デバイスを確認し、必要のないものはなくしていきましょう。

リマーケティングの活用

マーケティングリスティング広告を行うにあたって有効な手段です。
マーケティング広告は、すでにサイトに訪れたユーザーに対して広告を配信していきます。それにより、低いクリック単価でのコンバージョン率上昇も見込めるでしょう。

また、一度サイトに訪れているということからすでに商品やサービスに対して興味があることがほとんどです。興味があるユーザーに対して背中を押すような、効果のあるリマーケティングはぜひ活用してみてください。

Facebookの活用

Facebook広告は固有名詞の検索回数が増えるので、リスティング広告との相性も良くなります。Facebook広告リスティング広告の組み合わせによって、費用対効果を最大限にできるケースもあります。

しかしその一方で、商品やサービスによってはあまり効果が出ないことも。
最初は費用やリソースを投資しすぎず、効果があれば継続するくらいでもよいでしょう。

まとめ

このようにリスティング広告を運用するにあたって、どのようにどうやって費用を使うのかは大きなポイントです。
何を基準にするかによっても予算が大きく変わってくるので、その見極めが必要です。