リスティング広告を出稿する際に気になるのが、かかる費用です。いくら広告によるCV(コンバージョン)が発生しても、費用がかさんでしまうと、事業・サービスは利益を生み出せません。

その広告効果をはかる1つの指標が「平均コンバージョン単価」です。

平均コンバージョン単価とは

平均コンバージョン単価とは、CVに対して請求された金額の平均です。

CVにかかった費用をCV回数で割った数値が「平均コンバージョン単価」となります。1回のCVにかかる費用なので、平均コンバージョン単価は低ければ低いほど、リーズナブルにコンバージョンを達成したことを意味し、効果的な広告運用ができていることになります。

しかし、一方で注意点もあります。それは、そもそものCVが適切に設定されているか、という点です。コンバージョンは日本語で成果を意味しますが、「何が成果なのか」は企業によってそれぞれです。

つまり、CVの内容はユーザーが決定するため、そもそも設定したコンバージョンレベルが低ければ、平均コンバージョン単価が100円であったとしても割高の可能性もあります。

例をあげましょう。たとえば、洋服のECサイト運営企業の場合は「実際にお買い物をしてもらうこと」をCVに設定するのか、「お問い合わせから連絡をもらうこと」をCVに設定するのかは自由です。

前者をCVに設定したときに平均コンバージョン単価が500円だったとします。洋服の価格が3,000円以上であれば、500円で3,000円以上の洋服の「購入」が実現した際には、利益が発生しています。しかし、「問い合わせ」がCVとして設定してあれば、問い合わせからの購入率によって利益の有無が変わります。

このように設定したCVによってその平均コンバージョン単価が高いのか、低いのかが変わってくるので、平均コンバージョン単価と同様に設定したコンバージョンの内容も重要です。

Google広告の目標コンバージョン単価制とは

平均コンバージョン単価はCVの内容が異なれば比較できないので、平均相場を求めるのが難しい指標です。そのため、CVの平均相場はなかなかわかりませんが、コンバージョン単価を自分でコントロールすることは可能です。

Googleの目標コンバージョン単価制を利用すれば、簡単にコンバージョン単価を設定できます。目標コンバージョン単価制は、自分で希望するコンバージョン単価を設定すれば、GoogleのAIが自動で希望コンバージョン単価に近づくように広告の入札単価を調整してくれます。これはGoogleのサービスとして、従来存在したコンバージョン オプティマイザーを改良したものになります。

メリット・デメリット

目標コンバージョン単価制は、Web広告媒体として世界中に検索サイトGoogleを展開しているからできるサービスです。目標コンバージョン単価制導入のメリットとしては、コンバージョン単価の上限や下限が設定できるので、コンバージョン単価が自分の予測と乖離することを防いでくれます。つまり、予算の範囲内で最大の効果を発揮できます。

一方でデメリットも少なからず存在します。初動はコンバージョン率が低いという点です。Googleは過去の膨大なデータとリアルタイムのデータを分析しつつ、最適な時に広告を提示します。そのためある程度、初動時はデータが不十分なので、AI分析も正確性に欠けてしまうところがあります。しかし、2週間ほどAIに時間を与え、AIに自動学習をさせれば、その後ぐらいから徐々に成果が出始めるでしょう。

引用元:Google広告の自動入札機能とは?使い方やメリット・デメリットを解説

目標コンバージョン単価制の仕組み

まずは自分でコンバージョン単価を設定します。そうするとGoogleのAIがそのコンバージョン単価になるように広告の出稿を行います。例えば、平均コンバージョン単価が5000円の場合は5000円で1回のコンバージョンが獲得できれば良いので、そうなるように過去のGoogleに蓄積されたデータから最適なタイミングで最適な箇所にWeb広告を表示します。

そうすることでコンバージョンのない広告出稿を出すリスクが少なくなります。膨大な過去の広告データの中からAIが最適な提案をすることでユーザーが希望するコンバージョン率を達成する手助けをしてくれます。

設定の仕方

まずは「ツール」→「入札戦略」をクリックすると、「目標コンバージョン単価」の項目が登場します。その項目をクリックすると目標コンバージョン単価の設定ができます。そこではキャンペーン名と目標コンバージョン単価を設定できます。コンバージョンの推奨単価をAIが算出してくれるので、その単価を参考に入力します。

入札単価制限

とはいいつつもAIが推奨する単価額が自分の予算オーバーになってしまったりする可能性もあります。そんなときのために「詳細設定」という項目があります。ここではコンバージョン単価の上限額と下限額が設定できるので、上限と下限を設定するとAIはこの範囲内で自動入札を行ってくれます。

その他の自動入札機能について

自動入札機能は、目標コンバージョン単価制以外にもいくつか用意されているので、代表的な機能を紹介します。ただ基本的にはコンバージョン対象の指標が異なるだけで、ベースとなる部分は変わりません。

目標広告費用対効果

広告費用対効果の視点からコンバージョン数が最大化するように自動入札が行われます。

参考:
「目標広告費用対効果」に基づく入札について

クリック数の最大化

予算内でクリック数が最大化されるように自動入札が行われます。この機能はかなり効果的だった事例が多いので、認知度が低いサービスや企業は、このクリック数の最大化を利用するとよいかもしれません。サービスや企業名を知ってもらいたいときに有益です。

コンバージョン数の最大化

予算内でコンバージョンが最大化できるように自動入札が行われます。

参考:
目標コンバージョン単価制について

まとめ

目標コンバージョン単価制は、平均コンバージョン単価を最適化する便利なサービスです。予算を抑えながらCV数の確保につながる可能性が高いため、試してみる価値は大いにあるでしょう。