企業のWeb担当者であれば知っておくべきもののひとつに「オーバー・ザ・トップ」があります。オーバー・ザ・トップは略して*「OTT」*と呼ばれています。
しかし、OTTと聞いてすぐにどんなものかわかる方はそう多くはないのではないでしょうか。もしくは「聞いたことはあるけれど、実際はよくわかっていない」という方もいるかも知れません。

実はこのOTTは現代のメディアはもちろん、私たちの生活にも深い関係を持つものなのです。OTTを知れば知るほど、身近な存在であることに気づくでしょう。
そこで今回はOTT(オーバー・ザ・トップ)とは? という基本から、出現による変化・これからの進化まで解説していきます。

OTTとは

*OTTとは、マルチメディアを提供するサービスの総称です。*代表的なものとしては動画配信や音声通話など。まさにすでに私達生活に欠かせないのものの一つです。
動画配信・音声通話サービスはいまやほとんどの方が活用しているものです。

このサービスからわかるように、OTTは大容量データをリアルタイムに送受信することを可能にしています。また、インターネットサービスプロバイダ(ISP)や通信事業者以外の企業が運営を行っていることもOTTの特徴と言えるでしょう。

参考:用語集 | KDDI株式会社

OTTのサービスの例

OTTのサービスの例としてはYouTubeやNetflixなどの動画配信サービスが挙げられます。アメリカではNetflix・Amazon・Huluを代表的なOTTの事業者としているくらいです。

従来はOTTと言えばPC向けのインターネットサービスのことでした。しかし、スマートフォンの普及を受けスマートフォン向けのサービスも多くなっており、LINEはその代表的な例に該当します。

*他にも私たちにとって馴染みの深いSkypeやFacebook・TwitterなどのSNSもOTTサービスのひとつです。*このように、PCのとスマートフォンに対応するサービス戦略が広まっているのが現状です。

参考:OTT(Over-The-Top)サービスとは?

OTTの種類

ここからは実際にOTTの種類について代表的な3つを解説します。
これらは、私たちの生活や仕事においてなくてはならないものになっています。その代表として、テレビ・PC・スマートデバイスを使用したものを紹介します。

テレビ

テレビを使ったOTTサービスは特にアメリカでの普及が進んでいます。テレビ自体に接続機能が内蔵されたものもあり動画配信サービスに標準対応しているものも増えてきています。

他にも、Xboxのようにセットトップボックスの接続によってネットワーク機能がないテレビでもサービスの利用ができるものも。スティックタイプであれば煩わしい配線が不要でHDMI端子に接続するだけで気軽にサービスに利用ができるようになっています。

PC

PCの場合はラップトップやデスクトップを利用しOTTサービスが楽しむことが可能です。

ブラウザ経由でサービスにアクセスし、YouTubeやSkypeSNSで主に利用されています。他にも大画面での動画配信サービスの視聴でも活用されています。

スマートデバイス

スマートデバイスでの利用は主にスマートフォンやタブレットが該当します。これらのデバイスを通じてwi-fiやLTEからOTTサービスを利用できるようになっています。これらのサービスは、先ほど紹介したPCのものとほとんど同様です。

しかし、デバイスに合わせたり画面の最適化や不要な通信を抑えたりといったことも可能になっています。今では普段私たちが利用しているように、スマートデバイス専用のアプリもリリースされるほど普及が進んでいるのです。

OTTの出現による変化

現代においてOTTは日常に欠かせないと言えるほどに普及しています。では、なぜOTTが普及し、私たちの日常にどのような変化をもたらしたのでしょうか。

ネットワークの高速化とデバイスの進化

そもそもの前提ですが、光回線やブロードバンドによってネットワークが高速化したことがOTTの普及の大きなきっかけとなっています。従来では難しかった高品質な動画であっても、インターネット上で配信が可能になったのです。

また、そのようなネットワークの高速化に合わせてデバイスも進化してきました。
スマートフォンやタブレットはこれからもより高速なwi-fi接続や符号のデータ化を実現していくでしょう。

これによって動画配信のプロセスはさらにスムーズになります。また、先程のテレビ・レコーダーのスティックタイプのように手軽な視聴も可能になっています。

多様化するライフスタイルへの適応

OTTは多様化するライフスタイルへの適応も実現しています。先程の例でいえば、OTTの発展によってリモートワークも数年前より広がりを見せています。「Skypeを使った会議や打ち合わせ」はその代表的なものでしょう。

また、個人のライフスタイルも多様化が進んでいます。一昔前ではよく見る光景だった「放送スケジュールに合わせてテレビの前で待機する」ということも少しずつ減ってきています。テレビの前で待機することは「視聴者側が配信側の都合に合わせている」とも言い換えられられるでしょう。しかし、現在ではそのビジネスモデルも成立しにくくなっているのです。その証明として、ビンジ・ウォッチングが普及していることが挙げられます。*ビンジ・ウォッチングとは、空いた時間に見たいテレビや映画を一気に視聴すること。*見たい番組を見たいタイミングで視聴できるのは多様化のユーザーライフスタイルへの適応の結果と言えます。

参考:OTT(オーバー・ザ・トップ)とは | インターネットを揺さぶるマルチメディアの激震 - 動画配信システム | ボクシルマガジン

OTTサービスとの共存と進化

*このようなOTTサービスの広がりから、従来では参入していなかったテレビ局や通信業者が徐々にOTTサービスに関わりを持ってきています。*例えば、テレビ局が作成したコンテンツをOTTサービスで配信するといった流れもできているのです。これは、配信の幅を広げたいテレビ局とオリジナルのコンテンツを欲するOTTサービスが共存した事例と言えます。

また、OTTサービスと共同して従来の動画配信サービスを定額で楽しめるようにしたものがあります。通信業者がOTTサービスに関わりを持ってきている例です。このサービスは回線契約者限定のものでしたが、IDの取得みよってだれでもコンテンツを楽しめるようになっています。

参考:OTT(オーバー・ザ・トップ)とは | インターネットを揺さぶるマルチメディアの激震 - 動画配信システム | ボクシルマガジン

OTTはさらなる発展が期待されるサービス

このように、OTTサービスは私たちの生活を身近で支えているものなのです。インターネットサービスはこれからますます進化していき、さらに日常に欠かせないものになっていくでしょう。言い換えれば先ほどお伝えしたOTTサービスの進化にも繋がっていくと考えられます。OTTはさらなる発展が期待されるサービスなのです。