ゼロクリックサーチが及ぼす影響

さて、ゼロクリックサーチが増えると、Webマーケティングにおいてどのような影響があるのでしょうか。

コンテンツが見られない

*ユーザーがSERPのみで満足してしまった場合、コンテンツをアクセスせずに終えてしまうという現象が起こります。*たとえば、自転車を購入したいと検索してもローカルパックの醍醐味のもと、Googleは検索位置に近いところの店舗をリストアップします。外観写真とレビューがあるので、ユーザーは店舗に行って購入するために必要な情報を手に入れられたと感じるでしょう。

そのため、オーガニックサーチの上位を獲得するためのSEOに注力したとしてもユーザーにコンテンツを読んでもらえないという事態が起こります。*Googleアナリティクスを想定すると、セッション数やページビューが減少し、それに伴いコンバージョン数も減ってしまう可能性があるのです。*さらには、ソーシャルシェアなど、ユーザー同士の繋がりの中で伝播する機会を失ってしまう懸念もあります。

意識の高いユーザーがホームページに訪問する

前述の通り、コンテンツが見られないという現象が想定されるものの、そのような状況下でもコンテンツにアクセスするのは、SERPに表示された内容だけでは満足できないユーザーでしょう。SERPで検索動機を満たされたユーザーはサイトに訪問せず、モチベーションの高いユーザーばかりがアクセスすれば、セッションが減少してもコンバージョン率が高くなると期待できます。

参考:ゼロクリックサーチは脅威?WEB担当者として対応できることは?|dig

Googleが競合になる

ゼロクリックサーチが増えている背景には、SERPにおいて解決できることの増加があります。ホテルの検索から予約が可能であり、ホテルの価格帯や位置情報、そしてレビュー点数まで一目で把握できます。特定のホテル検索サイトにアクセスせずにホテルの宿泊料金を比較し、最も条件の良いプランの予約ページにアクセスできてしまうのです。ホテル検索サイトの立場で考えると、自社のページ内でユーザーを遷移させられないことがハードルになります。ユーザーにとって便利ではあるものの、Googleが競合に送客することもありえる存在となってしまうのです。

参考:2020年、Googleの垂直化とゼロクリック検索がローカル検索へと与える影響|SEO Japan

対応するための施策

ゼロクリックサーチの増加により、ユーザーがホームページにアクセスすることを前提に考えていた施策だけでは、集客を伸ばせないでしょう。以下はゼロクリックサーチの増加に対応するための施策です。

強調スニペットを意識する

ゼロクリックサーチが発生する原因の一つは強調スニペットにあります。*強調スニペットというのは、検索結果であるSERPの上部にユーザーのクエリに対する回答として表示されるものです。*目立ちやすく、ユーザーに認識される可能性が高いでしょう。

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▲強調スニペットの表示例

「Webマーケティング」と検索してみると、言葉の意味が強調スニペットとして表示されます。Webマーケティングがどのようなものなのか、少しだけ知りたい人であれば、ページにアクセスする必要はないでしょう。結果、ゼロクリックサーチの原因になってしまいますが、記事タイトルをクリックすることでページにアクセスできるようになっているのです。つまり、「Webマーケティング」について詳しく知りたい人を誘引する機会だと言えます。

このような仕様から、*自社のページが強調スニペットに選ばれれば、モチベーションの高いユーザーとの出会いにつながると期待できるのです。*自社のページを強調スペニットにする明確な方法はありませんが、ユーザーの検索意図に的確に回答しているページであれば、選ばれる可能性があるかもしれません。検索において最適になるように、データを構造化し、検索エンジンに重要視されるページを目指しましょう。

参考:2020年のSEOは「ゼロクリック検索」に注目!|名古屋のホームページ制作なら『レン太君』

リスティング広告を活用する

前述で例にした強調スニペットの表示よりも「Google広告」が上部に表示されていたことに気づいた人もいるでしょう。ユーザーの検索意図にもよりますが、強調スニペットよりも上部に表示されることで、コンテンツへのアクセスを行う場合もあるでしょう。*ただし、リスティング広告で上位を獲得するには、競合状況によりコスト高になる可能性がありますので注意が必要です。*強調スニペットとともに表示できればSERPにおいて広くシェアを獲ったことになり優位だと言えます。

ローカル検索において上位を獲得する

ローカルパックに自社の情報が表示されれば、たとえ自社のコンテンツがクリックされなかったとしてもユーザーとのコンタクトに発展する可能性が上昇します。つまり、ローカルSEOに強くなる必要があるのです。*ローカルパックの3位までに表示されることを目標としましょう。*ただ、ローカルパックの掲載順位はオーガニックサーチの順位との相関が強いと見られているため、自社のホームページSEO対策にも力を注ぐ必要があります。

ただし、ローカルパックを利用できるのは、実店舗がありGoogleマイビジネスに登録しなければいけません。この条件がクリアできる企業は、ぜひ取り組みたい施策です。

様々なメディアにおいて露出を増やす

ゼロクリックサーチにより、オーガニックサーチによるクリックが減少するのであれば、SNSや動画など様々なメディアでの露出に力を入れるのも一つの方法でしょう。会社の名称やブランド名などがユーザーから認知される機会が増えると、ゼロクリックサーチが起こらず、ホームページへのアクセスにつながる期待ができます。また、*メディア上で会社名やブランド名が言及されることをサイテーションと言います。ホームページリンクされている必要はなく名称が掲載されるだけでも、SEOに効果があるとされているのです。*認知拡大とSEOという2点のメリットを考えると取り組んで損はないでしょう。