Instagramをはじめとした企業のSNSマーケティングを支援するテテマーチ株式会社で、ディレクターを務める望月です。営業が受注した案件をディレクションし、実際にSNSアカウントを運営する仕事をしています。

今回は、「今さら聞けないけど覚えておきたいInstagramマーケティングで知っておきたい基礎知識」についてお話させていただきます。

目次

  1. 運用の目的・KPI
  2. 運用のKPIを設定する
  3. KPIを設定したら、運用方針・施策を検討
  4. コンテンツの見せ方について
  5. 最後に、流行と細かいテクニックについて
  6. まとめ

1.運用の目的・KPI

企業によって様々ではありますが、Instagramアカウントの運用をする場合、「ポジティブな口コミを増やしたい」「ユーザーの興味関心を惹きたい」など何かしらの目的があるはずです。

こうした目的を実現していくために、「KPI(重要業績評価指標)」を設定していく必要があります。

  • どのような目的を持ってアカウントを運用していくのか?
  • そのためにどのようなKPIを定めて運用していくのか?

を運用に関わる人間が共通の認識を持って運用することがアカウント運用の成功の鍵と考えています。

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KPIとは目的を達成するための各過程が適切に実施されているのかを定量的に評価するための指標です。

僕たちテテマーチがクライアントのSNSを支援する際、まずはクライアントのニーズを引き出し、一緒に運用の目的を明確にした上で、KPIを設定をしていきます。商品やサービスの認知度を広めたいのか、コアなファンを増やしたいのか、など、クライアントによっても違います。

2.運用のKPIを設定する

まず目的を明確にし、その目的を達成するためのKPIを設定していきます。

Instagram運営においては、以下のKPIを用いて効果を測ることが多いです。
1つ1つ簡単に解説していきます。

2-1.フォロワー数

フォロワー数は、とてもわかりやすいKPIです。フォロワーとは、アカウントの「ファン」になってくれるユーザー数だといえます。

2-2.エンゲージメント

エンゲージメントとは、いいねやコメントなどの「ファンのポジティブな反応の数」のことです。
Instagramでは以下の3つをエンゲージメントを示します。

①いいね数

最近ではInstagramのいいね数が他の人に非表示になりましたが、自分のアカウントであれば確認が可能です。投稿につけられたいいね数は、ユーザーにどれだけポジティブに受け入れられているのか示す指標の1つです。

②コメント数

コメント数反応やで、投稿に関しての質問やメッセージを確認することができます。ユーザーのコメントに返答をすれば、ユーザーとのコミュニケ―ションを活発にとることができます。

③保存数

Instagramは、投稿した写真の右下に「保存」ボタンがあります。保存するということは、「あとでじっくりと見たい」とうユーザーの気持ちの表れです。いいねやコメントをしても、あとから確認することはできません。保存した投稿は、購入などのアクションを取るときの比較検討のために使用されることが多いです。

2-3ハッシュタグ投稿数

ハッシュタグ投稿とは、Instagram上に投稿される自社ブランドや自社製品に関連したハッシュタグがつけられた投稿のことです。ハッシュタグ投稿数=口コミ数として考えられます。

ユーザーはハッシュタグで検索をかけることで特定の商品やサービスの口コミを確認する傾向があり、ポジティブなハッシュタグ投稿が増えれば購買の後押しにも繋がります。

2-4. リーチ数

Instagramの投稿にたどりついた「ユニークユーザー」の数を指します。ちなみに、インプレションは投稿にたどりついた「アクセスの総数」を指します。同じ人一人が投稿を5回見た場合、リーチ数は1で、インプレッションは5です。

同じ人に何回も投稿を見てもらうよりも、いろんな人に投稿を見てもらいたいですよね。よって、インプレッション数ではなく、リーチ数をKPIに設定することもあります。

上記に挙げたKPIをすべて追っていかなければいけないということではありません。
例えば、「ポジティブな口コミの数を増やしたい」という目的があった場合。「この商品良い!」などのユーザーによる投稿の数は、「ポジティブな口コミの数」を計測するためのKPIとして機能すると考えます。よって「UGC数」をKPIに設定しよう、となります。

一方、「商品の認知度をアップさせたい」という目的で運用をしている場合だと、フォロワー数よりも、「1投稿あたりのリーチ数」をKPIに設定することになります。

大事なのは、自分のアカウントを運用する目的にあった数値をKPIに設定することです。

3.KPIを設定したら、運用方針・施策を検討

自社のアカウントKPIを設定したら、そのKPIを達成するための運用方針や施策を考えていくフェーズに移ります。

ここでは、「アカウント運用方針」についてご紹介した後に「キャンペーン」「広告」「インフルエンサーキャスティング」などの施策をご紹介します。

3-1.アカウント運用方針

KPIを定めたらまずは土台となるアカウントの運用方針を定めていきます。

主に運用方針で決めておくべきことは以下です。

コンテンツテーマ

Instagram運用において、重要なのが投稿コンテンツの中身です。
商品の認知度向上を目的とした企業が、闇雲に自社商品を投稿していても、ユーザーは興味を持ってくれません。

そこで必ずどのようなコンテンツを投稿していくのかを定めておく必要があります。

投稿頻度

投稿するコンテンツが決まったら投稿の頻度を決めます。

投稿本数が重要だと考え、ユーザーが興味を持てないような投稿を無理やり投稿してしまうケースを見かけますが、質の低いコンテンツを大量に投稿してもあまり意味はありません。

かえって質の低いコンテンツと大量に接触することにストレスを感じたユーザーがフォローを外してしまう、興味をなくしてしまう可能性もあります。

そのため、コンテンツテーマに沿った質の高いコンテンツを継続して投稿できる投稿頻度を設定することが必要となります。

投稿スケジュール(投稿時間、投稿曜日)

Instagramではアクティブなユーザーが多い傾向にある時間、曜日をデータを確認することができます。ユーザーがアクティブな時間に投稿することで、ユーザーにリーチする可能性が高くなったり、エンゲージメントに繋がりやすい可能性があります。

アカウント開設前ではなかなか傾向を測ることはできませんが、競合や参考にしている他のアカウントが何曜日、何時に投稿しているかなどを見ながら仮説を立てて投稿スケジュールを作成するのが良いと考えます。ちなみに21時近辺がゴールデンタイムとされるケースが多いです。

3-2.施策

運用方針の次に運用の効果を最大化させるためにInstagramで用いられる施策をご紹介いたします。

①キャンペーン

1つ目は、キャンペーン施策です。短期間でぐっとユーザーに認知を広げたいときに行います。フォロワー数、リーチ数をKPIに設定しているアカウントに有効な施策です。

期間を決め、「こういうアクションをしてくれた人にプレゼントを贈呈します」など、何らかのメリットがある形にし、ユーザーのアクションを喚起します。「フォロー&いいね」「フォロー&コメント」などの組み合わせをすることが多いです。

②広告配信

2つ目が、フィードやストーリーズへの広告です。
ターゲットにしているより多くのユーザーに、自分のアカウントコンテンツを見てもらいたときに有効です。

広告施策はキャンペーン施策と絡めることも可能です。キャンペーンへの参加を呼び掛ける広告を出すことで、より多くのユーザーにリーチすることができます。

Instagramでは複数の広告種別が用意されています。実施目的に合わせて適切な広告配信を行うことが広告配信施策の成功の鍵となります。

③インフルエンサーキャスティング

3つ目は、インフルエンサーを活用です。ターゲットとしている層に支持を得ているインフルエンサーを活用することで、ブランドの価値向上を目指すことができます。

インフルエンサーが商品と一緒に写っている写真よりも、使用シーンをイメージしやすい投稿のほうがユーザーからの商品理解を得やすいといったケースもあります。

これらの施策は、ただ闇雲にやればいいというわけではありません。KPIを設定し、自分たちのアカウントの運用に即した施策であるかが大切です。キャンペーンを行うことを目的にしない、ということです。

4.コンテンツの見せ方について

続いて、「どのような見せ方をしていくか」について考えていきます。
ここでは「フィード」と「ストーリーズ」に分けて投稿内容を分けて発信していくという見せ方についてご紹介いたします。

フィードは、「世界観を発信する場」一方、ストーリーズは、「実用的、お得な情報を発信する場」に使うなど発信内容を分けて発信していくケースをご紹介させていただきます。
例えば、アパレル企業ですと、フィードではスタッフのコーデを投稿して世界観をアピールし、ストーリーズではセール情報を投稿する、といったような感じです。

洋服の世界観が好きでフォローしたユーザーが、流れてくる洗練されたフィード投稿の中、「〇〇%オフ」といった文字が入ったセール情報が入りこんできたら、ユーザーはネガティブな印象を抱いてしまい身構えてしまう可能性があります。

他にも、具体的に東京メトロさんのアカウントの実例を見ていきましょう。

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https://www.instagram.com/tokyodate_metro/

こちらのアカウントでは、フィードに小説を投稿し、統一した世界観を表現しています。
ここにイベント情報が混ざってしまうと、小説を楽しみにしていたユーザーがフォローを解除し、離れていってしまう可能性があります。フィードの世界観を壊さないためにも、イベント情報などのアピールはストーリーズで行うのです。
ストーリーズは24時間で消えてしまいますが、きちんとカテゴリ分けして「ハイライト」に残すことで、あとからでも見ることができるようになります。

ここで、最初に世界観の作り込むことがとても大事になってきます。ブレない軸を持つためには、初期の段階でSNSマーケティングのプロの相談することをおすすめします。
世界観を守ることも大事な一方、常にPDCAを回し続けなければいけません。コンテンツに対するユーザーの反応を見つつ、方向性を修正していくことが求められます。「この投稿ではユーザーにリーチできないかもしれない」と気づいたときに、軌道修正していく姿勢が大切です。

また、必ずしも「インスタ映え」する投稿をする必要はありません。最近では、ハウツー系、マガジン系のコンテンツも増えてきており、インスタ映えがすべてではなくなってきました。
あくまでも大事なのはユーザー視点。ユーザーがアカウントをフォローすることによってどういうメリットがあるのか、ユーザーが求めている情報とは何かを考えながらアカウントを作り上げていくことが大切です。

5.最後に、流行と細かいテクニックについて

最後に、細かいテクニックのお話をします。

5-1.フィード

最近の流行だと、写真に文字を入れ、雑誌のように表現する「マガジン系」や、先ほど紹介した東京メトロさんのような「フィード小説」の投稿がたくさん見られるようになりました。

例:clove,(https://www.instagram.com/clove_magazine/?hl=ja)
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他にも、「パノラマカルーセル」という手法もあります。パノラマ写真を複数投稿し、2枚目と3枚目がつながっている、というような加工手法です。

例:つちめい飯(https://www.instagram.com/p/B5FVFvEl42B/)
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InstagramのUI(ユーザーインターフェース)を利用した仕掛けでUX(ユーザーエクスペリエンス)を高め、ユーザーがついつい中身を最後まで読んでしまうような仕掛けとなっています。

5-2.ストーリーズの機能活用

ストーリーズには様々な機能が年々追加されています。

ユーザーの生の声を拾うには、アンケートスタンプが使えます。
「商品AとBどっちがいい?」といった風にユーザーに直接聞くことができ、ユーザーから期待されていることを吸い上げて、商品開発やアカウント運営に生かしやすい利点があります。

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※インスタアンテナから引用

現在は、フィード投稿よりもストーリーズ投稿のほうがアクティブ率が高いとも言われていますが、ストーリーズからフィード投稿に流入させることも可能です。投稿の下にある紙飛行機のボタンをプッシュすれば、ストーリーズに転載でき、そこからタップすればフィードを見てもらうこともできます。

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まとめ

Instagramの基礎知識ついてご紹介しました。
Instagramの運用には正解はなく、アカウントによって目的も違えば、施策も違ってきます。
自分のアカウントがユーザーに何を求められているかを理解し、PDCAを回しつつ、Instagramを運用していきましょう。

文:望月 瑛太