5G(の周波数)は我々でも導入可能

阪口氏:現在、5Gの周波数は、日本の通信オペレータ4社(NTT docomo、Rakuten、Softbank、KDDI)に割り当てられているのですが、その周波数の中にまだ誰にも割り当てられていない空き地があります。

この空き地は「ローカル5G(プライベート5G)」と呼ばれており、通信オペレータ4社以外が、ある閉じたエリアのサービスに使える周波数を指しています。例えば、eスタジアム、遠隔コンストラクション、スマート工場、スマート農業などで、このローカル5Gを活用することが可能です。

参考:ローカル5Gとは?|KDDI IoT

5Gの超スマート社会への展開

阪口氏:「超スマート社会」とは、遠隔医療、遠隔建設、自動運転などが行われている社会を総称しているのですが、その超スマート社会を実現するための5つのテクノロジーがあります。

この5つの技術がとても成熟し、どれも活用できるようになったため、これらを組み合わせることによって、社会に爆発的なインパクトを与えるような出来事が10年以内に起きると予想しています。
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図を見ていただくと、サイバー空間(バーチャル空間)にビックデータやAI(人工知能)があります。これまでの携帯電話はこのサイバー空間への窓の役割を果たしていました。我々はサイバー空間にアクセスして、その中の情報を持ってくるのですが、入ってきた情報は自分達で判断を下していました。

ところが5Gの時代になると、センサー(カメラ)、データベース(地図)、それから判断処理を行うMEC(Mobile Edge Computing)、アクチュエーター(エネルギーを機械的な動きに変換し、機器を正確に動かす駆動装置)が、発展します。サイバー空間とフィジカル空間は、5Gで繋がるようになるのです。

MECとセンサー・データベース間は、「超高速低遅延(5G)」
MECからアクチュエーターへの制御には、「超高信頼低遅延(5G)」
サイバー空間とフィジカル空間を結ぶ、同時多数接続(5G)

この3つが有機的に繋がることにより、超スマート社会は実現される、と私は信じています。

高齢者が複数のトラクターを同時に操作する「スマート農業」や、実際に江ノ島の自動運転バスにも活用されている「スマートモビリティ」、ドローンタクシーなどの「スマートスカイ」、水中でさまざまなものを探索してくれる「スマートオーシャン」など、5Gを使った超スマート社会では、現在ではまだ当たり前ではない社会を可能にしてくれるのです。

超スマート社会が当たり前の世界に

阪口氏の講演で、「超高速・低遅延・接続性」を備えた5Gを活用することで、アニメや漫画の世界でしか実現しないだろうと予想していた超スマート社会の実現が、すぐそこまで来ていることを実感しました。東京オリンピック前の実用化を目指し、現在奮闘されているとのことなので、5Gのある社会がどのように変化していくのか、今後注目していきたいと思います。