新型コロナウイルスの影響で、ビジネスマンは在宅勤務などのテレワークとなり、家で過ごす時間が大幅に増えています。もちろん、自宅にいても仕事は発生しますが、通勤時間がなくなり、休日も外出を控えていることで、いつもよりも自宅での過ごし方について考える人も多いのではないでしょうか。ここでは、需要が増えそうな業界を予測します。

オンライン学習事業

普段、仕事にまつわる知識を得るために、セミナーや勉強会などに出席している人も多いでしょう。しかし、不要不急の外出ができない今、そのような場に足を運ぶことが難しくなっています。そこで注目されているのが、オンライン学習です。

オンライン学習は、「動画配信により講座を受けられる」というもの。英会話などの語学はもちろん、プログラミングやビジネススキルに関するものなど、内容は多岐に渡ります。

このようなオンライン学習サービスは徐々に広がりを見せているようです。例えば、ビジネス・ブレークスルー大学・大学院は、2020年3月に企業への教育研修支援としてオンライン講座を無償提供しました。合計130時間の講座が無償ということで、大きな反響があったようです。
参考:企業の人材育成機会を支援する「新型コロナウイルス対策 無償提供講座」拡充。ビジネス英語、会計学など130時間を提供

また、『グロービス学び放題』のように1ヶ月あたり1,634円と良心的な金額でさまざまなコースを受講できるものや、10万以上のトピックの中から自由に受講したいものを選択できる『Udemy』など、提供されているサービスの特徴もさまざまです。オンライン学習サービスの種類が増えたことにより、学びたいものや勉強のペースに合わせて、より自分のライフスタイルに合ったサービスが選べるという環境は、今後利用を加速させていくでしょう。参考:グロービス学び放題
Udemy

ビデオ会議システム

在宅勤務になり困ることの一つが、社内メンバーが一堂に会する会議ができないこと。その問題を補完するツールとして注目されているのが、ビデオ会議システムです。

2020年開催予定だった東京2020オリンピック競技大会や新型コロナウイルスの影響による、企業のテレワーク導入増加によって、さらに注目度がアップ。その市場は、2020年には527億円、昨年に比べ101.5%アップと予測されています。
参考:ビデオコミュニケ-ション市場の市場予測

シスコシステムズやブイキューブといった大手メーカー製のシステムをすでに導入されている企業が多いようですが、最近では「Zoom」や「Google ハングアウト」などのサービスの利用者も増えつつあります。これらは無料で使用開始できたり、小規模のビデオ会議ならば不便なく使えるところが人気のようです。

急速に需要が高まるビデオ会議システムは、群雄割拠の様相になっていますが、ビデオ会議システム自体だけではなく、それに付随する便利なサービスなどがで始めることで、さらに業界自体が注目を集める可能性を秘めています。
参考:Zoom
Googleハングアウト

宅配事業

買い物などに出かけることを控える人が多いため、宅配サービスの利用者も増えています。特に、食料品や生活必需品を扱う生協(日本生活協同組合連合会)などは、利用者数・注文者数共に急増しているとのこと。

生活協同組合コープこうべでは、2020年2月末以降、加入の新規申し込みが前年同期の1.2倍のペースに。埼玉県さいたま市のコープデリ生活協同組合連合会も、3月2〜6日の週は新規加入に関する資料請求集は前週比16%アップという結果に。
参考:生協にあらためて脚光、新型コロナで宅配需要が急増

生協は加入者のみが利用できるため、店舗を構える量販店などに比べると、比較的品不足などに陥りにくいという特徴があります。そのため、安定して食料品や生活必需品を手に入られるという点が人気の理由なのでしょう。

類似のサービスとしてネットスーパーがあります。これは、スーパーマーケットがネット通販を行うサービスですが、こちらは一時期注文が殺到しすぎたために受注の一時停止や欠品、遅配が相次ぎました。

参照:ネットスーパーで相次ぐ遅配・注文停止、コロナ影響で殺到

ネットスーパーなどのサービスは、既存のネット通販と同じように、在庫ありきのサービスのため、急激な受注増に対応できないという欠点があります。一方生協は、加入者の注文に応じて商品を用意するシステムのため、他サービスに比べてそれほど混乱が起きないのでしょう。

今回のような長期間の外出自粛のような事態は、いつでも起こり得る可能性があり予測不可能です。これからは、リアル店舗だけではなくネット通販のサービスの拡充がポイントになってくることは間違いないでしょう。今回、特に生鮮食品や日用品の宅配に関して需要が増えたことで、今後は新しいサービスが生まれるかもしれません。

園芸・造園事業

密かに注目を集めているのが、庭のリノベーションです。オンラインストア「LOVEGREEN STORE」を展開する株式会社ストロボライトが行ったユーザーアンケートによれば、43%の人が自宅での過ごし方で増えた時間を「園芸・ガーデニング」に充てていると回答。

そのような動向を受けて、庭のリノベーション費用の10%オフキャンペーン、および通販で使用できる500円オフクーポンの配布を実施など、巣ごもり需要を的確に捉えたキャンペーンが各社で発表されています。
参考:【新型コロナ対策】庭やガーデニング時間を豊かにする「在宅応援キャンペーン!」を実施中!

また、自宅にいることで生活が制限されている人のストレス解消のために、生花店「Hanayue」では、6月に先着100名にあじさいを使った自宅用のボタニカルワックスサシェのプレゼントを実施。このように、いわゆる“コロナ疲れ”と呼ばれる慣れない外出自粛に対するストレス緩和のためのサービスの提供も注目を集めつつあります。

参考:【東京・北千住の花屋Hanayue】自宅に花を!「コロナ疲れ」を癒すボタニカルワックスサシェを無料プレゼント!

フィットネス事業

外に出られないことによる運動不足解消のために、15年前に大ヒットしたフィットネスプログラム『ビリーズブートキャンプ』の人気が再燃し、令和版も発売されています。

また、ヘルスケアプラットフォームアプリ「FiNC®︎」では、在宅勤務や外出自粛など慣れない生活からくるストレスや食生活の乱れ、運動不足をサポートするため、ヘルスケア領域の専門家が監修した「今こそ、カラダ」プロジェクトを開始。これまでの自宅トレーニングに加えて免疫対策レシピなどを情報提供するサービスです。

健康志向のフィットネスジム利用者のジム自粛の流れにより、こうしたオンラインフィットネス配信サービスの需要はますます増えていくでしょう。
参考:外出自粛ムード高まり、ビリーズブートキャンプが再ブーム!『令和版 ビリーズブートキャンプ』がオンラインフィットネスサービス「LEAN BODY」から独占配信予定
新型コロナウイルス感染予防対策の影響を受けFiNCアプリで「今こそ、カラダ」プロジェクトをスタート〜自宅でできるフィットネス、医師や専門家によるアドバイスをお届け〜

アイデア次第で逆境をチャンスに

新型コロナウイルスの影響は、ビジネスはもちろん、一般の人たちの生活にも現れています。この状況で生まれた新しい需要をいち早くキャッチし、ビジネスアイデアを作り出すことが、新しいビジネスチャンスにつながるのではないでしょうか。

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