シェアリングサービス

「モノよりコト」と言われるように、アフターコロナ時代は所有サービスよりも体験(利用)サービスが伸びていくと思われます。現代の消費者には、モノを所有する喜びよりもサービスを体験する楽しさを重視する価値観が広まっているからです。

そこで注目され拡大しているのが、所有ではなく利用を重視したシェアリングサービス。シェアリングサービスは所有(購入)するよりもリーズナブルな傾向があり、コストパフォーマンスが高いのがメリットです。ここでは、アフターコロナ時代に堅調に伸びていくだろうシェアリングサービスを紹介します。

カーシェアサービス

アフターコロナ時代に需要が増しそうなのが、移動のシェアリングサービス。車を持たない若者が増え、カーシェアリングが普及しています。車は購入費が高いうえに、購入後も維持費がかかります。賃貸物件だと車を保管する駐車場代もかかるでしょう。豊富な移動手段がある今、車は「コスパが悪い存在」になりつつあるのかもしれません。

カーシェアリングの代表格「タイムズカーシェア」は、2万台以上の自動車と1万ヶ所以上のステーション数を誇り、シンプルな料金体系が人気を集めています。車を持たず、必要な時だけカーシェアで利用する人が増えていくでしょう。

参考:タイムズカーシェア

CtoCサービス

大きな枠で捉えれば、個人間取引を行うCtoCサービスもそのシェアリングサービスの一種です。CtoCサービスの幅は広く、モノ・スキル・場所・時間などありとあらゆるものが取り引きされています。

新しいネットビジネスとして大きな市場を形成しつつあり、コロナショックで企業の経済活動が停滞しても個人でやり取りできるため注目度が増しました。個人が直接やりとりするビジネスモデルゆえに比較的安価な取引ができる傾向にあり、デジタル化に伴ってこれからも成長していくでしょう。

CtoCサービスの代表例はフリマサービスで、今一番勢いがあるのは「メルカリ」です。個人が不要になったモノを販売していて、買ったまま使用しなかった未使用品や中古品を気軽に売買できます。メルカリで購入したモノをまたメルカリで販売する人もいて、リサイクル・リユースするサステナビリティとしても捉えられるので、これからの価値観に合うサービスとも言えるでしょう。

参考:メルカリ

アフターコロナ時代は手軽でシンプルなサービスが求められる

アフターコロナ時代には、今よりもさらにデジタル消費が定着し、所有よりも利用を重視する価値観が主流になっていくでしょう。デジタル消費は「所有しなくても楽しめる」ビジネスモデルを実現しやすく、早く・安くモノゴトを消費できるようになります。これからは身軽な消費スタイルが人気を高めていきそうです。

マーケターは「消費者にどれだけ手軽に提供できるか」を重視したマーケティングがこれまで以上に求められるかもしれません。変化する消費行動にアンテナを張りながら、よりシンプルでわかりやすいサービス体系、アプローチを考えるといいのではないでしょうか。

参考:アフターコロナの消費者像-「デジタル消費」の加速と、「所有より利用」の揺り戻しも
「アフターコロナ」時代の消費行動は?
シェアリングサービスの成功事例【8選】
CtoCとは何か?BtoB、BtoC、BtoEとの違いやそれぞれの取引形態を解説