株式会社ロックオン、マーケティングメトリクス研究所の松本です。

前々回は「棒グラフ」、前回は「円グラフ」について説明しました。今回は「折れ線グラフ」について紹介します。

棒、円、折れ線、この3つはグラフ表現形態の御三家と言っていいほど様々な場面で利用されます。この3つをマスターするだけで作図能力は大きく向上するはずです。

何を伝えたいときに折れ線グラフを使うのか?

折れ線グラフは、項目の「推移(変化)」を表すために用います。
折れ線の角度から変化を感覚的に把握できることが、折れ線グラフの特徴だと言えます。左から右に見て折れ線が急上昇・急降下であるほど、大きな変化があったことがわかります。

ちなみに「推移」は殆どが時間を経たことによるものが多く、折れ線グラフの大半は時間軸で表現されます。
折れ線グラフを用いるのは、特定の項目の傾向(増減)を把握したいときです。

例えばあるネットショップの1年間の売上を見て、どのような傾向が現れているかを把握したいときは折れ線グラフを使います。

折れ線グラフ

このグラフは「棒グラフ編」で「どの月の売上が良くて、どの月の売上が悪いかを把握したいとき」に表した棒グラフと同じデータを使っています。
1年間の「推移」は解っても、月単位の「比較」は解り辛いです。何を伝えたいかによって、見せ方は変えるべきです。

変化を表現する方法として、折れ線グラフの他に面グラフという表現があります。
面グラフ

使い分け方ですが、特定の項目の傾向を表現するなら折れ線グラフ、全体の傾向を表現するなら面グラフと覚えて下さい。面グラフでも各項目の傾向が解りますが、それぞれの項目を積み上げて全体が把握できるように表現しているのが面グラフです。
上記グラフのように設定された閾値(売上ノルマ)に到達した瞬間を把握するとき等で面グラフが用いられます。

いかがでしょうか?折れ線グラフの使い方、順を追えばそんなに難しいことでもありません。「変化を表現」するなら折れ線グラフ、と覚えて下さい。

もっとも解りやすく伝わる「折れ線グラフ」の作り方

エクセルで作ったグラフのビフォー・アフターのコーナーです。まずは折れ線グラフのビフォーをご覧ください。
折れ線グラフのビフォー

不要な部分は削除、改めるべき部分を修正しまwす。

削除しよう

1:グラフを囲う枠線は不要
2:グラデーションや影などは不要(3Dはもってのほか)
3:マーカーの枠線は不要
4:補助線は不要

変更しよう

1:軸タイトルはグラフに重ねて余白を作らない(各項目に含める)
2:項目名のフォントは「メイリオ」+「UI」がマスト(※このフォントが一番見やすいです)
3:項目名のフォントサイズは大きくしましょう(12~14が理想です)
4:凡例はグラフの中に、線が3つ以上なら線に沿えることも考える
5:グラフの色は解りやすく
6:時間軸は年を跨ぐときだけYYを追記、その他はMM/DDにする
7:マーカーは表示しておく(ただし線が多いなら作らない選択肢も考える)

このような修正を施すことで、以下のような見やすい「折れ線グラフ」になります。
折れ線グラフ

データの理解を助ける要素以外は全て排除することで、グラフはもっとも伝わりやすくなります。

発展編:「折れ線グラフ」で絶対に使いたい裏技2つ

基本的な作り方をマスターしたところで、覚えておきたい裏技を2つご紹介します。

1.折れ線グラフを作るときの注意点

以下の図は、あるネットショップのジャンル別売り上げ推移を表したものです。果たして、このグラフは見やすいでしょうか?
ジャンル別売り上げ推移

メイン商品群であるサプリの売上高が多過ぎて、その他の商品群の推移が解りません。規模の大きいグループと小さいグループが含まれたデータは、1つの軸で表現するには向いていません。

そこで、もう1つの軸を作ることにします。
サプリの折れ線グラフを選択し、右クリックをして、[データ系列の書式設定]を選択して下さい。すると、以下のような画面が表示されます。
データ系列の書式設定

使用する軸を[第2軸]に変更して下さい。これで、サプリは2軸(右目盛り)で表示されることになります。
結果が以下の通りです。
第2軸

これでも見難い箇所がいくつかあります。その理由は、線が多過ぎることにあります。

こうした場合は「いま表示している項目は全て必要か?」を問うと良いと考えます。折れ線グラフはあくまで項目単位の推移を把握するために用います。
表したい内容が全体であれば、面グラフを用いて下さい。

2.ちょっと新しい「複軸グラフ」の作り方

少し新しい手法として、複軸グラフ(複眼グラフ)という表現があります。
例えば、日毎の売上推移を集計する場合、乱高下するグラフに仕上がります。特に土日は増える(減る)等の曜日の影響は強く現れます。
複軸グラフ

梅雨時期と冬は減収・春秋は増収かな?ぐらいは何となくわかるのですが、とにかく見辛いです。
そこで、1週間分の平均を算出すれば、そうした影響を排除し、全体の傾向を明らかにすることができます。(合算でもいいと思います。)
平均

このグラフだと3月までは堅調ですが、4月から6月で下落して、7月から盛り上がって…というのが見えてきます。
そうなると、4月から6月にかけてどのように下落しているかを合わせて見たくなります。今までなら2つの折れ線グラフを用意していましたが、一緒にしてしまいます。
2つの折れ線グラフ

年間の週単位の推移と特定月の日単位推移、2つの異なる時間軸のデータを1つに表現することで言いたいことがより明確になります。エクセルでは一気に作成することができないので、幾つかの手間が発生しますが、それを補って余りある表現のできるグラフです。

ただし、作成するときの注意点として、縦軸(Y軸)の上限値は揃えて下さい。でないと、上限で単純に比較することができません。

まとめ

今回は、「折れ線グラフ」に焦点をあてて、もっとも伝えたいことを、もっとも解りやすく伝えるグラフ表現方法をお伝えしました。

「推移(変化)を表現」するなら折れ線グラフ、です。
見せ方さえコツを掴めれば最強のコミュニケーション方法である「グラフ表現」。ぜひマスターして、分析レポートに活かしましょう。

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